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【国税OB・税理士監修】相続税の税務調査が入りやすい傾向ベスト5大公開!税務調査の実態、流れから調査の回避法までわかりやすく解説   

相続税の税務調査どうする?

相続税の税務調査は、簡易的なものも合わせると、相続税申告者のうち、2割の人に入ります

この確率は非常に高いと言えます。

したがって、相続が発生した場合には、必ず相続税申告についてもしっかりと考えておく必要があります。

くれぐれも適当にやり過ごせるだろうなどと思わないでください。

今回は相続税の税務調査について徹底的に解説していきます。

目次

そもそも相続税の税務調査ってどういうもの?

まずは、そもそも相続税の税務調査はどういったものなのかを解説していきます。

税務調査の内容とは?!

相続税の税務調査は、相続税を正しく申告しているかどうかをチェックするために税務署が行うものです。

特に、過少に申告されていないか、仮装・隠蔽行為がないかどうかという点で見られます。

税務調査の対象は相続人全員

相続税の申告書は、通常、相続人が連名で署名し、申告します。

したがって、税務調査が入った場合は、調査の対象は、その申告書に署名した相続人全員を対象に行われます。

税務調査が行われる場所は被相続人が住んでいた自宅が多い

税務調査を受ける場所は、被相続人(遺産を遺して亡くなられた人)が生前最後に住んでいた自宅になる場合が多いです。

近年の相続税税務調査の傾向ベスト5

税務調査の傾向は、年度ごとに微妙に変化していくこともあります。

2021年3月現在の最新の税務調査の傾向を以下にまとめましたので、参考にしてください。

ベスト1:被相続人が生前に高額所得者(法人役員、医者等)であったが、金融資産が少ない

被相続人が生前、高額所得者で会った場合は、税務調査が入りやすい傾向があります。

例えば、年収2000万円あった人が残した預貯金が2000万円だったとすると、これでは少ないんじゃないの?と思われる方もいると思います。

税務署も同様に生前に高額な収入があった人は、年収の何倍もの金融資産を持っているだろうという感覚で見ております。

特に晩年は収入がなくても、高額納税者公示制度があった平成17年以前に高額な所得があった方は要注意です。

ベスト2:被相続人が生前に土地の譲渡を行っているのに、申告財産への反映が少ない

被相続人が生前に土地の譲渡を行っている場合は、通常譲渡対価が被相続人に入っているはずなので、その対価が申告財産へ反映されているはずですが、それが反映されていないのではないかという疑いがある場合には、税務調査が入りやすくなります。

実際に晩年に土地の譲渡が行われた場合には、その代金を相続人に贈与したり、自宅の大規模改修や相続人名義の生命保険金の一時払いなどに充てられることも多く、申告漏れを指摘されるケースも多いようです。

ベスト3:相続人やその家族が多額の預貯金を保有しており、名義財産が疑われる

名義財産とは、被相続人以外の人が名義となっている財産だが、実態としては、被相続人が所有していたと疑われるような財産のことを言います。

例えば、相続人名義の預金に被相続人から毎年100万円ずつ振り込まれている(贈与を受けている)が、その通帳はずっと被相続人が保管していた場合などがこれにあたります。

