相続

【国税OB・税理士監修】相続税の時効は5年または7年!時効を過ぎたら相続税の支払いを逃げ切れるのか?! 

相続税の時効は5年。逃げ切れるのか?

相続税には時効があるのをご存知でしょうか。

相続税の時効は原則5年、悪質な場合は7年となっています。

では、時効を過ぎるまで、相続税の支払いを逃げ切ることはできるのでしょうか。

この記事のまとめ

・相続税の支払いは時効を過ぎて逃げ切れるというものではない(税務調査が相当厳しい)

・相続税の時効はよほどのことがない限り5年

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ちなみに、相続税の税務調査率は20%を超えており、相続税申告を税理士に依頼している人は8割以上にのぼります。

相続税については自分ひとりで申告しようと考えるのは危険と言わざるをえません。

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目次

相続税の時効ってそもそも何?

相続税には時効があります。

厳密には、除斥期間とよび、税務署が相続税の申告期限から一定期間、納税者に相続税の請求をしなければ、納税者は納税する義務を免れるというものです。

相続税の時効をすぎたら相続税は払う必要が一切なくなる?!

相続税の時効をすぎたら、相続税は払う必要が一切なくなります

相続税の時効(除斥期間)はなぜ存在しているのか?

相続税の時効(除斥期間)は、権利関係の速やかな確定を趣旨としています。

この時効(除斥期間)がなければ、後々になって、問題が生じるなどというケースがあった場合に、遠い過去にさかのぼって確認をする必要がでてしまいます。

これを避けるために、相続税の時効(除斥期間)は存在しているのです。

相続税の時効を狙って、逃げ切りをはかるのはありなのか?!税務調査は甘くない?

では、相続税の時効を狙って、相続税の支払いを免れようとする行為は、可能なのでしょうか。

結論からいうと、そんな甘い考えは通用しないと言えます。

相続税について、税務署はしっかりと確認しています。

簡易なものも含めると、相続税申告者のうち20%は税務調査が入るというデータもありますし、相当税務署は相続税については厳しく見ているということを改めてお伝えします。

なので、まず時効を狙って相続税の支払いがバレないように逃げ切ろうなどという考えは通用しないということを覚えておきましょう。

悪意のある場合は7年?悪意のある場合とは?!

相続税の時効は原則5年、悪質な場合(悪意のある場合)は7年という話をしました。

では、この悪質な場合(悪意のある場合)とはどういった場合をさすのでしょうか。

悪質な場合(悪意のある場合)とは、ずばり、故意や重過失がある場合です。

したがって、相続税の時効は、無申告あるいは過少申告であることに対して、故意や重過失がある場合は7年までとなってしまうということです。

ちなみに、この故意や重過失というのは、例えば明らかに知っていたのに隠していたような仮装隠蔽行為(故意)、うっかりミスなどではなく、どう考えても通常であればわかっていたであろうと考えられると思われる重過失などをイメージしてもらえばわかりやすいかと思います。

国税OB岡本先生のOnePointアドバイス

無申告というのは、いわゆる何もしていない状態ですので、申告書を提出している場合より「仮装・隠蔽」行為を立証することが難しくなります。

例えば、相続税の知識がなく、申告書が必要とは思わなかった、忙しくて申告する準備時間が無かった、などなんとで言い逃れできてしまいます。

ただし近年では税務署も無申告の事案に積極的に重加算税を賦課するようになってきています。

例えば財産目録を作成し、相続税の試算をしていたり、銀行や農協などで主催している相続セミナーなどに出席している事実などがあれば、税知識や申告義務の認識を有していたと見なされ、重加算税を賦課されるケースも増えてきています。

時効計算における起算日は相続開始時ではない!

時効期間の計算における起算日は、相続税申告期限の翌日です。

したがって、相続開始を知った時から、5年10か月後、もしくは7年10か月後が相続の時効となります。

時効計算における起算日は、相続開始時ではないので注意しましょう。

相続税の無申告、過少申告のペナルティ(追徴課税)は?

ここからは、相続税の無申告、過少申告があった場合のペナルティについて解説していきます。

延滞税

延滞税は、以下のような場合に発生します。

延滞税の発生条件

(1) 申告などで確定した税額を法定納期限までに完納しないとき。

(2) 期限後申告書又は修正申告書を提出した場合で、納付しなければならない税額があるとき。

(3) 更正又は決定の処分を受けた場合で、納付しなければならない税額があるとき。

したがって、相続税についていえば、相続開始を知った日から10か月が法定納期限となりますので、そこまでに相続税を完納していなかった場合には、延滞税がかかります。

また、期限後申告書や修正申告などによって、支払っていなかった相続税が後々発覚した場合であっても、延滞税が発生します。

ちなみに、延滞税の税率は、2か月までは低いですが、2か月を超過した場合には、大きく上がるような設計になっています。

具体的には、以下のように延滞税の税率は定まっています。

延滞税の税率

(令和3年1月1日から12月31日まで)

