FXを始めてみたいけど、初心者だから大損するんじゃないかと思うと恐い…
なんて思っていませんか?
確かにFX界隈では、大相場が発生するごとに突如きら星のように現れては、いつの間にか見かけなくなる人が少なからずいます。
そういう一部の特殊な人たちが悪目立ちしてしまうので、FX自体にちょっと怪しげなイメージをお持ちかもしれません。
ですがFXには、初心者の方でも失敗しにくくなるコツというのがあります。
そのコツはFX歴5年以上の先輩たち58人から聞き取りした結果に基づくものであり、FX歴11年の筆者も深くうなずける内容になっています。
そしてなによりそのコツは、誰にでも実践できるものなのです。
本稿を読み終えるころには、FX初心者の方もトレーダーとしての一歩を踏み出すための準備ができています。
正直なところ、「FXで一攫千金だ!」とか「楽して儲けたいからFX」とお考えの方には、耳障りのいい話ではありません。
ですが、初心者の方にはFX投資を新たな収入源として確立するために不可欠な内容ですので、ぜひ最後まで読んではじめの一歩を踏み出してください!
初心者が失敗しないためのFXのやり方とコツ
FXの初心者が失敗しにくいやり方には、3つのコツあります。
このコツは「FXで5年以上生き残っている58名」を対象にした聞き取り調査の結果に基づいたものです。
FX初心者が失敗しないコツ
- 小さいロットから始める
- 難しい相場に手を出さない
- 資金管理を徹底する
あまり夢のない地味なコツが並んでしまっていますが、そうではないのです。
たとえば【海外FX wiki】を運営する株式会社RUNWAYSが2021年3月におこなったアンケート結果を見てみましょう。
(参照元:【海外FX wiki】をもとに作図)
すでにFXを辞めてしまった530人のうち、「1年以内」に退場した人が約7割です。
これは「1年目の壁」の存在を感じざるをえない、厳しい結果となっています。
筆者の実感としてもこの「7割」というのは強い納得感のある数字で、身の回りでFXを始めた友人・知人の多くは1年以内でFXを辞めてしまっています。
ただしその全員が全財産を失ってしまったわけではなく、「FX口座に入れた資金が尽きた」とか「勝っては負けての繰り返しで儲からないから心が折れた」というような理由です。
一方で、FX投資をはじめて5年を経過すると、退場する人は1%を下回ります。
裏を返せば「5年目の壁」を乗り越えた人は、少なくともFX投資を続ける収益的なうまみを感じられているとも推察できます。
いずれにしてもFX初心者の方が注力すべきなのは、一攫千金を夢見ることではありません。
それよりも最初に立ちはだかる「1年目の壁」を乗り越えることに全精力を注ぐべきなのです。
では、FX初心者が失敗しにくい3つのコツをそれぞれ詳しく見ていくことにしましょう。
【コツ1】はじめから大きなロットではじめない
(調査日:2021年9月、インターネットによるアンケート n=58人)
5年以上FXを継続している58名のうち、43.1%の人が「はじめから大きなロットで始めない」ことを推奨しています。
(※ロットとは、ポジションの大きさのこと。FXの国内口座の場合、口座資金の最大25倍のポジションが作れる)
これは今回の聞き取り調査の中で、最多得票となったコツでもあります。
さらに本稿では、わかりやすくするために口座資金500万円以上を運用する人を「ガチ勢」として分類しています。
そのガチ勢トレーダーだけで集計すると、「ロットを小さくはじめること」を推奨する人の割合は62.5%まで上昇します。
具体的にどういうことかと言うと、
・3か月で口座資金を1000万円まで増やす!
・今月はFXで100万円稼ぐ!
のような初心者にとって無理のある短期的な目標を立てて、大きなロット数で相場に入らないでください、ということです。
こういう短期的な一攫千金プランは早々に失敗します。
また継続していればトレードのスキルも向上していくのに、無理な短期目標を立てたばかりに早々に辞めてしまうきっかけにもなります。
あくまでFX投資は「石のうえにも三年」のように、長期的なプランで考えていかないと失敗します。
なぜなら一部の天才的なトレーダーを除いて、筆者を含む平均的な個人のFXトレーダーはそこまで稼げないからです。
FX投資の先輩たちはどのくらい稼いでいるのか?
また少し夢のない話になってしまいますが、相場の先輩であるFX歴5年以上の人たちが年間でどれくらい稼いでいるかを見てみましょう。
(調査日:2021年9月、インターネットによるアンケート n=58人)
もっとも多かったのが、口座資金に対して年間で「+20~30%ほど」の収益をあげる人たちで43.1%となりました。
これまた夢のない地味な印象を受けるかもしれませんね。
では、投資のプロであるヘッジファンドの運用成績(収益率)を見てみましょう。
Tiger Global | 26.5% |
Millennium | 36.0% |
Lone Pine | 42.3% |
Viking | 36.6% |
Citadel | 41.8% |
(出典:Bloomberg)
もちろんヘッジファンドが運用している金額はケタ違いすぎるので、個人投資家と単純に比較できない部分はあります。
ですが投資のプロでも、20~40%台の収益率です。
これが日本国内のファンドになると、10~20%が平均的なところです。
ちなみに国内の銀行に普通預金として預けておくと、0.001%(2021年時点)の運用率ですね。
「ほぼトントン」の層が34.5%、収支マイナスの層が13.7%いることを考えると、「+20~30%ほど」の収益を上げるというのは思っているより簡単なことではないのです。
もちろんあなたが天才トレーダーである可能性は否定できません。
実際に個人でも億トレーダーに駆け上がっていく人は、実在します。
でもそれはほんの一握りの人に過ぎません。
平均的な個人トレーダーは、初年は小さいポジションで生き残ることに全力を尽くしてください。
詳しくは後述しますが、ここでいう小さいロットとは1,000~10,000通貨の範囲でおさめることをおすすめします。
もし1年間無事に生き残れたとき、自分の年間の運用成績がわかるはずです。
その運用成績から「いくら稼ぎたいのか?」を逆算して、自分の適切なポジションサイズ(とれるリスク)を決めても遅くはないのです。
繰り返しますが、100km/hのストレートすらまともに打ち返せないのに、150km/hの直球と変化球を織り交ぜてくるピッチャーを打ち崩すことはできません。
FX相場は、初心者も、投資歴ウン十年の歴戦の猛者も、各国の中央銀行も、機関投資家も、大企業の為替部門も、ヘッジファンドも同じ戦場でいきなり戦うことになります。
小さなロットで運用してみて半年~1年単位で安定的に収益が出ると確信をもてるようになってから、ポジションサイズを少しずつ大きくするようにしてください。
【コツ2】難しい相場に手を出さない
ふたつめのFXで初心者が失敗しないコツは難しい相場に手を出さない、ことです。
(調査日:2021年9月、インターネットによるアンケート n=58人)