相続人やその家族が多額の預貯金を保有している場合には、被相続人が実質保管していた財産なのでは?と疑われるわけです。

ベスト4:相続開始直前に葬式費用等のために多額の現金引き出しを行っているが現金申告がなされていない

葬式費用等は、相続税の計算の時に、遺産総額から差し引くことができます。

反対に葬式費用等で使ってしまった現金に関しては、相続開始の日には残っている訳ですので当然遺産総額に含めなければいけません

相続税の申告時には、相続開始の日の残高で預貯金等の申告する必要がありますが、直前に引き出された現金はこれとは別に申告に含める必要があります。

このように相続開始直前に多額の現金を引き出しており、現金申告がなされていない場合は、申告漏れがあるのではないかと疑われるため、税務調査が入りやすくなります。

ベスト5:海外に相続人がいる(国外財産がある)もしくは国外送受金が多額にある

海外案件は、最近の国税のトピックとなっており、ほぼ税務調査が入るといっても過言ではありません。

国税OB岡本先生のOnePointアドバイス

金地金(金のインゴット)などの特殊財産を多額に保有しているケースも、税務調査が入りやすい傾向があります。

税務署員は重加算税を賦課することを目的として調査にきています。重加算税とは、仮装・隠蔽行為があったときに課される最も重い罰則(刑事罰を除く)になります。

したがって、不動産より、仮装・隠蔽がしやすい、現金や金地金等を含めた金融資産が狙われやすくなるというわけです。

税務調査の種類には任意調査と強制調査が存在する

税務調査には任意調査と強制調査の2種類があります。

任意調査とは、調査対象となる人に対して事前に税務署から連絡があり、調査日時などを決めた上で行われる税務調査です。

ほとんどがこの任意調査の形で行われます。

強制調査は、任意調査において協力的でなかったり、明らかに悪質脱税が疑われるような人に対して行われる調査です。

この調査は事前に連絡はなく、抜き打ちで自宅などに調査が入ります。

映画やドラマなどでいうところの「マルサ」と呼ばれる国税局査察部の職員が行っているようなものは、強制調査の場面になっていることが多いですが、実際にはこのような強制調査が入ることは極まれです。

ほとんどの場合、任意調査となります。

任意調査は拒否出来る?

先ほど、ほとんど場合が任意調査と言いましたが、調査を拒否することは出来るのでしょうか?

この場合にすぐ強制調査である「マルサ」に引き継がれるかと言うとそうではありません。

マルサは高額かつ悪質な脱税を検察に告発するまでが仕事のため、高額でない事案にマルサが動くことは基本的にありません。

調査を拒否した場合でも、税務署員は税務調査の法律根拠である国税通則法の74条の2に規定する質問検査権を理由に粘り強く調査協力依頼を求めてきます。

このように税務職員には質問検査権という強い権限を与えられており、納税者は調査の受任義務が発生しますので、違反すると罰則規定もあり、実質的にはほぼ強制で逃れることは出来ないと考えた方が良いでしょう。

国税OB岡本先生のOnePointアドバイス

調査は逃れることは出来ないと言っても、例えば相続人が入院中であるとか、個別な事情がある場合は延期してもらうことは可能です。ただし忙しいとか仕事が休めない等の理由だけでは延期してもらえませんので、ご注意ください。

調査される確率は約2割と非常に高い

冒頭にもお伝えしましたが、国税局が公表しているデータによると、自宅に訪問して調査する実地調査は総申告件数の約10%、電話や文書で申告書の訂正を求める簡易な接触も含めると、20%くらいが何らかの税務調査を受けます

ちなみに、実地調査を受けた場合は9割近くが修正申告を行い、追徴課税を求められるというデータもあります。

税務調査する対象の選定方法はどのように行われる?

相続税法の58条という規定では、各市町村長は人が亡くなった場合、亡くなった日の翌月末までに税務署に対して通知しなければならないという規定があります。

相続税の事務はここからスタートします。

この際に亡くなられた方の不動産の所有状況も同時に把握しています。

このほかにも株式の配当、生命保険金などは法律に定められた法定資料により税務署は様々な情報を保有しています。

このデータに確定申告の状況等や過去から蓄積された膨大なデータを紐付けして調査対象者を絞っていきます

金額基準は存在するのか?!富裕層が狙われやすいって本当?!

相続税は累進課税制度を採用していますので、高額な遺産を相続した者に申告漏れがあった場合は追徴課税も高額になります。

したがって、富裕層が狙われやすいというのは事実としてあります。

ただし、高額な遺産がある申告書は複数の税理士がしっかりチェックしている場合も多いので、申告漏れが見つけにくい場合もあります。

逆に遺産総額1億円未満の申告書であっても特に預貯金等の内容が精査されていない申告は申告漏れや不正が見つけやすいので狙われてしまいます。

調査される時期は申告の翌年から2年後の7月~12月に集中

税務調査が入りやすい時期は、7月から12月に集中する傾向があります。

特に相続税の税務調査は時間がかかることが多いため、調査の連絡自体は10月末頃までに入る傾向があります。

また、申告の翌年から2年後くらいまでに入りやすい傾向があります。

ちなみに、7月から12月に相続税の税務調査が多い理由としては、1月から4月は確定申告などの事務が税務署内であることや、税務署の人事異動が7月にある等の内部事情が影響しています。

実際に税務調査が入りやすいケースとは?!

