相続

【弁護士監修】遺言書の法的な効力はどこまで?!相続における有効な遺言書の書き方とは?!わかりやすく解説

よく、ドラマなどで、「〇〇を全て〇〇さんに渡す」などといった遺言書が出てくるシーンがあります。

この遺言書で本当に、記載された内容がそのまま実現されるのでしょうか。

そもそも、遺言書とはどういうものなのでしょうか?

今回は、遺言書の効力や有効な遺言書の書き方など、遺言書について知っておきたいことをわかりやすく解説しています。

目次

遺言書は強い効力をもつ!遺言書があれば遺産相続はスムーズに

遺言書があれば、法定相続分によらずに、遺言者の意思どおりに財産を譲り渡すことができます。

ちなみに、法定相続分というのは、法律で定められた相続を受ける割合の基準のようなものです。

遺言書が有効であれば、基本的に相続人間で遺産分割協議をする必要もありませんので、スムーズに財産を分けることができます。

この遺言書について、どのような効力があるのか、遺言の種類、遺言が無効になるのはどのようなケースかを解説します。

遺産相続では遺言書が重視される

人は、自身の所有している財産を自由に利用・処分することができます。

これは、死亡の時にも当てはまります。

人は、自身が亡くなった時、その時点で有していた財産を自由に処分することができるはずです。

この亡くなった時に、人が自由に財産を処分する方法が、遺言書になります。

遺言書は、亡くなった者(遺言者)の意思が記載されたものですので、この遺言書が重視されます。

遺言書があれば法定相続人でなくても相続ができる

遺言書がある場合、遺言書に記載された内容を実現させることができます。

ですので、遺言書があれば、法定相続分ではなく、遺言者の意思通りに遺産分割をすることができます。

また、法律で相続を受けられる者の基準を定めており、それを法定相続人とよびますが、遺言書があれば法定相続人以外にも相続させることができます。

さらに、財産を譲り渡す受遺者は、相続人以外の第三者でも構いません。

遺言書の効力とは?!

遺言書では、遺言者の死後の法律関係につき、どのようなことを決めることができるのでしょうか。

遺言書の効力について解説します。

相続分や遺産の分割方法の指定

被相続人は、相続分を指定することもできます(民法902条)。

例えば、配偶者に4分の3,長男に4分の1と決めることができます。

また、被相続人は、相続分の指定を第三者に委託することもできます。

被相続人は、相続人の誰にどの財産を相続させるかを指定することができます(民法908条)。

例えば、配偶者に自宅の土地建物を相続させると決めることができます。

また、被相続人は、遺産分割の方法を第三者に委託することもできます。

遺贈に関すること

被相続人は、遺言書を作成することにより、法定相続分ではなく、遺言者の意思通りに相続をさせることができます。

被相続人は、遺言書により、法定相続人以外の第三者にも財産的利益を与えることができます。

特別受益者の相続分に関すること

相続人の中には、遺言者(被相続人)から生前贈与を受けた者がいます。

このような場合、相続人間の公平のため、民法900条から902条により算定した相続分から贈与の価額を控除した残額を相続分とすることになります(民法903条1項)。

しかし、遺言者(被相続人)が、異なった意思表示したときには、その意思に従うことになります(民法903条3項)。

ですので、遺言者(被相続人)は、生前贈与を考慮せずに、法定相続分に従って、遺産を分けるよう述べることができます。

遺産分割の禁止

遺言者は、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁止することができます(民法908条)

相続人の廃除

相続の廃除とは、被相続人が、相続欠格事由ほど重大な非行ではないが、自己の財産を相続させるのが妥当ではないと思われるような非行や被相続人に対する虐待・侮辱がある場合に、その相続人の相続資格を剥奪する制度である。

被相続人は、遺言により、廃除を申し立てることができます。

また、反対に、たとえ廃除が確定しても、被相続人は家庭裁判所に廃除の取り消しを求めることができます(民法894条1項)