これはFX歴5年以上の全体で31.0%ですが、ガチ勢(口座資金500万円以上)だけに絞ると実に62.5%まで割合が上昇します。
FXで難しい相場というのは、短期的な意味合いと、中長期的な意味合いの2通りがあります。
FXで難しい2つの相場
・短期→売買が激しく交錯している相場
・中長期→狭いレンジで膠着している相場
簡単にいうと、相場には比較的簡単な相場と難解な相場の2パターンがあります。
ですが初心者の方は、いまの相場つきを考えず、とにかくポジションを作ってみたくなるのが人情です。
それが行き過ぎると「ポジポジ病」といわれる、いつもなんらかのポジションをもっている状態になりがちです。
ポジポジ病になってしまうと、利益を出しては吐き出すを繰り返してしまうので「こんなに頑張ってるのに、なんで儲からないの?」となりがちです。
そうではなく、入る相場は選ぶ必要があるということです。
では難しい相場とはどういう相場か?を代表的な例をもとに紹介していきます。
短期目線での難しい相場
短期目線での難しい相場の代表的な例は、激しい値動きをともないながら売買が交錯するような相場です。
このような相場は、初心者が避けるべき相場です。
また短期目線で難しい相場は、スキャルピングやデイトレードをトレードスタイルにする人に特に関係があります。
実戦での例として、2021年10月8日に発表された米国雇用統計の米ドル/円のチャートを見てみましょう。
ちなみに米国の雇用統計発表は月に1度のFX相場のお祭りのような存在で、相場が大きく動くイベントです。
(上チャートはLION FXアプリから引用、5分足)
発表直後に米ドル/円は35銭下げていますが、切り返して75銭上昇するという展開となりました。
実際の値動きでいうと、最初に35銭下げた動きはほんの一瞬のできごとです。
その先の展開が見えている過去のチャートで見ると、なんてことないように見えますよね。
でも実際には大きな資金を動かす相場の主要プレーヤーたちの売買が交錯しており、ほんの数秒のあいだに10銭単位で上下に値が動くという、激しい値動きでした。
こういう相場が乱高下しているような状況で、初心者の方は無理に手を出す必要はありません。
雇用統計などの重要な経済指標の発表時は、30分~1時間ほどで値動きは落ち着いてきますので、そこから手を出しても十分な収益チャンスはあります。
中長期目線での難しい相場
中長期目線での難しい相場の代表例は、膠着して狭いレンジ(範囲)で上にも下にもいかず、ずっともみ合っている相場のことです。
こういうレンジ相場も、初心者は避けるべき相場です。
特に気を付けるべきなのは、スウィングトレード以上の長めのポジションをとるスタイルの人です。
(上チャートはLION FXアプリから引用、日足)
上図は米ドル/円の日足チャートです。
ざっくり見ると、8~10月までの丸2か月間「109.00~110.50」の1円50銭という狭いレンジから出てくることはありませんでした。
「下で買って上で売り、上で売って下で買い戻せばいいのでは?」と思いますよね?
レンジ相場はあとあとチャートで振り返ると、ものすごく簡単に見えるのです。
でも実際は、勢いよく上がっているときに売りで入り、勢いよく下がっているときに買いで入るという逆張りになりますので、かなりトレードしにくいです。
ここに初心者の方がレンジ相場に無理に手を出すくらいなら、トレンドがはっきりしている通貨ペアでトレードするか、思い切ってトレードを休んでしまうほうが実りの多い結果になります。
下手にこういう儲けにくい相場に手を出して資金を減らしてしまい、本当に仕掛けるべきトレンドが発生したときには資金が半分になっていたのではシャレになりません。
またレンジ相場が終わるときは、強いトレンドが発生することが非常に多いです。
「レンジ相場だと思って逆張りをしていたが、レンジを抜けてしまい大きな損益を作ってしまった」
というのも、FX初心者が大きく損失を出してしまいがちなところです。
初心者のうちこそ、「ここ最近の動きは上にいったり、下にいったりで難しいな」と感じたら、積極的に見送るようにしてください。
【コツ3】資金管理を徹底する
3つめのFX初心者が失敗しないためのコツは、資金管理の徹底です。
(調査日:2021年9月、インターネットによるアンケート n=58人)
「資金管理の徹底」はFX歴5年以上の全体では31.0%、ガチ勢では62.5%が推奨しています。
ただ資金管理といっても、大小おりまぜて幅広い意味があります。
ひとつめのコツのポジションサイズを小さくすることも、資金管理法のひとつです。
ただここでは特に重要な「損切り」を、資金管理法のメインと考えてください。
損切りというとネガティブな印象を持たれるかもしれませんが、自分の資産を防衛するうえではとてもありがたい資金管理法です。
というのも、筆者が身近に知っている人の中でも損切り注文を置かない人はことごとく退場する羽目になっています。
FXも株式も投資は「勝ったり、負けたり」を繰り返しながら、最終的な利益を残していくゲームです。
全戦全勝は投資のプロでも難しいですし、また全戦全勝をしなくても十分な収益は出せます。
初心者の方がよく陥るのは、「コツコツドカン」と言われる状態です。
つまり小さな勝ちを積み重ねて一時的に収益は膨らむのですが(コツコツ)、損切りをしないor損切りが遅いせいで、たった1回の負けでそれまでの勝ち分をすべて吐き出してしまったり、ひどい時には口座資金をふっ飛ばしてしまうのです(ドカン)。
相場と向き合っていると、自身の不合理さを突きつけられる思いを何度もします。
いったん大幅な含み損を抱えてしまうと、冷静な判断がかなり鈍ります。
「また戻るかもしれない」とか、「そろそろ反転するだろう」と、根拠のない楽観論にすがってしまってなかなか損切りができないのです。
そのため損切り注文は、ポジションを建てた冷静なときに注文を入れておくようにしてください。
たったこれだけでも生存率はグっと引き上げられます。
損切り注文の具体的な運用は「節目」を意識すること
とはいえ、初心者の方は「注文を入れるとして、どこに損切り注文を入れたらいいの?」となりますよね。
機械的に、「○pips逆にいったら損切る」などの基準でもいいのですが、オススメは相場の節目を活用して損切り注文を置くことです。
(pipsは値動きの最小単位のこと。例えば米ドル円111.00→111.10に上昇すれば10pips動いたという)
FX相場のよくある節目は2つあります。
FX相場のよくある節目
1.直近の高値/安値(日足ベース)
2.50pipsおき
まず直近の高値/安値は、日足や週足など長い期間のチャートで確認するようにしてください。
5分足や10分足などの短い期間のチャートだと、直近の高値/安値はすぐに更新されてしまうので実用的ではありません。
例として、カナダドル/円のチャートを見てみましょう。
(上チャートはLION FXアプリから引用、5分足)
2021年6月に高値91.17円をつけて、その後7月半ばにかけて550pipほどの下げました。
このとき下げトレンドと判断してエントリーポイントを探ります。
