相続

【弁護士監修】銀行に相続代行を依頼できるの?!預金などの相続における銀行での手続きの流れや必要書類についてわかりやすく解説

ほとんどの方は、亡くなるとき、預貯金を残しています。

したがって、ほとんどの相続手続において、預貯金を払い戻すため、銀行での手続が必要となります。

そればかりではなく、銀行において、遺産整理業務等をお願いできる場合もあります。

今回は、相続に関する銀行での手続、銀行にお願いできる相続手続について、詳しく解説していきます。

銀行における相続手続きの方法とは?!

 多くの被相続人は、銀行に預貯金をもっています。

親族が亡くなった後、相続人が被相続人の預貯金の払戻しを受ける方法について、解説します。

銀行における相続手続の大枠の流れとは?

銀行における相続手続は、次のとおりです。この具体的な手続について解説します。

①相続発生の連絡 → ②口座の入出金停止手続き → ③手続の申し出

→ ④必要書類の準備 → ⑤書類の提出 → ⑥払戻しの手続き

銀行によっては相続代行サービスが存在する?!

相続手続は、戸籍(除籍、原戸籍)謄本の収集、相続人及び相続財産の調査等が必要になります。

相続人の多くは、戸籍謄本等の必要書類の収集に慣れていないこと、相続人が被相続人の遺産整理等で多忙なことを踏まえ、相続代行サービス(遺産整理業務)も取り扱っている銀行もあります。

1.相続発生の連絡

 銀行は、被相続人が死亡しても、相続人等の関係者から連絡がない限り被相続人が亡くなったことを知りません。

ですので、相続人等の関係者が銀行に対し、被相続人が亡くなったことを連絡します。

2.口座の入出金停止手続き

 銀行は、相続人等の関係者から連絡を受け、被相続人が死亡したことを確認した後、口座の入出金停止の手続をとります。

これにより口座が凍結されます。

そのため、相続人の誰かが勝手に被相続人の口座から預貯金を引き出すことを防止します。

3.手続の申し出

 銀行は、被相続人の死亡を受け,被相続人名義の口座の入出金停止手続きをとります。

ですので、相続人は、自由に被相続人の口座から預金を引き出すことができません。

そこで、相続人は、被相続人の口座の解約,口座名義人の変更をするための手続をする必要があります。

相続人は、銀行に相続手続の申し入れをすると、手続に必要な書類を案内されます。

4.必要書類の準備

 銀行から必要書類の案内を受けたら、書類を収集します。

書類は、遺言書があるか、遺産分割協議書があるか等によって異なります。

銀行によっては、必要な書類が異なりますので、被相続人が口座を持っていた銀行に直接確認しましょう。

必要書類の中には、被相続人の預貯金の振込先口座を指定する書類も含まれていることが多いです。

また、どの銀行も、被相続人の死亡を確認できる戸籍、預金を受領する相続人の戸籍謄本、印鑑登録証明が必要になることが多いです。

5.書類の提出

 必要書類の収集が完了したら、銀行に書類を提出します。

銀行は必要書類を受領して、相続人の死亡、相続人のだれか、どのように預貯金を分配するのかを確認します。

6.払戻しの手続き

書類の中には、被相続人の預貯金の振込先口座を指定していることが多いです。

ですので、銀行が必要書類を確認した後、指定された口座に振り込みします。

これにより払戻し手続が完了します。

銀行における相続手続に必要な書類とは?

銀行で相続手続をするにあたり、書類を準備する必要があります。

この必要な書類について解説します。

相続手続依頼書という銀行所定の書類がある

各銀行は、相続手続をするための所定の書式があります。

この書式は、相続手続依頼書といいます。

相続手続依頼書には、被相続人の住所、氏名、死亡日、生年月日、支店名、口座番号等の被相続人に関する情報、相続人の住所、氏名等の相続人に関する情報を書きます。

相続人の情報の中には、被相続人の預貯金の払戻しを受ける者の振込先口座(銀行名、口座名、口座番号、口座名義人)を記載することが多いです。

なお、相続手続依頼書は、銀行によっては名称が異なりますので、銀行に確認しましょう。

戸籍謄本や除籍謄本

被相続人が死亡している戸籍謄本が必要になります。

相続人であることが分かる戸籍(除籍、原戸籍)謄本も必要になります。

ですので、直系尊属や兄弟姉妹が相続人になる場合、先順位の相続人がいないこと、死亡していることが分かる戸籍謄本が必要になります。

また、被相続人の出生から死亡までの戸籍が必要になる場合もありますので、銀行に確認しましょう。

印鑑証明書や実印

被相続人の預貯金の払戻しを受ける者は、相続手続依頼書に署名するとともに、実印で押印します。

実印を押印したうえで、実印であることを確認するため印鑑登録証明書を添付します。

遺産分割協議書

相続人間で遺産分割協議が成立した場合、遺産分割協議書を作成します。

この遺産分割協議書には、被相続人の預貯金をどのように分割するのか記載されています。

ですので、遺産分割協議書を銀行に提示して、銀行に対し、誰が預貯金を相続するのかを明らかにします。

遺言書や受遺者の印鑑証明が必要なときもある?