子の認知や内縁の妻に関すること

婚姻していない女性との間のできた子について,遺言で認知することができます(民法781条2項)。

内縁の妻は、相続権がありません。

ですので、遺言により、内縁の妻に財産を譲り渡すことができます。

遺言執行者の指名あるいは指名の委託

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する者です。

遺言者は、遺言において、遺言執行者を指定することができます(民法1006条1項)。

また、遺言者は、遺言において、遺言執行者の指定を、第三者に委託することもできます。

未成年者後見人の指定

被相続人が未成年の子を残していた場合、後見人を指定することができます(民法839条1項)

担保責任の指定

各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の責任をおいます(民法911条)。

これは、共同相続人間で遺産分割をした際に、不適合のある財産を取得した相続人とそうでない相続人との公平を図るための規定です。

例えば、あなたの相続人として、長男及び長女の2人で、両名で遺産分割した結果、長男が不動産(1000万円),長女が預貯金(1000万円)を相続することにしました。

しかし、長男の取得した不動産の一部が第三者のものであり、取得した不動産が500万円の価値しかありませんでした。

このような場合、500万円を長男及び長女で負担します。今回は、長女が長男に対し250万円を支払います。

保険金の受取人の変更

保険金の受取人の変更は、遺言によってもすることができます(保険法44条)。

ただし、遺留分は侵害できない

一定の範囲の相続人に対して、一定割合の財産の相続権を保障されています。

この保障されている相続権を、遺留分といいます。

遺言書があっても、この遺留分を侵害することはできません。

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遺留分の割合はどのように算出する?!

遺留分の基本的な割合は、相続人によって異なります。

相続人が、直系尊属のみである場合があります。

被相続人が亡くなり、親のみが相続人の場合です。

この場合には、被相続人の財産の3分の1が遺留分となります。

それ以外の場合には、被相続人の財産の2分の1が遺留分となります。

遺留分が侵害された場合は、遺留分侵害額請求を検討すべき

遺留分が侵害された場合、遺留分権利者は、受遺者・受贈者に対して、遺留分侵害額請求権を行使することができます。

この遺留分侵害額請求は、必ず行使しなければならないものではありませんので、行使するか否かを検討することになります。

遺言書の種類は様々

遺言書の中には普通方式、特別方式のものがあり、各方式の中にも複数のものがあります。各遺言書の内容、特徴などを解説します。

自筆証書遺言とは?自筆証書遺言の書き方とは?

自筆証書遺言は、遺言者のみで作成することができるものです。

遺言者は、紙とペンを用意します。

そして、遺言者が自筆で、どのように財産を譲り渡すのかを記載します。

遺言内容を記載した後、日付、署名、押印をします。

公正証書遺言とは?公正証書遺言の書き方とは?

公正証書遺言は、公証役場で作成します。

遺言者は、戸籍謄本類や財産資料等の必要書類を収集します。

どのような遺言書を作成するかを調整します。

遺言書の内容が定まったら、証人2人の立ち会いの下、遺言者が公証人に遺言内容を口頭で伝えます。

公証人が遺言書を作成したら、公証人が遺言を遺言者及び証人に読み聞かせ、誤りがなければ、遺言者、証人、公証人が署名・押印します。

秘密証書遺言とは?秘密証書遺言の書き方とは?

秘密証書遺言は、まず遺言者が遺言書を作成して、署名・押印して、封筒に入れて封をします。

そして、遺言者は、公証人及び証人2人以上に提出して、自己の遺言書であること並びに筆者の氏名及び住所を申述します。

公証人は、遺言者の申述を受け、遺言者が提出した証書に提出日及び遺言者の申述を封紙に記載して、遺言者及び証人とともに、封紙に署名・押印をします(民法970条1項4号)。

特別方式の遺言書

特別方式の遺言は、死亡危急者遺言(民法976条)、伝染病隔離者遺言(民法977条)、在船者遺言(民法978条)、船舶遭難者遺言(民法979条)があります。

これらの遺言は、民法で厳格に方式が定まっていますので、その方式に従って作成することになります。

その方式は、次のとおりです。

死亡危急者遺言は、証人3人以上が立ち会い、その1人に遺言者が遺言の趣旨を口授して行うものです。この場合、口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、証人がその筆記が正確なことを承認した後、これに署名・押印します(民法976条1項)。

