相続

【弁護士監修】遺言執行者って何?!報酬から権限、選び方から遺言の手続きまでわかりやすく解説

遺言書に記載された内容を実現する者として、遺言執行者が選任されることがあります。

この遺言執行者について、権限の内容、選任方法、報酬の定め方、遺言の手続について、詳しく解説します。

この記事のまとめ

・遺言執行者とは、遺言書の内容(遺産分割など)を実行する人

・遺言執行者は必ず必要というわけではないが、もめごとをなくしたりスムーズに進めるためにはいた方が良い

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目次

遺言執行者とは遺言の内容を実現するための手続きをする人

遺言執行者は、遺言内容を実現する者をいいます。

この遺言執行者の役割、選任すべき場合、どのような職務を行うのか、どのような者に遺言執行者を引き受けてもらうべきか等を解説します。

そもそも遺言とは?!

遺言は、人の死後に、自身の法律関係を定めることができるものです。
遺言者は、法定相続分によることなく、遺言者の意思通りに財産を譲り渡すことができます。

遺言執行者がしなければならないこと(役割)とは?!

遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければなりません(民法1007条1項)。

遺言執行者は、戸籍(除籍、原戸籍)謄本を取得し、相続財産に関する調査を行います。

そして、財産に関する調査を行った後、相続財産の目録を作成して、相続人に交付します(民法1011条1項)。

また、遺言執行者は、認知であれば遺言の謄本と添付して戸籍上の届出をしたり、相続人の廃除・その取消しであれば家庭裁判所に申立てをしたり、遺言事項の執行行為をします。

遺言執行者を指定(選任)した方がよい理由とは?

遺言執行者がいなくても、相続人や受遺者で相続手続を進めることができます。

しかし、相続人や受遺者では手続を進めることができずに、手続が放置されることもしばしばあります。

遺言執行者を決めておくことで、遺言者の死後、相続手続を確実に進めてもらうことが可能になります。

遺言執行者の選任は必須ではない

遺言執行者の選任は必須ではありません。

相続人・受遺者の関係が良好であり、円滑に手続を進めることができるのであれば、同人らで手続を進めれば足りますので、あえて遺言執行者を選任する必要はありません。

相続廃除、相続廃除の取消、認知をしたい場合は遺言執行者が必須

遺言による認知(民法781条2項,戸籍法64条)、遺言による廃除・その取消し(民法893条,894条)の場合は、遺言執行者が手続をしなければなりません。
ですので、遺言執行者の選任が必須となります。

不動産の遺贈を受けたが、相続人が所有権移転登記(名義変更)に協力しない場合も遺言執行者が必要

遺贈によって不動産を取得した者は、相続人らと協力して所有権移転登記をすることになります。
しかし、相続人が協力しないのであれば、当該相続人と所有権移転登記ができません。
このような場合、遺言執行者を選任して、遺言執行者とともに所有権移転登記手続をすることできるため、遺言執行者の選任が必要になります。

遺言執行者がいなくても良い場合、必要がない場合とは

相続人・受遺者の関係が良好であれば、あえて遺言執行者を選任する必要はありません。
相続人・受遺者が協力して、相続手続を進めればよいからです。

また、すでに相続分が指定されている場合のように、遺言執行者が遺言を執行する必要がないのであれば、選任の必要はありません。

誰を遺言執行者として選任するのが良いの?

相続人間の仲が悪く、紛争になる可能性がある場合、遺言執行者として弁護士を選任するのが良いでしょう。
弁護士であれば、相続手続に熟知しており、円滑に手続を進めることができます。

また、遺言による認知や相続人の廃除・その取消しをする場合、裁判所による手続が必要となりますので、弁護士を選任するべきです。

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遺言執行者になれる人、なれない人

未成年者及び破産者は、遺言執行者になることができません(民法1009条)。
しかし、それ以外の者であれば、相続人や受遺者でもなることができます。
信託銀行も遺言執行者になることができます。

遺言執行者の報酬相場とは?!相続人、銀行、弁護士、司法書士で違う?