さて、税務調査が入りやすい傾向ベスト5は先ほどご説明しましたが、そもそも普遍的に税務調査が入りやすいケースについて、個別に説明していきます。

ケース①申告書に不備があるとき

大前提として、申告書に不備があると疑われる場合には税務調査が入りやすい傾向があります。

特に、税理士に依頼せずに申告書を作成している場合には、遺産が網羅的に把握されていないなど、不備があるケースが多く、税務調査が入りやすくなることが想定されます。

ケース②相続額が大きいとき

先ほど、被相続人が富裕層の場合は、税務調査が入りやすいという話をしましたが、当然、被相続人が富裕層の場合は、遺産総額が多くなります。

相続税の計算が累進課税を取っていることから申告漏れがあった場合の追徴の税額が大きくなる傾向があるため、税務調査は入りやすくなります。

ケース③相続財産に預貯金や現金が多い場合やその出入が激しかった場合

こちらも、先ほど説明した通りです。

生前や相続開始前に預貯金の出し入れが激しかった場合も、税務調査が入りやすくなる傾向にあります。

ケース④多額の借金があるのにそれに見合う相続財産が存在しない場合

多額の借金がある場合は、通常、担保などのそれに見合う相続財産が存在する可能性が高いため、相続税申告書上、相続財産が存在しないことになっていた場合には、相続財産が仮装隠蔽されている可能性も高まるため、税務調査が入りやすくなる傾向があります。

ケース⑤暦年贈与が多い場合

暦年贈与とは、毎月110万円まで贈与税がかからないという贈与税の基礎控除を利用し、毎年一定額を相続人になるであろう子などに贈与しておくことです。

この暦年贈与が多い場合は、正しく申告され、相続財産にも加算されていれば良いのですが、複数の孫などに110万円づつ贈与している場合、税務署も把握しきれていないため本当に贈与されているかも含めて確認するため税務調査が入りやすくなる傾向があります。

ケース⑥収入に見合わない預貯金等が相続人や家族にある場合

収入に見合わない預貯金等が相続人や家族にある場合は、これらの預貯金等は名義預金ではないかという疑いをかけられるため、税務調査のリスクが高くなります。

ケース⑦海外資産が多い場合

こちらも、先ほど説明した通りです。

海外資産が多い場合には、税務調査が入りやすくなります。

100万円を超える国外の送受金は金融機関により国外送金等調書を税務署に提出することになっていますので、このような送金等がある方は国外の財産があるのではないかという視点で見られています。

ケース⑧生前の所得が多額にあったにもかかわらず相続税の申告額が少ない場合

生前の所得が多額にあったにもかかわらず相続税の申告額が少ない場合には、税務調査が入りやすくなります。

ケース⑨被相続人がお金を稼ぐ職業(医者や弁護士)や役職者(社長や重役)だった場合

被相続人の職業や役職も、所得と連動するため、お金を稼ぐ職業や役職者は、税務調査が入りやすくなる傾向があります。

ケース⑩税理士に依頼せずに申告している場合

税理士に依頼せず申告している場合、申告書に不備がある可能性が高く、結果として税務調査のリスクが高まります。

ちなみに、税理士に依頼して相続税の申告をしている割合は8割と高いため、税理士に依頼していない人の方が少数派であることは理解しておいた方がよいでしょう。

ケース⑪相続税の申告をしていなかった場合(無申告の場合)