伝染病隔離者遺言は、伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者が、警察官1人及び証人1人以上の立ち会いをもって作成するものになります(民法977条)。

遺言者は、立会人及び証人の立ち会いのもとで、遺言書を作成し、遺言者、立会人、証人が各自、その遺言書に署名押印します(民法980条)。

在船者遺言は、船長又は事務員1人及び証人2人以上の立ち会いをもって作成するものです(民法978条)。

この遺言書も、伝染病隔離者遺言と同様、遺言者は、立会人及び証人の立ち会いのもとで、遺言書を作成し、遺言者、立会人、証人が各自、その遺言書に署名押印します(民法980条)。

船舶遭難者遺言は、船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、証人2人以上の立ち会いをもって、口頭で遺言をすることができます(民法981条1項)。

この遺言は、証人が遺言の趣旨を筆記して、これに署名し、印を押し、かつ、証人の1人又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求して、その確認を得なければ効力が生じません(民法981条3項)。

遺言書の文例

遺言書の文例は、次のとおりです。

遺言者の財産を特定の者に対し、すべて譲り渡したい場合、「遺言者は、遺言者に属する一切の財産を、●に相続させる」と記載します。

相続人以外の第三者に財産を与えたい場合、「遺言者の有する財産を●に遺贈する」と記載します。

特定の相続人に、特定の預貯金を相続させたい場合、「遺言者は、●に対し、●銀行●支店 口座番号●の預貯金を相続させる」と記載します。

遺言書の効力がなくなることがある?!

遺言書は、遺言者の意思通りに財産を分けることができます。この遺言書も無効になることがあります。

では、どのような場合に遺言が無効になる場合を解説します。

法定の形式(法律)を守っていない場合は無効に

遺言書は、遺言者の死亡後に効力が生じます。

効力発生時期には、遺言者がいないため、遺言書は、遺言者の真の意思に基づくことを担保しなければなりません。

そのため、遺言書は、法定の方式にしたがって作成する必要があります。

この法定の方式に従っていない場合、遺言書は無効になります。

不動産の場合は、地番なども明確にしておかなければならない

 遺言書に記載されている不動産が特定されていなければ、どの不動産を誰に譲り渡すのか分かりません。

不動産を特定するためには、土地であれば「所在」「地番」「地目」「地積」、建物であれば「所在」「家屋番号」「種類」「構造」「床面積」等の、登記に記載されている情報で、対象の土地建物を明確にしなければなりません。

認知症の状態や15歳未満が書いた場合も無効

遺言書は、遺言者の意思通りに財産を分けることができます。

しかし、遺言書作成時に、遺言者に遺言能力がない場合、その意思を尊重する必要はありません。

ですので、遺言書を作成する際に認知症等により遺言能力がない場合、遺言者が作成した遺言書は無効になります(民法3条の2)。

また、遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければなりません(民法963条)。

ですので、遺言作成時に、遺言能力がなければ、遺言はその全体が無効になります。

そして、15歳に達している必要があります(民法961条)。

診断書があれば認知症が原因で無効とならない?!

認知症等により遺言者に遺言能力がない場合、遺言者が作成した遺言書は無効になります(民法3条の2)。

遺言者に遺言能力があれば、当然ながら遺言書は有効です。

そして、遺言書を作成した当時、遺言者が認知症ではないことを示す診断書があれば、遺言能力があったことを示すものになりますので、遺言書は無効にならないと考えられます。

複数人で共同で作ったいわゆる共同遺言や代理遺言は無効に?!

遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることができません(民法975条)。

ですので、複数人が共同で遺言をした場合、遺言は無効になります。

詐欺や脅迫による場合も無効

遺言書は、遺言者の意思通りに財産を分けることができます。

しかし、遺言書が遺言者の真意に基づかないものであるのであれば、その意思を尊重する必要はありません。

詐欺や強迫により、遺言者の真意に基づかずに作成されたものであれば、その意思を尊重する必要はありませんので、その遺言書は無効になります。

自筆証書遺言で無効となった判例とは?!