チャートに番号を振った、各タイミングでのトレード戦略はこうなります。
トレード戦略例
①50円手前で戻りが何度も押さえられているので、88.50円を損切りラインとして売り仕掛け
②前回高値45円を上抜けできなかったのを確認して、88.50円を損切りラインとして再度売り仕掛け
③66円で2回下げ止まっているので、84.60円を損切りラインとして買い仕掛け
実際は先の見えないチャートでこんなにスマートに相場を乗りこなせるものではありませんが、高値/安値の使い方のイメージはこんな感じです。
一方で、50pipsごとの節目とはどういうことでしょうか。
上図でいうと、
85.00円
85.50円
86.00円
86.50円
のように、50銭ごとに節目があるということです。
これはなぜかというと、多くの投資家はこうしたキリのいい水準に売り・買いの注文を置いていることが多いからです。
また為替オプションといって、権利売買をおこなうプレーヤーも50銭ごとに水準があります。
そのため、00や50の手前でいったん上げ止まったり、下げ止まったりということがよく起こります。
先ほどのチャート例でも、おおざっぱに見ると、88.50や84.50が節目として意識されてた、とも見れますよね。
(再掲)
損切り注文をおくときは、このように節目を利用すると「上下の方向感はあっていたのに、たまたま損切り注文に当たってしまって取りこぼした」ということを避けやすくなります。
また節目を意識して損切りを考えておくと、「節目まではまだちょっと遠いから仕掛けるのを待とう」などのエントリーのタイミングがはかれます。
また「そろそろ節目だから手前でポジションの一部を利食っておこう」などの、利食いの判断にも使えます。
このようにFX相場の節目を意識すると、たくさんの人が意識しているポイントがわかって、相場が一気に見やすくなります。
ぜひ節目には目を光らせてみてください。
さてここまでFX初心者が失敗しにくくなるコツを3つお伝えしてきました。
この章の最後にまとめておくと、3つのコツはこうでした。
FX初心者が失敗しないコツ
- 小さいロットから始める
- 難しい相場に手を出さない
- 資金管理を徹底する
ここまででFX相場での立ち回り方がイメージできたでしょうか?
こうしたコツの細かいところは、自分なりに実戦を通して深掘りしていく必要はありますが、今後FX投資に行き詰ったらぜひ思い出していただきたいコツです。
それでは次章では、投資初心者はFXと株のどちらがおすすめか?というテーマに答えを出していきたいと思います。
株よりもFXは投資初心者におすすめできる
結論からいえば、投資初心者の方にFXは株式投資よりもおすすめです。
理由は下記の4つです。
投資初心者にFXをおすすめする理由
- 相場が動く時間が16~24時
- 必要な最低資金が株より少ない
- 銘柄選定が楽
- 売りと買いの両方でポジションを作れる
株をやるべきかFXをやるべきかでいえば、どちらもやればいいのです。
筆者自身もいつしか両方やることになりました。
でもどちらを先に手を出すべきかでいえば、FXなのです。
それぞれの理由を見ていきましょう。
(理由1)FXは相場が動く時間が15時半~24時
(日本時間)
FXは欧州や米国の市場参加者が活発に動く時間に、相場も動きます。
そのため15:30~翌25:00、中でも欧州や米国の経済指標が発表される21:00~24:00はよく動きます。
会社勤めしている人も仕事が終わった夕方~夜にじっくり相場と向き合える時間を作れます。
日本で生活している私たちは、FXをするうえでとても恵まれた環境にあるのです。
一方で国内株式の場合だと、そもそも相場が開いているのが「9:00~11:30、12:30~15:00」と日中です。
さすがに仕事や家事をしながら、相場とじっくり向き合う時間を作るのは難しいのではないでしょうか。
そのため国内株式には手を出さず、23:30(夏時間は22:30)に相場が開く米国株を始めるという選択肢もあります。
ですが米国株の引けは翌朝6:00(夏時間は5:00)なので、引けまでの動きをチェックするのは多くの人にとって過酷な生活となってしまうでしょう。
スキャルピングやデイトレードをする短期売買の方はもちろん、スウィングトレード以上の長めのトレードスタイルの方も、相場を見ている時間はとても重要です。
というのも、相場には独特なクセや振る舞いがあり「こういうときに、こういう動きによくなる」というパターン認識や経験則がそのままトレードアイデアになるからです。
そうした意味でも、FXは株式投資よりも相場と向き合いやすいという利点があります。
(理由2)必要な最低資金が株より少ない
理由のふたつ目は、FXは株式投資に比べて必要となる最低資金が低いのです。
そのため少ない資金でも、プロと同じ条件でトレードができるということです。
具体的に、FXと株で最低どれくらいの資金で取引ができるか見てみましょう。
▼FXの主要通貨ペアの最低資金(1000通貨)
米ドル/円 | 4,500円(6,750円) |
ユーロ/円 | 5,200円(7,800円) |
ユーロ/米ドル | 5,200円(7,800円) |
ポンド/米ドル | 6,100円(9,150円) |
豪ドル/米ドル | 3,300円(4,950円) |
※2021/10/12時点での「ヒロセ通商(LION FX)」での最低資金。レートやFX口座により最低資金は若干異なります。
FXで必要な最低資金はおおむね5,000円前後です。
実際に4,500円だけFX口座にいれて米ドル/円を買うと、おそらく即座に強制ロスカットが発動してしまいます。
そのためカッコの中に、証拠金率が150%になるように現実的な最低資金を入れました。
ちなみに強制ロスカットはFX口座が利用者の資産を守るために、証拠金維持率が100%を下回るとアラートが生じ、50~75%(サービスにより基準は異なる)を下回ると強制的にポジションを決済する制度のことです。
一方で、株の個別銘柄はこうです。
▼国内株の個別銘柄の最低資金例(100株)
ファーストリテイリング(ユニクロ) | 7,124,000円 |
任天堂 | 5,126,000円 |
トヨタ自動車 | 200,000円 |
ソフトバンクグループ | 623,600円 |
みずほフィナンシャルグループ | 158,700円 |
※2021/10/12時点の株価に基づき作成
日本を代表するような上表の企業の株価だと、最低限用意しなければならない金額がFXに比べたときに50倍ほど多くなります。
もし投資資金30万円でスタートするなら、FXだと主要な通貨ペアすべてを取引することができますが、株式相場では株価の安い銘柄に絞ったうえで、せいぜい1~2社くらいが限界でしょう。
ですが相場は、「停滞→上下のトレンド」を繰り返します。
もし上下どちらにもいかない停滞している時期に株式相場に参入してしまったとき、次に動き出すタイミングまでその資金はほぼ何も生まず、遊んでしまいます。
せっかく資産を運用するための投資なのに、そうなってしまうと銀行に預けておいたほうがマシということになってしまいます。