相続税の計算においては、障害者控除や未成年者控除などの税額軽減の特例があります。

これらの特例を利用した結果、相続税が0円になるような場合には、ルール上は相続税の申告は不要ですが、無申告の場合には、税務調査が入ってしまうことがあります。

したがって、現実的には障害者控除などを利用した結果、申告義務がない旨の回答を税務署に行っておくことが望ましいです。

国税OB岡本先生のOnePointアドバイス

ネットを見ていると、障害者控除などを適用した結果、相続人全員の相続税額が0円となる場合には相続税申告は不要と言い切っている記事が散見されます。

税法上は不要であることは間違いないのですが、現実的には、納税がない場合でも 、税務署からお尋ね文書が送付されている場合はその旨を記載し提出するか、税理士等を通じて税務署に障害者控除などの適用により申告義務がない旨の回答をしておくことが望ましいです。

もし納税が出るかギリギリのラインであれば申告しておくのも良いかも知れません

ケース⑫亡くなる直前に多額の引き出しがあった場合

こちらも、先ほど説明した通りです。

葬儀前に多額の引き出しがあった場合には税務調査に目をつけられやすくなります。

この場合も引き出した預貯金等は手持現金として申告しなければなりません。

税務調査されないための回避法、税務調査が入っても指摘されない方法とは

さて、ここからは税務調査のリスクを減らすための回避法や、指摘されないための対処法などを紹介していきます。

税務調査されたら9割が追徴課税を受ける

先ほどもお伝えしたとおり、税務調査が入った場合、9割と、高確率で追徴課税を受けることになります。

追徴課税を受けた場合は、本税以外にも、加算税や延滞税などもかかってきてしまいます。

このような高確率で追徴課税を受けるという実態を考えると、やはり税務調査が入らないように対策をとるべきと言えると思います。

方法①ミスや見落としがないように正確に申告する

まずは、基本的なことですが、ミスや見落としがないように正確に申告するのが大前提です。

うっかりミスであったとしても、追徴課税や、加算税、延滞税はかかってしまいます。

方法②被相続人の財産を網羅的に把握する

よくある指摘として、被相続人の財産が網羅的に申告されていないということがあります。

相続税の計算に含める相続財産には、不動産や預貯金以外にも手持現金や株式、ゴルフ会員権、車や貴金属のほか、法律上は相続財産とはならない生命保険金や3年以内に贈与を受けた財産なども含まれます。

また、逆に借入金などのマイナスの財産も存在します。

さらには、死亡保険金や死亡退職金というみなし相続財産と呼ばれるものや3年以内に贈与された財産、相続時精算課税制度で贈与された財産なども相続財産に含まれます。

このように亡くなられた日時点の情報だけで財産を確認しようとすると財産の把握漏れに繋がりますので、最低でも亡くなられた日から5年程度は遡って預貯金等の動きを確認し、相続財産になるものはないか確認していくことが必要です。

方法③生前贈与した場合には証拠をしっかりと残しておく

生前贈与があった場合に、ベストなのは贈与契約書を作ることでしょう。

通帳などで履歴が追える場合には、その履歴にメモするなどの簡易的な方法でも証拠にはなるでしょう。

方法④相続人とのやりとりを記録しておく

そもそも生前贈与に限らず、相続人と被相続人で何かしらの金銭や資産のやりとりをしている場合には、メモや契約書を残しておくことが重要になります。

方法⑤相続税に強い税理士に依頼する

相続税に強い税理士に依頼しておくのも非常に効果的です。

税理士の中には、相続税が専門外の税理士もいますし、あっても年間でも2~3件程度しか関与がないという事務所もあります。

相続税の申告は法人の決算などの期間収益計算に比べて独特な考え方をしますので、税務調査対策や節税は相続税に強い税理士に依頼するメリットは大きいです。

ちなみに、税理士に相続税の申告を依頼しておくと、ミスなくかつ調査を受けにくい正確な申告書作成ができることは当然ながら、書面添付制度を利用できることも大きなメリットです。

書面添付制度とは、税理士が作成等した申告書について、それが税務の専門家の立場からどのように調製されたかを法第33条の2の書面で明らかにするといった制度です。

また、この書面が添付されている申告書について税務調査を行う場合には、必ず事前に税理士と税務署員との間で意見交換の場を設けることになっています。この意見交換の中で問題が解決されれば税務調査を回避できるケースもあります。

