相続

【弁護士監修】相続人の範囲や相続順位、相続割合はどうやって決まるの?!法定相続で遺産をもらえる人は決まっている?!

親族がなくなった場合、自身は相続人になるのでしょうか。

自身が相続人になるとして、自身の相続割合はどれくらいでしょうか。

今回は、相続人の範囲について、詳しく解説していきます。

この記事のまとめ

・法律で定められたいわゆる法定相続人の範囲は、配偶者、子、親、兄弟

・子がいる場合は親、兄弟は法定相続人になれず、親がいる場合は兄弟は法定相続人になれない

・法定相続人がもらえる相続割合(法定相続分)は、配偶者が1/2or2/3or3/4、子(1/2)、親(1/3)、兄弟(1/4)となる

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目次

そもそも法定相続というものが民法上でなぜ定められているの?!

ドラマや映画においては、亡くなった人の遺産を巡って骨肉の争いが繰り広げられる場面がみられます。

もし、相続人を被相続人が自由に決められるとすれば、親族間での遺産を巡る争いが今以上に増えることになるかもしれません。

相続に関する基本的なルールを法律で定めておくことによって、このようなことは、ある程度、回避できると言えそうです。

法定相続人や法定相続分、被相続人って何?!

 法定相続人とは、民法が定めた法律上の相続人のことを言います。

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法定相続分とは、相続分の指定がない場合にそなえて、民法が定めた相続分のことをいいます(民法900条,901条)。

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被相続人とは、相続財産を残して亡くなった人のことをいいます。

相続される遺産の範囲は不動産などの資産価値のあるものすべて!!

相続人は、相続が開始すると、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します(民法896条)。

この「一切の権利」とは、個別の動産・不動産などの権利、債権・債務、財産法上の法律関係ないし法定地位などのすべてが含まれます。

相続の開始は必ずしも自然死による場合だけとは限らない?!

 民法は、次の要件に該当する場合、人を死亡したものとみなして財産関係や身分関係につき、死亡の効果を発生させます(民法30条,31条)。

これを失踪宣告といいます。

  • 不在者の生死が7年間明らかでないとき
  • 戦場に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後、又はその他の危難が去った後1年明らかでないとき

また、失踪宣告と類似の制度として、認定死亡があります。

認定死亡とは、海難事故、航空機事故、震災、火災などによって死体の確認をできないが、死亡の蓋然性が極めて高い場合には、戸籍に死亡が記載されるものです。

このように失踪宣告及び認定死亡の場合にも、相続が開始します。

法定相続人の範囲は?!

民法は,被相続人との間に一定の身分関係を有する者を、相続人と定めています(民法887条~890条)。

相続人には、被相続人の配偶者と、被相続人の血族がなります。

配偶者は常に法定相続人になる?!

配偶者は、常に相続人になります(民法890条)。

法定相続の順位とは?!

相続の際、血族には順位があり、先順位にランクされる血族相続人が存在しないときにはじめて、後順位の血族相続人が法定相続人とされています。

第1順位の相続人は、子です。

第2順位の相続人は、直系尊属です。親等の異なる直系尊属間では、親等の近い者が相続資格を取得し、それ以外の直系尊属は相続資格を取得しません。

第3順位の相続人は、兄弟姉妹です。

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孫は代襲相続の場合を除いて相続できない!

以上のとおり、法定相続人は、子、直系尊属、兄弟姉妹ですので、孫は相続人ではありません。

もっとも、孫は、子がいないときに場合に代襲相続により、被代襲者である子の相続分を相続することになります。

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法定相続人は戸籍謄本で確認できる

相続人を確定するには、戸籍謄本を確認するのが有効です。

被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍を確認することで、被相続人の相続関係が明らかになります。

法定相続の範囲における注意点とは?!

遺言書がない場合、民法の規定にしたがって、遺産分割をすることになります。

遺産分割をするにあたっては、相続人等につき注意すべき点を解説します。

義理の関係にあたるいわゆる姻族は法定相続人にはなれない

相続人には、被相続人の配偶者と、被相続人の血族がなります。

血族ではない、姻族については相続権が認められていません。

法定相続人が相続放棄した場合は範囲から除外される?!

相続放棄は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます。

ですので、相続放棄をした相続人は、当該被相続人の相続から除外されます。

遺産放棄と相続放棄の違いに注意?!