これは「塩漬け」という、損切りをせずそのまま放置しておくようなやり方も同じです。
ただし最近では「ミニ株」や「S株」という名前で、本来なら100株単位で買わないといけないところを1株で買えるようなサービスもあります。
ですが、こうしたミニ株は必ずしも自分の希望する株価で売買ができるわけではありません。
というのも購入や売却の申し込みをした翌日の寄付き値(相場が開いた時のレート)で約定する、という大きなデメリットがあります。
もし株式市場が午後3時に閉まって、翌朝に9時半に開くまでの相場が急変するような出来事(決算発表でのサプライズなど)が起こった場合、ものすごく不利な建値でポジションを作ることになりかねません。
わざわざそんな不利になりかねないルールのもとで戦うくらいなら、最初から公平に戦えるFXにしておけばいいとなってしまうのです。
FXではさらに資金効率がよくなるレバレッジがかけられる
またFXは口座資金に対して、国内のFX口座だと最大25倍までレバレッジがかけられます。
簡単にいうと、30万円の口座資金で750万円分の取引ができるということですね。
なぜそんなにレバレッジがかけられるかというと、株式市場に比べてFX市場は値動きが小さいのです。
たとえば株式市場で株価1,000円の銘柄が3日で2倍の2,000円に値上がりすることはおおいにありえる話です。
でも米ドル/円110円が3日後に220円になる可能性は、ゼロではないにせよ、ほぼ起こりえない話です。
たとえば2011年に起こった東日本大震災のときでさえ、米ドル/円は1週間かけて83→76円台の6円ほどの下落幅(-8.4%)でした。
このようにFXである通貨は値動きが小さいので、レバレッジをかけても大丈夫ということなのです。
このレバレッジを活用した資金効率の考え方は、投資資金として100万円をもっているなら、FX口座に4万円を入れればレバレッジ25倍で最大100万円相当分と同じになります。
それなら残りの96万円で別の投資に資金を回してもいいし、100万円をFX口座に入れて最大2500万円相当分の資金を運用してもいいということになります。
こういう意味合いで「資金効率がいい」となるわけです。
ちなみに株でも信用口座を開設すれば、おおむね3倍くらいまでレバレッジをかけられます。
ただ信用口座の開設には審査があり、資金力や投資経験を審査されます。
投資資金が少ない投資初心者の方は、そもそも信用口座を開設できない可能性もあります。
ただしすでにお気づきかと思いますが、レバレッジかけるということは損失も大きくなるということです。
そのため改めて最初のコツでもお伝えしたとおり、初心者のうちはレバレッジを過剰にかけて大きなポジションに振り回されないようにしてください。
(理由3)銘柄選定が楽
理由の三つめとして、FXは株式投資に比べて銘柄選定がとても楽であることがあげられます。
FXで取引対象として見ておけばいい通貨は5つに絞れると言っても過言ではありません。
FXの主要通貨
- 米ドル
- ユーロ
- 日本円
- ポンド
- 豪ドル
これは下図のBIS(国際決済銀行)が発表している統計と一致します。
そもそも投資対象として世界中で取引されている通貨は上の5つの通貨の組み合わせくらいなのです。
(出典:国際決済銀行による2019年の統計に基づき作成)
もっと言うと、その時々で市場参加者が注目している通貨というのが出てきます。
たとえば原稿執筆時の2021年10月だと、景気がよくなり政策金利を利上げする観測が濃厚になってきた米ドルです。
また2020年はトランプ元大統領の再選をかけた大統領選が注目され米ドル、EU離脱を実行した英国のポンドが旬の通貨でした。
大体先ほどの5つの通貨のいずれかが旬の通貨となって、相場が大きく動きます。
そのためFXでの銘柄選定は、実質5通貨に絞られるとも言えます。
一方で、株式投資の場合は国内の銘柄だけでも約3,700銘柄あります。
この中から自分が取引する株を選ぶとなると、大変です。
またこれだけ銘柄が多いと、チェックしなければならないニュースや情報も膨大になります。
それならおおむね5通貨のいずれかに絞られているFXをやったほうが、投資対象の選定がかなり楽というわけです。
FXが株式投資より劣る点は2つ
ここまでは株式投資と比較したときのFXのいい面ばかりを見てきましたが、FXが株式投資に劣る面もあります。
FXが株式投資より劣る点
・主要通貨全体が動かない時期がある
・国内ニュースでは海外の経済ニュースをキャッチしづらい
それぞれを見ていきましょう。
主要通貨全体が動かない時期がある
株式投資でも夏枯れ相場など値動きが鈍る時期はあります。
ですが、細かく個別銘柄を見て行けば、いずれかの銘柄は動いているものです。
一方でFXの場合は、先ほどの5つの主要通貨すべてが膠着して動かなくなる時期があります。
たとえばクリスマスシーズンなどの海外の休暇シーズンもありますし、大きなトレンドが終息して一服しているとき、為替に影響があるようなネタが見当たらないときなどです。
長いときは1~2か月ずっと膠着している、なんてこともあります。
こういう時にどうしてもトレードしたいときは、国内株式や仮想通貨など、ほかの相場に手を広げていくことになります。
ですが相場格言にも「休むも相場」という言葉があります。
FX相場は週末と元旦以外はずっと開いています。
ポジションをもっていると、含み損であれ含み益であれ、いくばくか気が張っている心理状態になります。
相場を離れてリフレッシュし、また相場が動き出したら戻ってくることをおすすめします。
国内ニュースでは海外の経済ニュースをキャッチしづらい
為替相場でよく旬のネタになるのは、やはり米国や欧州の経済ニュースが多いです。
日本の経済ニュースが注目されることもあるのですが、あまり多くはありません。
となると、日本のテレビや新聞で取り上げられるようなニュースを見ていても、トレードのアイデアになるような情報はほとんど報道されません。
とはいえ、海外の経済ニュースをキャッチする方法はあります。
まず国内のFX会社は、重要な海外の経済ニュースをリアルタイムで配信してくれます。
また意外かもしれませんが、速報性の強いTwitterも有益な情報源になります。
フォローしておくと情報収集がはかどるTwitter公式アカウントをご紹介しておきます。
▼SBIリクイディティ・マーケット
▼ロイター(日本版)
▼ForexLive(英語)
これまでのFXと株の違いを下表にまとめておきます。
FX | 株 | |
動く時間 | 15:30~25:00 | 9:00~11:30
12:30~15:00 |
資金効率 | いい | ふつう |
銘柄選定 | 楽(5通貨) | 大変(3,700銘柄) |
値動き | 鈍る時期がある | 個別銘柄は動いている |
情報収集源 | FX会社・Twitter | 豊富 |
投資初心者のためのFX口座の選び方
ここまででFX相場との付き合い方が、以前より具体的にイメージできるようになったかと思います。
あとは実際に相場と向き合いながら、経験値を高めていくことが何よりの勉強です。
いよいよ実戦の場に足を踏み入れていきましょう!