■東京地方裁判所(平成26年4月25日)

自筆証書遺言につき、「月・日」の記載があるのみで「年」の記載のない書面は、暦上の特定の日の表示がなく、民法968条1項にいう「日付」の記載を欠くものであるから、無効として。

■高松高等裁判所(平成25年7月16日)

脳梗塞を発症した遺言者が、遺言書の日付と同時期に作成した年賀状の筆跡が遺言者の当時の筆跡であった可能性が高いところ、それらとは筆跡の異なる遺言書を遺言者の自署によるものと認めることはできないから、本件文書が自筆証書遺言としての要件を満たしておらず、無効とした。

公正証書遺言で無効となった判例とは?!

■東京家庭裁判所(平成29年8月31日)

高齢の遺言者が作成した公正証書遺言の無効確認請求の訴えにおいて、遺言者は、遺言書作成の数年前にアルツハイマー型認知症と診断されたこと、遺言者のアルツハイマー型認知症は遺言書作成のころまでには相当に重症化していたものと認めるのが相当であること、認知症検査の結果も安定的に低い数値であったこと、遺言者のかかりつけ医師が、遺言の作成2週間前の診断書において、遺言者について自己の財産を管理・処分することができない「後見相当」と診断していること、本件遺言の内容は、単純なものではなく、複数の不動産及び金融資産を子や孫らに傾斜を付けて分配する一方で、一部の孫には分配しないという相当複雑なものであり、遺言者にそのような遺言をする能力はなかったと認めるのが相当であるとして、本件遺言が無効とした。

■大阪高等裁判所(平成26年11月28日)

遺言作成当時、多発性脳梗塞等の既往症に加えて、認知症と診断されたこともあり、記憶力や特に計算能力の低下が目立ち始めており、入院中のベッドに横になっていた遺言者が、顔の前にかざされた公正証書遺言の案をどの程度読むことができたのかも定かではないうえ、公証人の説明に対して「はい」と返事をしたとしても、それが遺言の内容を理解し、そのとおりの遺言をする趣旨の発言であるかどうかは疑問の残るところであり、この程度の発言でもって、遺言者の真意の確保のために必要とされる「口授」があったということはできず、「口授」があったとは認められないことから、公正証書遺言が無効とされた。

秘密証書遺言で無効となった判例とは?!

■京都地方裁判所(平成25年4月11日)

遺言書は、被相続人が87歳時に作成され、89歳の時に、公証人に対し、被相続人が自己の遺言であると申述旨の内容の秘密遺言証書封紙が作成され、秘密証書となっているところ、公証人への申述時点までに、被相続人には認知症の中核的な症状が顕著に現れていたことから秘密証書遺言として無効とした。

■東京地方裁判所(平成24年3月8日)

遺言書は、公証人によって秘密証書遺言として作成されたものであるが、その封紙の遺言者欄の被相続人の手書きによる氏名の記載の右横には「遺言者は手が不自由なため当職が替わって署名した」との記載及び公証人の職印が押印されており、その他に被相続人の署名はなく、同封紙には遺言者である被相続人による署名がないことが明らかであるから、秘密証書遺言としての方式(民法970条1項4号)を欠くものとして無効とした。

特別方式遺言で無効となった判例とは?!

■福岡高等裁判所(平成19年1月26日)

危急時遺言時における危急時性と遺言者の遺言能力を認め、危急時遺言として有効に成立したものとしたのに対し、同遺言の1か月余後に家裁調査官と遺言者が面会した際には、遺言者は普通の方式による遺言ができるようになったと認められ、その後6か月生存したことから、同遺言は失効し無効とした。

■大審院(大正14年3月27日)