実際に税務調査が入ってしまった場合の注意点や必要書類、準備などを流れに沿って解説

実際に税務調査が入ってしまったとしても、冷静に対応してください。

ここからは、税務調査が入ってしまった場合の注意点や必要書類、準備などの流れを説明していきます。

 ①調査の連絡が入る

まずは、税務調査の連絡が入ります。

税理士に申告を依頼していた場合には、基本的には税理士に直接連絡が入ります。

相続人自身が申告している場合には、相続人に連絡が入ります。

②必要な書類をそろえて準備する

まずは、申告書の内容を再確認しましょう。

また、もし不安があれば、相続税の申告書は相続人自らでやっていたとしても、調査のタイミングから税理士に入ってもらうことも可能です。

次に、財産の洗い出しを再度します。特に以下のような財産は見落とされがちです。

見落とされがちな財産

・タンス預金やへそくり

・名義預金

・美術品や骨とう品、宝石

・生命保険金

・人に貸していた未返済の貸付金や債権

・自宅所在地の市町村以外にある土地

・3年以内に生前贈与された財産

・相続時精算課税制度を適用した財産

最後に、申告内容を証明する資料をそろえましょう。

相続税申告の際に利用した資料の原本以外にも、通帳や土地の権利証などは必要になってきます。

③調査当日の流れと注意点

調査当日は、国税調査官が原則2人で訪問してきます。

調査は1日で終了することが多いですが、別日に再度調査が必要と判断されれば複数日にまたがることもあります。

多くの場合は被相続人の自宅で申告書を取りまとめた代表の相続人と担当税理士で出迎えます。

まずは、聞き取り調査がはじまります。

こちらは、税務署のマニュアルに基づいた質問をされます。

これらの質問は午前中に行われ、一旦中座し、午後から現物の調査がはじまることが多いようです。

揃えておいた資料は自ら差し出す必要はありませんが、見せてほしいと言われれば見せるようにしましょう。

また、金庫や部屋を見せてほしいと言われた場合も、原則拒否せず、調査官の心証を悪くしないようにしておきましょう

調査の結果、不審な点を質問されるとともに、不正等が疑われる場合はその内容を文書で記録し、署名を求められることがあります。

多くの場合、資料を持ち帰って後日検討した上で、その後に銀行などの反面調査が行われます

税務調査は17時ころまでに終わります。

④調査で聞かれやすい質問とは?

税務調査で聞かれやすい質問は以下です。

  • プロフィール(被相続人、相続人)

被相続人の出身地、職業、趣味など

被相続人の結婚歴や時期、家族構成など

相続人の出身地、職業、住まいなど

  • 家族について

被相続人の配偶者や子供の年齢、学校、職業

被相続人の配偶者や子供の財産状況

相続人の配偶者や子供の年齢、学校、職業

  • お金の流れについて

被相続人の収入源について

被相続人の相続財産をどうやって築いたか

被相続人と取引している金融機関や支店名

被相続人の出費の状況

被相続人の投資の状況

被相続人の贈与や寄付の状況

被相続人がつけていた家計簿などの状況

被相続人が亡くなったときの状況

被相続人にかかった介護費用や医療費の状況

被相続人の財産管理の状況

被相続人の印鑑の確認

被相続人が貸金庫を持っているかどうかの確認

相続人と取引している金融機関や支店名

相続人の投資の状況

相続人の自宅などの不動産の購入金額や売却金額

相続人が生前贈与を受けたことがあるかどうかの確認

相続人が貸金庫を持っているかどうかの確認

相続人と税理士の関係の確認

⑤調査されやすいもの(対象)や場所とは?

税務調査では、通帳などの書類の現物の確認のほか、金庫やタンス、倉庫や部屋の骨とう品などの確認がなされます。

したがって、部屋の隅々まで見られる可能性があるということは覚えておいたほうがよいでしょう。

⑥税務調査の終わり方とは?