ここからは実際にFX相場に参加するために「どのFX口座を使えばいいの?」というテーマに移っていきます。
結論から言えば、初心者のFX口座は下記の2点の観点から選んでください。
初心者がFX口座を選ぶ2つのポイント
- 最低単位が1,000通貨単位で取引できること
- FXの実戦的な勉強をサポートしてくれること
それぞれのポイントについて見ていきます。
FX初心者は1,000通貨から取引できる口座を選ぶべし
結論からいえば、FXの初心者の方は1,000通貨単位でポジションを作れる口座を選ぶようにしてください。
理由はふたつです。
1,000通貨単位で取引できるFX口座をおすすめする理由
・大負けしても復活できる
・ポジション管理のトレードスキルが身に付きやすい
ほかのサイトを見ていると、およそ大半の初心者の人には適用されないキャッシュバックキャンペーンや、誤差レベルの差しかないスプレッドの差ばかりを強調している記事が見られます。
ですが、初心者の方に本当に必要なのは「最初の1年を生き残ること」であり、また今後十分な収益を生むための「トレードスキルを身につけられる」環境です。
それぞれの理由を見ていきましょう。
大負けしても1,000通貨なら復活できる
1,000通貨くらいポジションサイズを控えて取引しておくと、仮に大負けしたときも復活できます。
実際に通貨単位ごとの損失額を見てみましょう。
▼通貨単位ごとの損失額の目安
1,000通貨 | 10,000通貨 | 100,000通貨 | |
50pips | ¥500 | ¥5,000 | ¥50,000 |
100pips | ¥1,000 | ¥10,000 | ¥100,000 |
150pips | ¥1,500 | ¥15,000 | ¥150,000 |
200pips | ¥2,000 | ¥20,000 | ¥200,000 |
250pips | ¥2,500 | ¥25,000 | ¥250,000 |
300pips | ¥3,000 | ¥30,000 | ¥300,000 |
500pips | ¥5,000 | ¥50,000 | ¥500,000 |
※実際の損失額はその時の通貨ペアのレートにより、少し異なります
1回のトレードで500pipsの損を出すには、強いトレンドに真っ向から逆張りでもしていない限り難しいかもしれません。
でも相場の動きとかみ合わず、何度も損切りを重ねた月間の累積で500pipsの損失が出るのはあり得ることです。
そんな大負けを喫しても、1,000通貨単位でトレードしていたのなら、おおむね5,000円の損失額でおさまります。
たとえ口座資金が10万円と潤沢ではなくとも、失うのは口座資金の5%なので、まだ十分復活できる範囲です。
メンタル的にも、5,000円くらいなら1回飲みに行ったと考えれば切り替えできますよね。
ですがこれが10,000通貨でトレードしていた場合、10万円の資金ならその50%を失うことになります。
ここが簡単に考えてはいけないところなのですが、口座資金を50%失うと取り返すのはかなり困難になります。
なぜなら口座資金が5万円になっているということは、証拠金が不足して10,000通貨でトレードすることはできなくなっているからです。
証拠金の余裕を見ると、5,000通貨単位くらいでトレードしていくしかなさそうですが、そうなると損失を出したスピードの1/2のスピードで負け分を取り返していくことになります。
つまり5,000通貨で50,000円を稼ごうとしたら、倍の1,000pipsの差益を獲らなければなりません。
本来なら儲けたいからはじめるFXであるのに、こうなってしまうと「損失を取り返すためだけのFX」になってしまって、ただの気の重い作業になってしまうでしょう。
最初の失敗しないためのコツでもお伝えしましたが、FX初心者は大きなポジションで一攫千金を狙うと高い確率で失敗します。
小さい1,000通貨単位でポジションを作れる口座を選んでください。
たださすがにFX初心者といっても、1,000通貨でずっとトレードしているとさすがに味気なくなってきます。
損失額=収益額なので、仮に500pipsの差益を獲れたとしても5,000円の儲けです。
そこで次に収益UPを狙うポジション管理のテクニックについてご紹介します。
ポジション管理のテクニックを身につけて「損小利大」を実現する
この項目では、数あるポジション管理術の中でも「増し玉」についてスポットを当てます。
この増し玉のテクニックを身につければ、今後何度もぶち当たることになる相場格言「損小利大(損するときは小さく、勝つときは大きく)」に大きく近づくことができます。
その増し玉の要点を言うと、含み益が出ている状態のときに追加で同じ方向のポジションを建てます。
上図は買い増しする教科書的なタイミングを載せていますが、実戦では待ちすぎて買いそびれたり、仕掛けが早すぎたりして、完璧に乗りこなすことは難しいです。
もしかすると1~2回の買い増しに終わるかもしれません。
ですが仮に1,000通貨ずつ買い増しをしていくと、最終的には4倍の4,000通貨のポジションサイズになっています。
上図の114円に乗せたところで、すべての玉を決済したときの収益は、
【玉1】110.00→114.00円 | 4,000円(400pips) |
【玉2】111.00→114.00円 | 3,000円(300pips) |
【玉3】112.10→114.00円 | 1,900円(190pips) |
【玉4】113.50→114.00円 | 500円(50pips) |
合計 | 9,400円(940pips) |
1つだけの玉なら4,000円のところを、2倍以上の収益をあげることができるのです。
もちろん含み益があるときに、買い増しのポジションを建てると持ち値の平均が悪くなります。(110.00+111.0÷2=110.50)
そのため最初はちょっと勇気がいるのですが、「増し玉」は収益増を狙うポジション管理の必須テクニックなのでぜひ身につけていってください。
どうしても勝ち負けを繰り返す相場では「勝つときは大きく勝って、負けるときは小さく負ける(損小利大)」が、生き残るための鉄の掟なのです。
一方で、もしこれが10万円資金で10,000通貨からしか取引できない口座なら、ポジションは1つしか建てられません。