遺産放棄とは、相続人間の遺産分割協議の中で,遺産を相続せずに放棄し、その内容の遺産分割協議書を作成することをいいます。

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相続放棄とは、相続人が相続開始による包括承継の効果を全面的に拒否する意思表示であり、家庭裁判所に対して申し立てることによって行うものをいいます。

いずれも被相続人の財産を相続しないという意味で共通点があります。

しかしながら、遺産放棄は、遺産分割協議の中で意思表示をすれば足りるのに対し、相続放棄は、家庭裁判所に対し申述をする必要があります。

内縁の妻との間にいる子供は認知されていれば法定相続人になる?!

子とは、分娩の事実、嫡出推定又は認知や、養子縁組によって被相続人との間に法的親子関係が成立した子のことです。

ですので、内縁の妻との間で生まれた子は、認知がされていれば相続人になります。

前妻や前夫、その人との間に生まれた子は法定相続人になれるの?!

被相続人の子は、相続人になります。

これは、前妻や前夫の子は、親が離婚したとしても親の子であることは変わりません。

ですので、前妻や前夫との子も、法定相続人になります。

養子縁組でも遺産相続は可能?!

養子は、縁組の日から養親の嫡出子としての地位を取得します(民法809条)。

ですので、養子は、養親の相続の際、相続人になります。

法定相続人が生死不明の場合はどうすればよいの?!

相続が発生した場合、遺言書がなければ、遺産分割協議を行うことになります。

この遺産分割協議は、相続人全員で行わなければなりません。

相続人が1人でも欠けた場合、遺産分割協議は無効になってしまいます。

ですので、行方不明であるからといって、行方不明者を無視して遺産分割協議を進めてはいけません。

このような場合、失踪宣告の手続を検討することになります。

相続欠格や相続廃除の対象者は法定相続人にはなれない

相続人となる一般的資格を認められている者であっても、相続秩序を破壊するような非行をした者は、当事者(被相続人)の意思や意向を問うことなく、法律上当然に相続資格がはく奪され、相続権を失います。

これを、相続欠格といいます。

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相続欠格事由ほど重大な非行ではないが、被相続人からみて、自己の財産を相続させるのが妥当ではないと思われるような非行や被相続人に対する虐待・侮辱がある場合に、家庭裁判所に申立てを行い、被相続人の意思に基づいて、その相続人の相続資格を剥奪するこができます。

これを相続廃除といいます。

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相続欠格又は相続廃除は、被相続人の相続資格を剥奪する結果、相続人にはなりません。

法定相続人がいない場合は、最終的に国庫にいく

被相続人に相続人がいない場合、相続財産管理人を選任します。

相続財産管理人は、相続債権者や受遺者に対する支払いや特別縁故者への財産分与の申立ての審判が確定し、なお財産が残る場合には、国庫に帰属することになります(民法959条)。

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相続人が未成年の場合は代理人が必要?!

未成年者であったとしても、相続人になることは妨げられません。

ですので、父と母と子がいるケースで、父が亡くなった場合には、母と子が相続人となります。

もっとも、未成年者は、子の父ないし母の親権に服します(民法818条)。

このとき、配偶者が未成年者である子を代理することは利益相反関係となってしまいます。

そのため、子が未成年の場合には、家庭裁判所に申し立てて、未成年者の特別代理人を選任してもらうことになります。

胎児も相続人になる?!

民法3条1項は,「私権の共享は,出生に始まる。」と定めています。

ですので、胎児は、相続開始時において権利能力を有しないため、被相続人の権利義務を承継できないはずです。

しかしながら、これでは胎児に不公平かつ不利益となります。

そのため、民法では,原則として胎児は権利主体ではないとしつつ、相続の場合には,胎児を特別に「生まれたものみなし」て相続権を保障しています。

【まとめ】遺産相続できそうでできない人

民法は,被相続人との間に一定の身分関係を有する者を、相続人と定めています(民法887条~890条)。

相続人には、被相続人の配偶者と、被相続人の血族がなります。

【図解】具体的な事例において、法定相続分はどのような割合になるのか

相続において、配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹の相続分がどのような割合になるのか、具体的な事例をもとに解説します。

子供や孫などの直系卑属が法定相続人となるケース

【事例1】

あなたには、配偶者がいます。

あなたには、配偶者との間に子が2人います。

【解説】

配偶者の法定相続分は2分の1です

子の法定相続分は、4分の1ずつです。

 