遺言書がある場合、遺言書の中に被相続人の預貯金を相続する者が記載されています。

ですので、遺言書を銀行に提示して、銀行に対し、誰が預貯金を相続するのかを明らかにします。

被相続人の預貯金の払戻しを受ける者は、相続手続依頼書に実印を押印するとともに、印鑑登録証明書を添付します。

これは、遺贈によって相続財産を受け取る受遺者も同様に要求されることが多いです。

ですので、受遺者も印鑑登録証明書が必要になることがあります。

家庭裁判所による調停調書や審判書が必要な場合とは?

遺産分割協議がまとまらない場合、遺産分割調停・審判になることもあります。

調停が成立すると調停調書、審判になると審判書が作成されます。

この調停調書、審判書には、被相続人の預貯金を含む遺産につき、誰が相続するのかが明記されています。

ですので、銀行で預貯金の払戻しを受けるにあたり、必要書類として、調停調書、審判書がある場合、これらの資料が必要となります。

共同相続の場合必要書類がかわる?

ある遺産を複数人で共同で相続し、その遺産は、その複数人で共有するという方法を共同相続とよびます。

被相続人の預貯金を共同相続する場合には、相続手続依頼書に相続人全員の署名・押印とともに、相続人全員の印鑑登録証明書が必要となります。

共同相続の場合には、相続人全員の署名、実印による押印、印鑑登録証明書が必要になります。

また、相続人をすべて明らかにしないといけないため、被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍、原戸籍)謄本、全相続人の戸籍謄本が必要になります。

相続に関して、その他銀行でやってもらえることとは?

銀行は、相続手続により預貯金の払戻しを受けることができます。

しかし、この他にも、銀行は遺産整理業務、残高証明書の発行をしています。これらについて解説します。

遺産整理業務

相続手続のためには、被相続人に係る戸籍(除籍、原戸籍)謄本の収集、被相続人の財産の調査が必要になります。

また、相続人は、この他にも葬儀、被相続人の遺品整理等を行わなければなりません。

相続に慣れていない、被相続人が死亡して多忙な相続人のために、銀行が遺産整理業務として、相続人の調査、相続財産の調査、相続財産の管理・処分等を行うところもあります。

また、相続登記、相続税の申告・納税が必要な場合、専門家を紹介してくれます。

具体的なサービスについては、遺産整理業務を取り扱っている銀行に確認しましょう。

相続権利者の依頼により残高証明書を発行してもらえる?!

相続権利者の依頼により、残高証明書を発行してもらうことができます、

残高証明書は、相続人間で遺産分割協議をするうえで、相続財産の参考になります。

また、相続税を申告・納税する際に必要となります。

法定相続人と相続割合はどうやって決まる?

民法では、法定相続人をどのように定めているのか、解説します。

相続順位とは?!

相続人は、配偶者相続人と血族相続人になります。

配偶者は、常に相続人になります(民法890条)。

血族相続人については順位があり、先順位にランクされる血族相続人が存在しないときにはじめて、後順位の血族相続人が法定相続人とされています。

第1順位の相続人は、子です。

第2順位の相続人は、直系尊属です。親等の異なる直系尊属間では、親等の近い者が相続資格を取得し、それ以外の直系尊属は相続資格を取得しません。

第3順位の相続人は、兄弟姉妹です。

銀行での相続手続きに弁護士や司法書士への相談は必要?!

 銀行での手続は、戸籍謄本類の収集、銀行所定の書式の作成になります。

被相続人の遺産が預貯金だけで、法定相続分で分割することが決まっていれば、相続人だけで手続することもできます。

もっとも、相続財産が預貯金だけであっても、預貯金を分ける際、生前贈与、送別受益、寄与分等を主張しなければならない場合もあります。

また、相続の必要書類を収集するにあたり分からないことが出てくることもあります。

ですので、疑問に思ったこと、分からないことがあれば、弁護士、司法書士に相談することが望ましいです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。この記事を読んで、銀行での相続の手続きをスムーズに進めましょう。

監修者情報

愛知孝介先生

日本弁護士連合会所属 弁護士登録番号54061号

弁護士登録後、大手法律事務所に入所。

相続案件を中心に、年間100件以上の法律相談を受け、解決策を提案する。相続案件にあたっては、税理士、司法書士、宅建士等の他士業と連携のうえ、数多くの案件を解決に導く。

事業承継プランの策定、遺言作成を始めとする相続発生前の紛争回避策の構築を得意とする。

遺産分割協議及び遺留分侵害額請求にあたっては、クライアントの要望の実現に向け、粘り強い交渉を行い、調停・裁判を遂行する。

  • この記事を書いた人
篠 昌義(公認会計士/税理士)

篠 昌義(公認会計士/税理士)

株式会社相談室代表取締役。有限責任監査法人トーマツで大企業から中小企業までの監査やコンサルティング、税理士法人で大企業の法人税から個人の所得税まで幅広く実務を担当したのち、自身も経営者としてシェアリングテクノロジー株式会社(東マ:3989)の取締役CFOから代表取締役まで幅広く経験。東証マザーズ上場の責任者を務めるだけでなく、上場後の事業推進、資金調達、M&A、組織改革などを幅広く企業拡大を牽引。 詳しい経歴・プロフィールは当メディアの運営者情報をご覧ください。

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