特別方式の遺言の立会証人の署名を他人が代署することは、仮に同証人の捺印があっても、方式に瑕疵ある遺言として無効とした。

自筆証書遺言は手軽だが無効になるリスクが高い

遺言書は、法定の方式にしたがって作成しなければなりません。

この法定の方式に従っていない場合、遺言書は無効になります。

自筆証書遺言は、遺言者が紙とペンを用いれば、手軽に作成することができます。

しかし、法律知識に精通しているわけではない者が、法定の方式を誤ることがあります。

ですので、無効になるリスクがあります。

効力のある遺言を残したいなら公正証書遺言がおすすめ

公正証書遺言は、専門家である公証人が、民法の要件・方式に基づいて作成します(民法969条1号~5号)。

専門家が民法の要件・方式に沿って作成すること,公証人が遺言者の意思を確認していることから、遺言が無効になるおそれが低いものです。

ですので、確実に遺言をしたい場合、公正証書遺言によるのがお勧めです。

遺言書に有効期限(期間)はない?!

遺言書は、遺言者が亡くなった後、直ちに発見されないことがあります。

このような場合、遺言書の効力はどのようになるのか、遺言書を開封した場合の遺言書の効力につき解説します。

 遺言書を勝手に開封したら過料が発生する?!

公正証書遺言以外の遺言書は、検認手続で開封します(民法1004条1項)。

家庭裁判所外において遺言書を開封した者は5万円以下の過料に処されます(民法1005条)。

勝手に開封しても効力自体は消えない?!

公正証書遺言以外の遺言書は、原則として、検認が必要になります。

ですので、検認手続をしなければなりません。

しかし、検認は、遺言書の外形的な状況を明確にするとともに、偽造を防止するための手続にすぎません。

検認手続を経ないで開封したからといって、遺言書の効力までなくなることはありません。

遺言書の開封は基本的に家庭裁判所の検認が必要

公正証書遺言以外の遺言書の保管者は、原則として、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければなりません(民法1004条1項,2項)。

遺言書に関する注意点や豆知識とは

遺言書を作成するための注意点、ポイント、作成上の工夫できる点について解説します。

遺言書は新しいものが優先されるため古いものは撤回される

遺言書を複数作成することもできます。

このような場合、作成日付が古い遺言書は、新しい遺言書と抵触する限りで、無効になります。

新しい遺言書が、遺言者の真の意思と考えられるからです。

推定相続人が誰なのかを把握してから遺言書を書く必要がある

遺言者は、財産を譲り渡すにあたり、相続人に渡すか、当該相続人の相続分がどれくらいかは事前に確認する必要があります。

兄弟姉妹以外の推定相続人には、遺留分が認められているからです。

ですので、遺留分を侵害する遺言書を作成した場合、遺言者の死後、相続人らで遺留分に係る紛争が発生する可能性があるからです。

遺言書を書く際は財産の記載漏れに注意

遺言書を作成する際には、財産の記載漏れに注意が必要です。

記載が漏れていれば、当該財産については、遺言者の意思通りに分割することができません。

ですので、遺言者の意思通りに財産を分けるためには、財産をもれなく記載して、遺言書を作成することが必要になります。

付言をつけると納得感がでる?!

遺言書で相続の割合を法定相続分から変更した場合、遺留分減殺請求をしないよう求めた場合などには、付言事項にその理由を書いたり、家族への言葉を書いたりするのが効果的です。

付言事項は、法的拘束力を有するものではありません。

しかし、遺言書を作成した理由や家族へのメッセージを残すことで、相続人の理解を得られる可能性もあります。

遺言と遺言書の違いとは?!

遺言書は、遺言内容が記載されている書面になります。

他方、遺言は、遺言者が自身の死後に発生させる法律関係のことであり、遺言書に記載されているものになります。

民法での遺言書の定義とは?!

遺言書とは、遺言者の最終的な意思が一定の方式のもとで表示されたものになります。

遺言書が遺産分割後に見つかった場合はどうなる?!

遺言書は、遺言者の最終的な意思が記載された書面になります。

ですので、遺産分割後に見つかった場合でも、遺言者の効力が失われるものではありません。

もっとも、必ずしも遺言書による必要はなく、受遺者や相続人の全員で合意をすれば、遺言書ではなく、遺産分割協議の内容で財産を分けることができます。

 遺言書の内容に納得がいかなかったらどうすればよいの?