そうなるとこうした「増し玉」などのトレードスキルは磨くことはできなくなります。
こうしたトレードスキルの練習のためにも、1,000通貨のFX口座を選ぶべきなのです。
FXの実戦的な勉強をサポートしてくれること
さて2つめの口座選びのポイントは、そのFX口座がどんな初心者トレーダーをサポートするような取り組みを行っているか?です。
つまりそれぞれのFX口座が提供している独自のサービスで選ぼう、というわけです。
というのも、ハッキリ言って国内のFX口座の機能面での違いというのはほぼありません。
スプレッドがどうこうとか、約定力(注文の成立しやすさ)がどうこうという観点は、普段トレードしていて気になることはないでしょう。
またそもそもスプレッドは重要な経済指標の発表時や、相場が大きく変動しているときに開きます。
そして約定力も、相場が大きく動いているときにはスベります(成り行きで注文した時のレートよりもズレて約定される)。
それはスプレッドの狭さや、約定力の高さをアピールしているFX口座でも同じことです。
またスワップという高金利通貨(メキシコペソやトルコリラなど)のポジションを持っているだけで、毎日受け取れる利息の高さをアピールしているFX口座もあります。
パッと聞いた感じ、スワップ投資は「ポジションをもっておけばお金が入ってくる」ので、なんとも簡単そうに見えますよね。
でも実際にはスワップ投資だけで儲けている人は、ほぼいないのではないかと思います。
なぜならいくらスワップが毎日入ってこようが、高金利通貨自体のレートは2008年9月のリーマンショック以来、ずっと下げているからです。
上表は高金利通貨の代表例であるトルコリラ/円の月足チャートですが、かつて2008年には「1トルコリラ=94円」にあったものが、いまはおよそ90%も価値が失った「1トルコリラ=12円」しかありません。
つまり「スワップの利益<レート変動による差損」になっているということです。
これでは収益を出す余地がないのに等しいのです。
スプレッドの狭さやスワップの高さだけに着目してFX口座を選ぶのは、後悔する選び方にほかなりません。
FX口座がアピールしていることや、そのアピールを真に受けてそのまま書いているようなWEB記事を鵜呑みにしてはいけないのです。
それでは冒頭で触れた2つ目のポイントである「FX口座が提供している独自のサービス」について、実際のFX口座とともに見ていきましょう。
初心者におすすめできるFX口座その1|【JFX】
JFXのおすすめポイント
・社長自らがトレードや相場観をTwitterで実況している
・トレードスキルが磨けるコンテンツが豊富
・スキャルピングを公認している
それぞれの詳細を見ていきましょう。
社長自らがトレードや相場観をTwitterで実況してくれる
【JFX】の最大の特徴は、代表取締役である小林芳彦社長が前面にグイグイ出てきてくれることです。
ほぼ毎日Twitterで自分のスキャルピングのポジションを明かしながら、相場観を織り交ぜて解説や実況をしてくれます。
小林芳彦社長は、外銀で為替ディーラーをやっていた経歴をお持ちで、長年為替相場の前線を生き抜いてきた方です。
そうしたFX相場のプロがTwitterで相場観や売買履歴を披露してくれるのは、初心者だけでなく経験者にもかなり有益な勉強材料になります。
なにより自分の大事な資産を預けるのがFX口座です。
そのFX口座の代表取締役の顔や、親しみやすい人柄が見えている安心感は、ちょっとほかのFX口座が真似できないおすすめポイントです。
トレードスキルが磨けるコンテンツが豊富
先述のTwitterの実況も勉強になりますが、そのほかにも【JFX】ではオンラインでの学習コンテンツが充実しています。
もちろん【JFX】に口座を作っているなら、それらのコンテンツは無料で視聴できます。
たとえば月に一度のお祭りである「米国雇用統計」の時には、著名なトレーダーを招いてトレード手法や相場の見方などをライブ中継してくれます。
凄腕の個人投資家だけでなく、金融機関でディーラーとして勤務していた人とも楽しいトークを織り交ぜながらライブしてくれるので、見ているだけでも勉強になります。
相場に対して「なんのこっちゃわからない…」という状態から、FXがもっと好きになれますので、初心者にもっともオススメしたいFX口座がJFXです。
スキャルピングを公認している
【JFX】は国内のFX口座ではめずらしく、スキャルピングを公認しています。
多くの国内FX口座は、スキャルピングを禁止にしています。
たとえば【DMM FX】にはこのような禁止事項があります。
もちろん禁止と言っても実際はスキャルピングでトレードできてしまうのですが、建て玉が大きいと最悪の場合で口座凍結のペナルティをもらうリスクが高まります。
初心者の方は経験値を積むためにも、スキャルピングしたくなるものです。
その点【JFX】はありがたい存在ですね。
初心者におすすめできるFX口座その2|【MATSUI FX】
【MATSUI FX】のおすすめポイント
・1通貨単位で取引できる
・株式投資への参入もスムーズ
1通貨から取引できる
【MATSUI FX】の最大の特徴は、1,000通貨よりもさらに小さい1通貨単位で取引できるということです。
これまで本稿では繰り返し「初心者は大きなロットから始めないこと」をお伝えしてきました。
1,000通貨よりもさらに安全にFXを始めたい方は、1通貨で取引できる【MATSUI FX】という手があります。
またこうしたレバレッジをかけずにポジションを建てられるFX口座は、もうひとつの使い方があります。
それは長期でポジションを保有するための口座として利用すること、です。
実際、FXの経験者は短期売買用の口座と、長期用の口座を使い分ける人が結構います。
筆者自身もそうしています。
というのも、短期用のポジションと長期用のポジションが同じFX口座にあると、誤って長期保有したいポジションを決済してしまうミスが恐くなります。
また「中長期的には上昇する公算が高いが、短期的に調整局面で下げている」という場面がFX相場では頻出します。
そういうとき、レバレッジをたっぷりかけたポジションは強制ロスカットのかねあいでホールドしにくくなります。
1~5倍程度の低レバであれば、そうした短期的な調整局面もかなり耐えやすくなるので、長期スパンで投資することを考えている初心者には特にオススメできます!