納期限の翌日から2月を経過する日まで:年2.5%

納期限の翌日から2月を経過した日以降:年8.8%

国税OB岡本先生のOnePointアドバイス

皆さんがよく誤解しやすい点ですが、ここでいう納期限は期限後申告や修正申告を提出した場合は、その提出した日からカウントします。

例えば申告期限から1年経過した後に税務調査等により期限後申告を提出した場合、提出直後に納税出来れば通常の税率ですが、期限後申告を提出後2ヶ月納付がないと税率が上がります。

無申告加算税

無申告加算税は、期限までに申告をしなかったことに関する罰則です。

無申告加算税は税務調査前に自己申告で申告期限後提出した場合には5%ですみますが、税務調査後ですと最大で20%程度もとられてしまいます。

過少申告加算税

過少申告加算税は、申告をしていたものの、相続税額が不足していたことに対する罰則です。

これは、税務署に指摘される(税務調査が入る)前に自主的に修正申告していた場合には、発生しません。

ちなみに、過少申告加算税は以下のような金額になります。

過少申告加算税

・税務調査後に修正申告した場合

追加納税額の10%~15%

・税務調査の通知後、税務調査が行われる前に修正申告した場合

追加納税額の5%~10%

重加算税

重加算税は、事実をごまかすなどの、仮装・隠蔽行為に関する罰則です。

相続申告期限までに財産目録を作成し、相続税の申告の必要性があることを認識しつつ、申告していないと認められる場合は無申告の重加算税を賦課されてしまう場合があります。

重加算税は、35%(無申告の場合40%)と非常に重い罰則がかかります。

刑事罰

刑事罰に発展するケースはそうそうありませんが、それこそ先ほど出てきた強制捜査が入るような、いわゆる「マルサ」と呼ばれる国税局査察部の職員がきたような場合には、刑事罰に発展する可能性もあります。

時効についてよくある間違いや注意点とは?

ここからは、時効についてよくある間違いや注意点などをご説明していきます。

相続税の時効の中断は存在するのか?確定申告などの税金関係にそもそも時効という考え方はない?!

相続税の時効は厳密にいうと除斥期間というと話をしました。

時効と除斥期間の違いとして重要なものがあります。

それは、時効には存在する中断という概念は、除斥期間には存在しないということです。

例えば、AさんがBさんにお金を貸している時に、その貸付の時効は、時効が訪れる前にAさんがBさんに催告した場合やBさんが借金を認めた場合などは、時効が「中断」します。

「中断」というと時効がストップすると考えてしまいがちですが、法律上、「中断」はリセットされると考えます。

このような考え方は、除斥期間にはありません。

したがって、どんなことがあろうと7年経てば、相続税を請求されることはないということです。

生前贈与が8年前に行われていたら、相続の時効が成立?!名義預金に注意!

時効が7年という話をしましたが、生前贈与が8年前に行われていた場合も、7年を超えているから時効が成立していると考える方もいるかもしれません。

しかし、相続人等に多額の資金異動があるにも関わらず贈与税の申告が無い場合は「過去の贈与で申告を失念していた」という主張はなかなか通りません

このような場合は、実質的には、貸付であったのではないか、あるいは名義だけ相続人となっているが実質的には被相続人の預金(いわゆる名義預金)だったのではないかと税務署は指摘してきます。

国税OB岡本先生のOnePointアドバイス

国税組織では様々な税目がある中でも相続税は課税の最後の砦という考え方を持っています。

つまり、故人が所得税や法人税などで課税逃れをしていても、遺産として残された最後の溜まりは見逃さないという姿勢です。

よって亡くなった時点でどれだけの財産が残っているかというよりは、生前から財産がどのように蓄積され推移してきたかを確認します。

例えば現役時代の稼ぎがどれくらいで、いつ退職金を貰ってどのように運用してきたかのように時効と思われる過去の出来事にも注目して様々な資料を蓄積しています。

被相続人と相続人が日本を離れて10年経過したら、相続税の納付義務がなくなる?!

少しマニアックな話ですが、被相続人と相続人がともに日本を離れて10年を経過していた場合は、そもそも日本での相続税の納付義務がなくなるという記事が時たまありますが、それは間違いです。

このような場合、制限納税義務者となり、国内財産のみ課税されることとなります。

国外に財産を全て移転してしまえば、納税義務がなくなりますが、これを防止するため国外転出時課税という制度も設けられています。

ちなみに、外国に住む外国人が日本に不動産等を持っていた場合も、制限納税義務者となり、日本での納税義務が発生します。

この場合の申告書の提出先は麹町税務署になります。

相続税の還付手続きも5年の時効がある?!

相続税を払いすぎていたことを発覚した場合には、更正の請求という方法により、払いすぎた相続税の還付を請求することができます。

ただし、この還付についても、5年という時効が存在します。

十分に注意しましょう。

申告漏れの財産が申告期限(納付期限)後に見つかったらどうすべき?

申告漏れの財産が申告期限後に見つかった場合は、どうすれば良いのでしょうか。

その場合には、税務署に指摘を受ける前に自主的申告するようにしましょう。

もし、税務署の指摘を受ける前に申告できたとしたら、延滞税のみですみますが、税務署の私的を受けた後に申告した場合には、過少申告加算税が課せられる可能性があります。

相続税の税務調査とは?