税務調査の終わり方は3パターンあります。

・申告是認

これは、申告が正しく追加の税金がなかったと税務調査官が認めるパターンです。

この場合、税務署から連絡をもらって税務調査は何事もなく終わります。

・修正申告

税務調査が入った場合の多くは、このパターンで終わります。

税務調査官に相続税の漏れを指摘され、相続人もこの事実を認めて、自主的に申告を出しなおすというパターンです。

・更正・決定

これは、税務調査官が相続税の漏れを指摘するも、相続人がこれを認めない場合に、税務署が強制的に足りない額を更正するパターンです。

⑦納得がいかなければ不服申し立てをすることも可能だが・・

さきほどの、更正・決定は、納税者が納得できない場合、国税不服審判所というところに審査を請求することが可能です。

ただし、実際に納税者の意見が通ることは極めてまれなため、期待はしない方がよいでしょう。

税務調査で申告漏れなどを指摘された場合のペナルティとは?

さて、税務調査で申告漏れを指摘された場合に、追徴課税をとられるわけですが、それとは別に、ペナルティがあります。

実際にどのようなペナルティを受けるのでしょうか。

延滞税

延滞税は、期限までに納付がなかったことに関する、利息のようなものです。

こちらは、毎年変わりますが、基本的に金利の状況などをみて決まりますが、だいたい2%~5%程度で推移しており、直近の令和2年12月末時点では年2.6%と定まっています。

参考:国税庁HP

加算税(無申告加算税、過少申告加算税、重加算税)

加算税には、以下のような種類があります。

この加算税はいわゆる罰則のメインと考えてよいでしょう。

無申告加算税

無申告加算税は、期限までに申告をしなかったことに対する罰則です。

無申告加算税は税務調査前に自己申告で申告期限後提出した場合には、5%ですみますが、税務調査後ですと最大で20%程度もとられてしまいます。

過少申告加算税

過少申告加算税は、申告をしていたものの、相続税額が不足していたことに対する罰則です。

これは、税務署に指摘される(税務調査が入る)前に自主的に修正申告していた場合には、発生しません。

ちなみに、過少申告加算税は以下のような金額になります。

税務調査後に修正申告した場合 追加納税額の10%~15%
税務調査の通知後、税務調査が行われる前に修正申告した場合 追加納税額の5%~10%

重加算税

重加算税は、事実をごまかすなどの、仮装・隠蔽行為に対する罰則です。

重加算税は、35%(無申告の場合は40%)と非常に重い罰則がかかります。

ちなみに、重加算税がかかる場合には、無申告加算税や過少申告加算税はかかりません。

刑事罰

刑事罰に発展するケースはそうそうありませんが、それこそ先ほど出てきた強制捜査が入るような、いわゆる「マルサ」と呼ばれる国税局査察部の職員がきたような場合には、刑事罰に発展する可能性もあります。

税務調査や相続税についてのその他の注意点や知っておきたいこととは

税務調査や相続税について、その他の注意点や知っておきたいことをまとめました。

相続税の節税対策は相続が起こる前からコツコツ行っておくことが大事

相続税対策は、被相続人の生前からコツコツ行っておくことが非常に重要です。

よくある手法として、生前贈与を活用する方法や、生命保険を活用する方法などがあります。

国税OB岡本先生のOnePointアドバイス

節税対策には人それぞれになりますが、法律すれすれの節税対策はリスクが伴いますのであまりお勧めしません。

借入金をして貸家を建てて評価を下げる方法もかなり浸透している節税方法ですが、借入金返済リスクや空室リスクを伴います。

金融商品を利用した節税方法も今後は法律や通達改正により、網が掛けられ節税メリットが狭められる可能性もあります。

確実な節税方法はやり尽くされた方法ですが、生命保険契約の非課税枠の利用や生前贈与だと思います。

ちなみに贈与税は相続税の補完税を言われています。

絵画や骨とう品にも相続税がかかるため注意

先ほどから、たびたび出てきてはいますが、相続税が発生しないと見逃されがちな遺産の一つが、絵画や骨とう品です。

十分注意してください。

相続税の時効は5年または7年

相続税の申告をしないことや脱税行為は決して許されるものではありません。

ただし、相続税の申告には時効が存在します。

厳密には除斥期間とよび、この期間を経過すれば完全に申告義務や指摘されるリスクがなくなります。

この期間は、故意に財産を隠蔽していたような場合は7年、故意や重過失がなかった場合は5年です。

相続税の申告や税務調査対応は税理士に依頼すべき

相続税の申告や税務調査対応は税理士に依頼すべきと言えます。

その理由を解説します。

税理士に依頼すると何をしてくれる?どんなメリットがある?