株式投資への参入もスムーズ
FXと株式なら、投資初心者の方はFXから始めるべきとお伝えしました。
と同時に、FXからはじめてある程度トレードがうまくなってくると、結局「値動き」を求めて株式市場にも参入したくなる、ということもお話しました。
そのとき【MATSUI FX】なら運営母体が松井証券なので、株式投資への参入も開設手続きと口座資金の振り替えだけで完了します。
FXが動いているときはFX投資をメインにやり、FXの市場全体がこう着しているときは株式市場で相場を張る、という機動的な投資スタイルが実現できるのです。
もっと上級者向けなことを言うと、「ドル円を買って、日経平均指数をヘッジで売る」のようなヘッジファンドのような手法も取り入れることができるので、トレードの幅が大きく広がります。
初心者におすすめできるFX口座その3|【OANDA】
【OANDA】のおすすめポイント
・独自に提供されているツールがかなり使える
・CFD市場への参戦もスムーズ
独自に提供されているツールがかなり使える
【OANDA】の最大の特徴は、独自に提供されているツールがかなり使えるということです。
その代表的なもののひとつに、ほかのトレーダーたちのポジション状況が見れるツールがあります。
(上図は【OANDAラボ】オーダーブックより作図。2021/10/21 0:20AM)
このポジション状況ツールの読み方の一例として、上図から「こんな読み方もあるよ」というのを示したいと思います。
ポジション状況の読み方の例
・85円台は当面重くなる
・85円割れにまとまった損切り注文がありそう
この図の状況としては、豪ドル円は9連騰の棒上げ相場となり、79円台→86円台前半までわずか9日で駆け上がりました。
ところが86.25円の新高値をつけた直後に、利食いの売りが優勢となり85円が割れそうなところまで下がっています。
この時、上図の右半分が「買いポジション」をもっている人たちに着目すると、含み損を抱えながらも、まだ損切りせずに耐えている人が多数いることがわかります。
いわゆる「買い(ロング)が捕まっている」状況です。
ここでの「読み」の例として、「85円台は、いま買っている人が損切らない限り重くなる」と読むこともできるのです。
というのも、この買い玉も持っている人たちの心理を考えると、もし自分の持ち値付近にレートが戻ったら「大きく高値から下げたから、一回手仕舞って仕切り直そう」と考えたくなると想像できます。
また「もし自分が85円台を買っていたとしたら、どこに損切り注文を置くだろう?」と考えたとき、置きやすいのはやはり節目となる85円割れです。
FXに限らず相場は「大きな注文があるところに吸い寄せられていく」という傾向があります。
その後の実際の値動きがどうなったかというと、その2時間後、豪ドル/円は85円を割れ、84.89円まで下げました。
損切り注文に引き寄せられた、とも考えられる展開です。
これらは後付け講釈なのでなんとでも言えるのですが、ポジション状況の「読み方」の一例と考えてください。
こうしたトレードに実用的なアイデアを与えてくれる独自のツールが、【OANDA】で口座を開くと使えるようになります。
ほかにもトレードに役立ちそうなツールが提供されていますので、ぜひ活用してみてください。
(※OANDAに口座を開かなくてもポジション状況は30分遅れで見ることはできます。ですがリアルタイムでポジション状況を見れたほうがいいのはいうまでもありません)
CFD市場への参戦もスムーズ
【OANDA】ではFXにほかにCFDを取引することもできます。
CFDの仕組みなどの説明はややこしいので割愛しますが、ここではシンプルにこうイメージしてください。
CFDとは?
・日経平均やダウ・ジョーンズなどの株式総合指数がトレードできる
・原油や金などのコモディティ(商品)もトレードできる
たとえば「アベノミクスのように日本株は上がると考えているが、具体的にどの銘柄があがるのかわからない」というのは、株の初心者にとってあるあるですよね。
そうしたとき「日経平均指数」自体を買えればいいのですが、日経平均指数の現物株というものは存在しません。
じゃあどうすれば取引できるかと言うと、一般的なやり方では「日経平均先物」でトレードするという手があります。
ただし下表をご覧ください。
▼日経平均指数が20,000円の場合
日経平均CFD(OANDA) | 日経平均先物 | |
最低売買単位 | 1単位 | 100単位 |
必要な最低資金 | 20,000円 | 2,000,000円 |
CFDは1単位からトレードできるのに対し、先物は100単位です。
トレードに必要となる最低資金が100倍違います。
さすがに最低資金が200万円ともなると、「小さいポジションではじめる」ということができません。
そのためFXだけでなく、小さい資金で株式指数やコモディティも投資対象にできる点はかなりオススメできます。
FXの初心者が勉強するべきこと
自分が選ぶべきFX口座は決まりましたか?