ここからは、相続税の税務調査について説明していきます。

税務署が無申告者をつきとめる方法とは?

さて、相続税の時効を狙って、逃げ切れるということはまずないという話をしました。

税務署は役所からの死亡届の情報で死亡の事実を確認し、過去の納税情報からその死亡した人(被相続人)がどの程度の稼ぎがあり、どの程度の貯蓄がありそうかどうかをだいたい把握しています。

その貯蓄に対して相続税の申告額がどの程度かを確認するわけです。

これだけで、だいたい大まかに無申告かどうかは把握できてしまいます。

また、それ以外にも、相続開始前後の預貯金の動きなど、細かなチェックを税務署はします。

なので、まず相続税申告のごまかしは効かないと思っておいた方がよいでしょう。

税務調査が入る時期は?

税務調査が入りやすい時期は、7月から12月に集中する傾向があります。

特に相続税の税務調査は時間がかかることが多いため、調査の連絡自体は10月末頃までに入る傾向があります。

また、申告の翌年から2年後くらいまでに入りやすい傾向があります。

ちなみに、7月から12月に相続税の税務調査が多い理由としては、1月から4月は確定申告などの事務が税務署内であることや、税務署の人事異動が7月にある等の内部事情が影響しています。

相続税対策はどのように行うべき?!

相続税の時効切れを待つようなそんな運だのみな税金逃れはやるべきではありません。

ただし、節税対策として、合法的に相続税対策を行うことは非常に有効です。

ここからは相続税対策をお伝えします。

生前贈与により相続財産を減らす!贈与税は支払っておいた方がいい?!

生前贈与により、相続財産を減らすことで、相続税を減らすという方法は非常に有効かつ一般的に広く使われている相続税対策です。

相続税、贈与税ともに、相続する額、贈与する額が高いと、税率があがるといった累進課税を採用しています。

ですので、できる限り相続する額を減らし、生前贈与にちらしておくことで、両者の税率を下げるといった方法がこの節税方法になります。

現金を不動産に変えて相続税負担を軽減する

現金を不動産に変えると、その不動産の相続税評価額が相続財産の額となります。

これをうまく利用して、不動産に変えておくといった方法も時には有効です。

ただしこの方法は、不動産評価額をどのように算定するのかなど事細かな税務の知識を合わせて利用しないと、逆に損をすることになりかねませんので、注意しましょう。

国税OB岡本先生のOnePointアドバイス

タワーマンションを利用した節税は、現在はやや沈静化しているものの、ここ数年よく利用されている方法です。

タワーマンションの場合、一般的に高層階の方が売出し単価は高くなりますが、固定資産税評価額は建物構造により一律になるため、高階層ほど節税となるといったものです。

さらに、他者に貸し付けると不動産所得が得られる上、建物は貸家評価、敷地部分も貸家建付地となるほか、貸付事業用宅地として小規模宅地等の特例も使える可能性があります。

このような様々な要素を加味すると節税効果が非常に高くなってしまうため、国税は行き過ぎた節税として「待った」をかけた形になりました。

相続税の節税のために不動産を購入する場合には慎重な検討が必要になります。

生命保険などを活用する

これもよく使われている方法ですが、生命保険を利用すれば、相続税対策ができます。

生命保険金には法定相続人1名に対し500万円までの非課税枠というものがあり、それを利用することで課税財産を減らすことができるというわけです。

更に生命保険金は保険契約上の受取人が有する固有の権利であり、遺産分割が必要な相続財産ではないため、契約により受取人を指定することで遺言書のような役目を果たすこともできます。

このように金融財産が少ない場合は生命保険金を利用して納税資金や代償金に充てるなどすることで、遺産分割を円滑に進めることも可能になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

相続税に時効は存在しますが、時効を利用して脱税しようなどという甘い考えはやめておきましょう。

国税OB 岡本先生

国税OB 岡本先生

国税OB 岡本先生

税理士・行政書士

大学卒業後、平成7年に名古屋国税局に入局後、東海4県下の各税務署及び国税庁税務大学校などの勤務を経て早期退職し、令和元年9月に税理士事務所を開業。

国税組織の中では主に資産課税部門に従事し、数多くの相続税や譲渡所得の調査等に携わってきた経験から、資産課税の実務及び税務調査の立ち会い等を得意分野とする。

岡本篤典税理士・行政書士事務所

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  • この記事を書いた人
篠 昌義(公認会計士/税理士)

篠 昌義(公認会計士/税理士)

株式会社相談室代表取締役。有限責任監査法人トーマツで大企業から中小企業までの監査やコンサルティング、税理士法人で大企業の法人税から個人の所得税まで幅広く実務を担当したのち、自身も経営者としてシェアリングテクノロジー株式会社(東マ:3989)の取締役CFOから代表取締役まで幅広く経験。東証マザーズ上場の責任者を務めるだけでなく、上場後の事業推進、資金調達、M&A、組織改革などを幅広く企業拡大を牽引。 詳しい経歴・プロフィールは当メディアの運営者情報をご覧ください。

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