遺言執行者の報酬は、遺言者の財産、執行の内容等により異なります。

弁護士や司法書士に依頼した場合、30万円~が多いようです。
相続人に依頼した場合、10万円~が多いようです。

銀行に依頼した場合、105万円~が多いようです。
銀行は、自身で手続をせず、外部の専門家に依頼することがあるため、費用が高額になる傾向にあります。

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遺言執行者の任務の開始

遺言執行者に選任された場合、遺言執行者は、直ちに任務を行わなければなりません(民法1007条1項)。

遺言執行者が選任されれば、必要書類を収集しますので、相続人及び相続財産が確定し、スムーズに手続が進みます。

遺言執行者の地位

遺言執行者と相続人との間には、委任に関する規定が準用されます(民法1012条3項、1020条)。
遺言執行者は、相続人に代わって、遺言の内容を実現します。

遺言執行者の権限(費用償還請求権、報酬請求権)

遺言執行者は、相続人に対して、費用償還請求権を有します(民法1020条、民法650条)。

遺言執行者は、遺言の定めがある場合や、遺言に定めがない場合でも、家庭裁判所が相続財産の状況その他の事情により報酬を定めたときは、任務の終了後に、報酬を受け取ることができます(民法1018条、648条2項、3項、648条の2)。

遺言執行者の義務(善管注意義務、目録作成義務、通知義務など)

遺言執行者は、遺言執行について善管注意義務を負います(民法1012条3項、1020条644条)。

遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければなりません(民法1011条1項)。

遺言執行者は、就職を承諾したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければなりません(民法1007条2項)。

遺言執行者を指定(選任)する方法とは?

遺言執行者を選任するには、どのような方法があるのかを解説します。

遺言書で指定する

遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定することができます(民法1006条1項)。

遺言書で遺言執行者の指定の委託をする

遺言者は、遺言で、遺言執行者の指定を第三者に委託することができます(民法1006条1項,2項)。

遺言者死亡後、家庭裁判所にて遺言執行者を選任してもらう

遺言執行者がないとき、又はなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、遺言執行者を選任することができます(民法1010条)。

遺言執行者を指定すべきケースとは?

相続手続がもめそうな場合には、遺言執行者を指定のするのが望ましいです。

例えば、相続人が誰か不明な場合、所在が明らかでない場合、遺言執行者を指定しておき、遺言執行者に調査をしてもらうべきです。

また、相続財産が明らかでない場合、貸付金等を回収しなければならない場合等、手続が必要な場合には遺言執行者を指定することで、遺言の内容を実現してもらうことができます。

さらに、遺言による認知(民法781条2項,戸籍法64条)、遺言による廃除・その取消し(民法893条,894条)の場合は、遺言執行者が手続をしなければならないため、遺言執行者の選任が必要になります。

家庭裁判所における遺言執行者選任の具体的な手続きとは

家庭裁判所に対し、遺言執行者の選任を求める場合、どのように申立てをするのか、具体的な手続について解説します。

申立人

遺言執行者の選任の申立てができるのは、利害関係人になります。
利害関係人とは、相続人、受遺者、相続債権者等になります。

申立て先

申立先は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所になります。
最後の住所は、除票の写しで確認することができます。

申立てに必要な書類

遺言執行者の選任の申立ての必要書類は、申立書の他に、次のとおりです。

・遺言者の死亡の記載がある戸籍謄本
・遺言執行者候補者の住民票又は戸籍の附票
・遺言書の写し又は遺言書の検認調書謄本の写し
・利害関係を証する資料、相続人の場合、遺言者と申立人との関係が分かるものが必要です。

申立てにかかる費用

・執行の対象となる遺言書1通につき収入印紙800円分が必要になります。
・郵券については、裁判所ごとで金額が異なります。ですので、申立てをする前に裁判所に確認するのが良いでしょう。

遺言執行者を解任したい場合はどうする?