それではここからは話を変えて、FX初心者が勉強するべきことについて見ていきたいと思います。
結論から言えば、本稿ではFX初心者にとって一番勉強になるのは「小さいポジションでの実戦」に勝るものはないと考えます。
これまで「大きなロットから始めないこと」と何度も繰り返してきました。
そのネガティブな面は「1年目の壁を乗り越えて生き残ること」ですが、ポジティブな面は「トライ&エラーを繰り返せること」です。
初心者のうちは、とにかくたくさんエラーを出すことが非常に大切です。
もっと言うと、そうしたエラーを出すことでしか「FXでこういう振る舞いをすると負けるんだな」という経験則は蓄積されていきません。
・相場に入るタイミングの見極め
・損切りと利食いをする水準の見極め
・相場が反転するタイミングの見極め
こうしたものはたくさんのエラーを出した結果、自分のなかで少しずつ言語化されることで固まってくるものです。
またトレード方法は思っている以上にその人の性格が出ます。
楽観的な人/悲観的な人、判断の早い人/判断が慎重な人、ポジションをもつと高揚する人/冷静なままの人、など…。
たとえばもしなにかの教科書に「買いたいと思ってから、2回我慢して買え」という、相場に入るタイミングのアドバイスがあったとします。
そのアドバイスを書いた人は判断が早すぎたという多くのエラーに基づいて、その見解にたどり着いています。
そのため同じように判断が早すぎる人には、有益なアドバイスとなるでしょう。
でも判断が遅すぎる人には逆効果です。
つまりトレードに関する技術は、自分がエラーを出すことでしか向上しないのです。
デモ口座より少額での実戦がオススメ
ではエラーを出して多少なりとも損するくらいなら、デモ口座で練習すればいいのでは?と思われるかもしれません。
ですがデモ口座はあまりオススメできません。
というのも、FX歴5年以上の先輩たちはデモ口座にたいして、やや否定的に見ています。
これは筆者自身も納得感のある結果で、デモと実戦は違うからという理由に尽きます。
筆者もかつてはデモ口座から始めましたが、デモでは勝てるのです。
ですが実戦に移ると、なぜか急に勝てなくなるのです。
またデモ口座でトレードの練習をしているときは、勝った/負けたくらいの感覚しかなく、真剣に自身のトレードと向き合うことはありませんでした。
それもそのはず、デモ口座のお金は自分のお金ではないからです。
自分の虎の子の財産の一部をリスクにさらしているからこそ、真剣に相場と向き合うことができるのです。
また一部のデモ口座は謎の仕様をもっている口座が多く、特に土日に謎の動きをとります。
その動きは金曜日の引け値からいったん離れては戻る、を繰り返す動きしかないので、逆張りし続ければ簡単に儲けられることがすぐにわかってしまいます。
これではトレードの練習にもなりません。
それなら最初から少額で自分のお金を使ってトレードしているほうが、まじめに相場と向き合えるというわけです。
FX初心者のためのその他の疑問
ここまででFX初心者の方が、はじめの一歩を踏み出すために必要な情報はすべてお伝えしました。
最後に、FX初心者の方が気にしがちなそのほかの疑問について簡単に説明していこうと思います。
FXの書籍で唯一おすすめできる一冊は「ロンドンFX物語」
FXの初心者の方で書籍から勉強したいという方もいらっしゃいますが、書籍の勉強は必須ではありません。
筆者も5冊くらいは読みましたが、いまでもトレードに活かせている本は?と聞かれると思い浮かびません。
もちろんFXの書籍を読んで、急に運用成績があがるということもありませんでした。
FXや投資の教科書といえば、パンローリング社から出版されている書籍が一般的です。
ただパンローリング社の書籍で筆者が読んだものだと、
・値段が一般書籍より高め
・内容の半分くらいは成功トレード例集
・最初の50ページでネタが出尽くして、そのあとは繰り返し
という割とハッキリした傾向があって、ちょっとおすすめしにくい書籍が多いのです…。
ただそれでもあえて初心者の方にオススメするとなると、同社から出版されている「ロンドンFX物語―部外者立ち入り禁止のディーリングルームから」は、パンローリング社の書籍ですが、いまでも心に残っています。
最近こそAI(人工知能)によるトレードが相場で話題にのぼることがありますが、基本的に相場は人と人との思惑がぶつかり合う場です。
この書籍では、FXの最前線にいるプロの為替ディーラーたちは、表示されているレートの裏側でどんな風に戦っているのか?が著者の体験談として語られています。
この書籍を読むと、昨日つけた高値/安値の裏側にもドラマがあるように思えて、FXのことがもっと好きになれます。
読んですぐにトレードスキルがあがるというわけではありませんが、FXで収益をあげるうえで不可欠なのものは、継続することです。
継続するうえで「好き」でいられることは、大きなアドバンテージになります。
この書籍はパンローリング社のものですが、文庫本で安く買えますので、ぜひ一読してみてください。
初心者向けのおすすめ通貨ペアは?
結論から言うと、初心者におすすめの通貨ペアはありません。
どの通貨も実際にマーケットを動かすのは、相場のプロたちや中央銀行や大手輸出・輸入企業です。
初心者だけが集まってうまく稼げる相場なんてものは存在しませんし、そんな通貨ペアも存在しません。
もちろん相場が「初心者だから」と忖度してくれるはずもなく、そうしたプロや歴戦のトレーダーと同じ戦場で立って収益を残していかなければなりません。
ただし相場には、その時々で旬となるテーマがあり、そのテーマの中心となっている通貨にはハッキリとしたトレンドが出ます。
英国のEU離脱のときはポンド、米国の利上げ観測のときは米ドル、ギリシャショックのときはユーロ、といった具合ですね。
さらにいうと「もっとも弱い通貨」と「もっとも強い通貨」のペアがトレンドとしてはハッキリします。
「弱い」というのは売り材料が多いことであり、「強い」というのは買い材料が多いということです。
そのため、「いま相場ではなんのネタがテーマになっているのか?」ということに対しては、どん欲にアンテナを張るようにしてください。
そのアンテナのひとつとして、先ほどオススメしたTwitterアカウントをフォローしておくと、効率的な情報収集ができます。
FXのはじめの一歩を踏み出そう
最後に、本稿のおさらいをしておきましょう。
FXは「1年目の壁」があり、初心者の方は最初の1年を生き残ることに全力を尽くしてください。
そのために3つのコツをお伝えしました。
FX初心者が失敗しない3つのコツ
1.小さいロットから始める
2.難しい相場に手を出さない
3.資金管理を徹底する
また株かFXかで悩まれている方には、FXをするうえで非常に恵まれている日本という環境もあって、FXをオススメしました。
そして、実際にFX初心者の方が口座を作るうえで大事なポイントは、
初心者がFX口座を選ぶ2つのポイント
1.最低単位が1,000通貨単位で取引できること
2.FXの実戦的な勉強をサポートしてくれること
でした。
こうした観点からオススメできるFX口座を表にまとめます。
JFX | ・社長がTwitterで実況
・相場の学習コンテンツが豊富 ・スキャルピング公認 |
口座開設へ |
MATSUI FX | ・1通貨から取引OK
・証券市場に参入しやすい |
口座開設へ |
OANDA | ・独自のツールが使える
・CFDに参入しやすい |
口座開設へ |
これで初心者の方にお伝えすることはすべてです。
ぜひこの場からFXのはじめの一歩を踏み出してみてください!