税理士に依頼することでできることは様々ですが、大きく分けて2つあります。

税理士ができること

・生前からやっておくべき節税対策を教えてもらえる

・相続税の申告書作成をしてもらえる

ついつい、相続税の申告だけを税理士に依頼しようと思いがちですが、実は、生前からやっておくべき節税対策を税理士に教えてもらうことも非常に重要です。

いざ相続が開始してからでは、相続税対策を行うことはほとんどできません。

税理士に依頼するメリットも紹介します。

税理士に相談するメリットは、ずばり、以下の4つです。

税理士に依頼するメリット

① 相続税の申告をミスなくかつ調査を受けにくい正確な申告書作成が行えること

②相続税の申告の手間が省けること

③相続税の節税が行えること

④書面添付制度を利用して税務調査のリスクを回避すること

相続税の節税に関して言えば、例えば、不動産の相続税評価額の計算は実は、様々な方法や特例があり、それらを組み合わせることで、相続税評価額を大きく下げられる可能性があるケースが多々あります。

この相続税評価額の計算が得意な税理士に依頼するのが非常に重要です。

相続税評価額の算定のタイミングこそが最も税理士に依頼することで節税につながる可能性が高くなるタイミングといえると思います。

また、書面添付制度についても、あまり聞きなれないかもしれませんが、税務調査のリスクを回避するという意味では、侮れません。

ちなみに、書面添付制度とは、税理士が作成等した申告書について、それが税務の専門家の立場からどのように調製されたかを法第33条の2の書面で明らかにするといった制度です。

また、この書面が添付されている申告書について税務調査を行う場合には、必ず事前に税理士と税務署員との間で意見交換の場を設けることになっています。この意見交換の中で問題が解決されれば税務調査を回避できるケースもあります。

税理士の相場は遺産総額の1%程度

税理士の報酬は遺産総額の1%程度が相場になります。

また相続財産の内容や相続人の数、申告期限までの期間によって幅が生じます。

ただし、税理士によってもまちまちですので、一度税理士に見積もりをもらうことからスタートすれば特に問題ないでしょう。

どんな税理士に依頼すべきか?

やはり相続税に強い税理士に依頼すべきということは言えます。

法人税や消費税、所得税に強い税理士は多いですが、相続税に強い税理士はあまり多くありません。

税理士だったら誰でも良いというわけではありませんので、注意しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。税務調査は入らないように、事前にしっかりと準備しておくことが肝心です。

また、税務調査が入ったとしても慌てず、しっかりと事前準備をすることで、税務調査で指摘されにくくすることが重要です。

国税OB 岡本先生

国税OB 岡本先生

国税OB 岡本先生

税理士・行政書士

大学卒業後、平成7年に名古屋国税局に入局後、東海4県下の各税務署及び国税庁税務大学校などの勤務を経て早期退職し、令和元年9月に税理士事務所を開業。

国税組織の中では主に資産課税部門に従事し、数多くの相続税や譲渡所得の調査等に携わってきた経験から、資産課税の実務及び税務調査の立ち会い等を得意分野とする。

岡本篤典税理士・行政書士事務所

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  • この記事を書いた人
篠 昌義(公認会計士/税理士)

篠 昌義(公認会計士/税理士)

株式会社相談室代表取締役。有限責任監査法人トーマツで大企業から中小企業までの監査やコンサルティング、税理士法人で大企業の法人税から個人の所得税まで幅広く実務を担当したのち、自身も経営者としてシェアリングテクノロジー株式会社(東マ:3989)の取締役CFOから代表取締役まで幅広く経験。東証マザーズ上場の責任者を務めるだけでなく、上場後の事業推進、資金調達、M&A、組織改革などを幅広く企業拡大を牽引。 詳しい経歴・プロフィールは当メディアの運営者情報をご覧ください。

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