【事例2】

あなたには、子が2名います。

あなたには、配偶者がいません。

【解説】

子が数人いた場合には、均等に法定相続分が分けられます。

子の法定相続分は、2分の1ずつです。

親や祖父母などの直系尊属が法定相続人となるケース

【事例3】

あなたには、配偶者がいます。

あなたには、配偶者との間に子がいません。

あなたの母は、すでに亡くなっていますが、父は、今も元気です。

【解説】

配偶者の相続分は、3分の2です。

父の相続分は、3分の1ずつです。

 

【事例4】

あなたには、配偶者も子もいません。

あなたの父母は、現在も元気です。

【解説】

父母の相続分は、2分の1ずつです。

兄弟姉妹が法定相続人となるケース

【事例5】

あなたには、配偶者がいます。

あなたには、配偶者との間に子がいません。両親もすでに亡くなっています。

あなたには、兄が1名います。

【解説】

配偶者の法定相続分は、4分の3です。

兄の法定相続分は、4分の1です。

 

【事例6】

あなたには、配偶者、子、両親がいません。

あなたの兄は、あなたと両親が同じです。

あなたの姉は、あなたと父のみ同じです(あなたと姉の母親は、別の人である。)

【解説】

あなたの兄は、3分の2です。

あなたの姉は、3分の1です。

あなたと兄は、両親が同じですので、全血兄弟姉妹になります。

しかし、あなたと姉は、父親は同じですが、母親が異なるため半血兄弟姉妹にあたります。

ですので、半血兄弟姉妹である姉の相続分は、全血兄弟姉妹の兄の法定相続分の2分の1です(900条4号ただし書き)

相続人発見フローチャート

配偶者は、常に相続人となります。

NO                                        NO

子がいるか  →  両親(いずれか一方でも可)が健在か  →  兄弟がいるか

YES ↓           YES ↓              YES ↓

相続人            相続人              相続人

法定相続を考える上で遺留分には注意?!

民法は、一定の相続人に対して、遺留分を保障しています。

この遺留分について解説します。

遺留分とは?!

遺留分とは、一定の範囲の相続人に対して、一定割合の財産の相続権を保障するものです。

【弁護士監修】相続において遺言書が絶対ではないって知ってましたか?!遺留分の存在に注意せよ!

遺言者は、遺言書を作成することによって、法定相続分ではなく、遺言者の意思通りに財産を譲り渡すことができます。 もっとも、遺言書を作成した場合でも、相続人の遺留分まで侵害することはできません。 今回は、 ...

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遺留分が認められるのは兄弟姉妹以外の法定相続人

遺留分権利者は、被相続人の配偶者、子、直系尊属です。

子の代襲相続人も、被代襲者である子と同じ遺留分を持ちます。

一方、兄弟姉妹には、遺留分はありません。

遺留分の計算方法とは?!

遺留分額は、遺留分の基礎となる財産に、遺留分割合をかけることによって算出されます。

例えば、父、母、子2人の家族において、父が亡くなり、母に全ての財産を相続させる旨の遺言を残した場合で、遺留分の基礎となる財産が8000万円とします。

この場合には、子1人の遺留分割合は、総体的遺留分1/2×法定相続割合1/4の1/8となります。

したがって、遺留分は、

遺留分の基礎となる財産8000万円×個別的遺留分1/8=1000万円となります。

遺留分を侵害された場合には、遺留分侵害額(減殺)請求を行う!

遺留分を侵害された相続人は、受遺者や受贈者に対して、遺留分侵害額相当の金銭の支払を請求することができます。

遺留分侵害額請求の概要と対処法
【相続特化弁護士監修】遺留分侵害額(減殺)請求の概要から方法まで徹底解説

私のパパの財産よ!当然ひとり娘の私にはもらう権利があるわ! とはいえ「私に全財産譲る」と遺言書にあるからね あなたは愛人であって、うちの家とはまったく関係ないでしょ!この、この…!! ちょっと、ちょっ ...

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遺留分侵害額請求と遺留分減殺請求との違いは?!