遺言書は、遺言者の最終的な意思が記載されたものになります。

法定の方式にしたがって作成されていない、遺言能力がない者が遺言書を作成した等の事情がない限り、遺言書のとおりに財産を分けるのが原則になります。

ですので、遺言書に納得がいない者は、他の相続人・受遺者の同意を得て、話し合いで遺産を分けるよう求めることになります。

遺言書がない場合には遺産分割協議が必要になる

遺言書がなければ、法定相続分にしたがって財産を分けることになります。

そのため、どの相続人が、どの財産を相続するかを話合いで決めることになります。

遺言書の有無の確認方法とは?!

自筆証書遺言は、遺言者自身が保管している場合、遺言者の死後に相続人らで探すほかありません。

もっとも、自筆証書遺言は、2020年7月から法務局にて自筆証書遺言を保管する制度が始まりました。

この制度は、遺言者が法務局に行き、遺言書の保管を申請することができます。

これにより、遺言者以外の者は、遺言者の死亡後、遺言書を保管しているかどうか確認することができます。

公正証書遺言は、公証役場で保管されています。

ですので、相続人らが照会をすれば、遺言書を見つけることができます。

秘密証書遺言は、自筆証書遺言のような保管制度はなく、公証役場で保管されるものでもありません。

ですので、相続人らが秘密証書遺言を探すしかありません。

もっとも、秘密証書遺言は、公証役場での手続をしていますので、遺言書を作成した記録は残っています。

エンディングノートと遺言書の違いとは?

エンディングノートと遺言書の違いは、法的効果を生じさせるものかどうかです。

エンディングノートとは、亡くなった方が人生の終末を迎えるにあたり、残された家族に対し思いを伝えるものです。何らの法的功を生じさせるものではありません。

書式も定まっておらず、自由に作成することができます。

遺言書は、遺言者が自身の財産の処分、身分に関すること、遺言執行等について記載したものです。

法的効果を生じさせるものですので、法定の方式に従って作成する必要があります。

遺言書の書き方の相談は弁護士に

遺言書を作成する際には、弁護士に相談するのが良いでしょう。

自筆証書遺言や秘密証書遺言にする場合、法定の方式に従って作成しなければなりません。

ですので、その内容を事前に相談するのがお勧めです。

公正証書遺言を作成する場合でも、弁護士に相談するのがお勧めです。

公正証書遺言を作成する際には、公証人との打ち合わせや必要書類の準備が必要になります。

また、遺言者の意思通りのものを実現するためにも、弁護士に相談しながら作成するのが良いでしょう。

相続税の申告は税理士に

相続税は、非常に複雑なものになります。

算定方法を誤ると、追加で税金を支払わなければならなくなることもあります。

また、相続税は、各種控除や特例により節税をすることができます。

節税対策をしないままに、相続税の申告等をすれば、相続人の皆様にとって不利益なものになります。

ですので、誤った申告をしないよう、また、節税のためにも、相続税の申告を税理士に依頼するのがお勧めです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。遺言書があれば、基本的に遺言者の意思を尊重した相続が可能になります。

しかし、形式不備などがあれば、せっかくの遺言書が無効になることもあります。

遺言書の効力について正しい知識を身につけるようにしましょう。

  • この記事を書いた人
篠 昌義(公認会計士/税理士)

篠 昌義(公認会計士/税理士)

株式会社相談室代表取締役。有限責任監査法人トーマツで大企業から中小企業までの監査やコンサルティング、税理士法人で大企業の法人税から個人の所得税まで幅広く実務を担当したのち、自身も経営者としてシェアリングテクノロジー株式会社(東マ:3989)の取締役CFOから代表取締役まで幅広く経験。東証マザーズ上場の責任者を務めるだけでなく、上場後の事業推進、資金調達、M&A、組織改革などを幅広く企業拡大を牽引。 詳しい経歴・プロフィールは当メディアの運営者情報をご覧ください。

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