遺言執行者が選任された場合でも、当該遺言執行者を解任したい、また、遺言執行者がjンしたい場合、どのようにすればよいのか解説します。

遺言執行者の意思で辞任する方法

遺言執行者は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができます(民法1019条2項)。

相続人などの利害関係者からの申し立てによる解任

遺言執行者がその任務を怠ったときその他正当な事由があるとき、利害関係人はその解任を家庭裁判所に請求することができます(民法1019条1項)。

遺言執行者に関する豆知識や注意点とは?!

遺言執行者に相続人がなった場合のメリット・デメリット、遺言執行者が職務を怠った場合について解説します。

相続人自身自分(自分とは相続人という事でよいのでしょか)が遺言執行者に選任されたときのメリット、デメリットとは?

メリットは、相続人が遺言執行者を引き受けた場合、第三者である遺言執行者に対し報酬を支払う必要がないことです。

財産の調査・換価が遺言執行の主な内容であれば、専門家ではなく、相続人でもすることができます。

デメリットは、相続人が手続をしなければならないことです。

たしかに、相続人でもできますが、戸籍等の必要書類の収集、銀行の書類作成等、時間と手間がかかります。

また専門性が高い分野は、相続人で行うことが困難です。

認知や相続廃除・その取消しのように専門性が高い分野は、誰が手続するかにより結果が異なる可能性があります。

遺言執行者が職務を怠った場合はどうなるの?

遺言執行者は、遺言執行について善管注意義務を負い、相続人に対し報告義務、受取物の引渡義務、金銭消費責任を負います。

ですので、義務違反があれば、損害賠償義務を生じます。

また、遺言執行者の解任事由にもなります。

遺言執行者の選任、遺言書については弁護士に相談するのが一番

遺言執行者として誰を選任すべきか、遺言書を作成する段階で遺言執行者も検討すべきか等を解説します。

遺言執行者を引き受けてもらえる

遺言書を作成する段階で弁護士に相談をすれば、当該弁護士が遺言執行者を引き受けてもらえます。

また、遺言書で遺言執行者を定めていない場、相談した弁護士に遺言執行者を引き受けてもらうことができます。

遺言書全般についてアドバイスをもらえる

遺言書を作成する際には、遺言執行者を指定するか、遺言執行者の指定を第三者に委託するのが一般的です。

このような場合、遺言書作成の段階から、特に専門家を遺言執行者に指定する場合には、相談をしておくのが望ましいです。

また、遺言書作成の段階から専門家が入ることにより、遺言者の死後、速やかに遺言の執行がなされることが期待されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。遺言執行者の役割や権限を考えると、原則、遺言執行者は遺言により指定しておくことが望ましいです。

遺言執行者について正しく理解しておき、遺言をスムーズに進めましょう。

監修者情報

愛知孝介先生

日本弁護士連合会所属 弁護士登録番号54061号

弁護士登録後、大手法律事務所に入所。

相続案件を中心に、年間100件以上の法律相談を受け、解決策を提案する。相続案件にあたっては、税理士、司法書士、宅建士等の他士業と連携のうえ、数多くの案件を解決に導く。

事業承継プランの策定、遺言作成を始めとする相続発生前の紛争回避策の構築を得意とする。

遺産分割協議及び遺留分侵害額請求にあたっては、クライアントの要望の実現に向け、粘り強い交渉を行い、調停・裁判を遂行する。

  • この記事を書いた人
篠 昌義(公認会計士/税理士)

篠 昌義(公認会計士/税理士)

株式会社相談室代表取締役。有限責任監査法人トーマツで大企業から中小企業までの監査やコンサルティング、税理士法人で大企業の法人税から個人の所得税まで幅広く実務を担当したのち、自身も経営者としてシェアリングテクノロジー株式会社(東マ:3989)の取締役CFOから代表取締役まで幅広く経験。東証マザーズ上場の責任者を務めるだけでなく、上場後の事業推進、資金調達、M&A、組織改革などを幅広く企業拡大を牽引。 詳しい経歴・プロフィールは当メディアの運営者情報をご覧ください。

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