遺留分減殺請求権は、民法が改正される前の制度です。

遺留分減殺請求は、遺贈や贈与がなされた場合に、その遺贈や贈与自体について、遺留分を侵害する限度において失効させるものです。遺留分減殺請求の結果、受遺者・受贈者が取得した権利は、遺留分を侵害する限度で当然に遺留分権利者に帰属することになります。

その結果、遺贈や贈与の目的物は、受遺者・受贈者と遺留分権利者が共有となることもよくありました。

もっとも、共有状態になってしまうことは、共有関係解消をめぐって新たな紛争を生じさせてしまうとの指摘もありました。

そこで、民法が改正され、遺留分減殺請求権は、遺留分侵害額請求権となりました。

遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が、遺留分権の行使をすることによって、受遺者又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できるというものです。

遺留分侵害額(減殺)請求権は1年で時効をむかえるため注意!

遺留分侵害額請求は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺請求すべき贈与又は遺贈のあったことを知った日から1年で、時効により消滅します(民法1048条前段)。

1年の間に、遺留分侵害額請求をするか否かを決断し、相手方に意思表示する必要があります。

法定相続人以外に遺産を相続したい場合はどうすればよいの?!

被相続人が、法定相続人以外の者に遺産を相続させる方法は、遺言及び生前贈与があります。

この遺言及び生前贈与について解説します。

遺言を利用する方法

遺言書がある場合、遺言書に記載された内容を実現させることができます。

これは、法定相続分ではなく、遺言者の意思通りに遺産分割をすることができます。

ですので、法定相続人以外の第三者(受遺者)にも財産的利益を与えることができます。

生前贈与を利用する方法

遺言によって、被相続人が死亡した後、遺言書に記載された内容を実現させることができます。

もっとも、被相続人は、自身が亡くなる前に、財産を贈与すれば、被相続人の死亡時に当該相続財産はなくなります。

ですので、法定相続人以外の第三者にも財産を与えることができます。

受遺者がいる場合は、法定相続分がかわる?!

受遺者がいる場合、法定相続分が変化します。この法定相続分の変化について解説します。

受遺者とは遺言により財産を受け取る人

受遺者とは、遺贈によって相続財産を与えられた者です。

遺贈とは、被相続人が遺言によって無償で自己の財産を他人に与える処分行為です(民法964条)。

遺書により指定された受遺者って何?!受遺者と相続人の違いとは?受遺者でも相続税申告は必要?!受遺者について徹底解説!!

亡くなった親族の遺言を読んだとき、相続人以外の人(=受遺者)に財産を残すように書かれていることがあります。 このような遺言が出てきた場合、親族としては、どう振舞えばよいのでしょうか。 また遺言執行者か ...

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受遺者がいる場合は、財産の遺贈が生じる

遺産の全部又は一部は、遺贈の効力発生と同時に当然に、受遺者に移転します。

受遺者が存在する場合は法定相続分はどうなる?!

遺贈により、相続財産は、受遺者に当然に移転します。

ですので、法定相続人は、遺贈された財産を控除した残額を法定相続分に従って分割することになります。

相続人や受遺者を把握するための手続きとは?!

相続手続にあたって、相続人の調査、遺言書の調査が必要になりますので、これについて解説します。

遺言書の調査、検認

受遺者の有無を確認するためには、遺言書を確認する必要があります。

公正証書遺言の場合は、公証役場にて確認することになります。

自筆証書遺言又は秘密証書遺言の場合、法務局に保管されているか否かを確認します。保管されていなかった場合でも、自宅等を確認する必要があります。

相続人の調査、確定

相続人調査するには、戸籍謄本を確認するのが有効です。

被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍を確認することで、被相続人の婚姻の有無、離婚の有無、子どもの有無等を確認することができます。

ですので、被相続人の相続関係が明らかになります。

相続税の計算方法とは?!

相続又は遺贈により財産を取得した場合、相続税がかかることがあります。相続税を支払う必要があるか、相続税の計算方法について、解説します。

法定相続人の数で相続税の額が決まる?!

相続税は、相続財産の額から一定の控除(主に基礎控除)をした上で、その金額に税率をかけて算出されます。

ここで出てくる、基礎控除は、「3000万円+600万円×法定相続人数」によって算定されます。

ですので、法定相続人の数が多くなるほど、基礎控除の金額が大きくなります。

遺産額が基礎控除の範囲内であれば、相続税を支払う必要はありません。

相続税の計算上、相続放棄があってもなかったものとみなす?!

基礎控除における相続人の数は、相続の放棄がなかったものとした場合の民法上の相続人の数によることとされているので、相続の放棄は基礎控除に影響を及ぼしません。

ですので、相続の放棄をした者でも、基礎控除の計算では相続人の数に含めます。

基本的には、相続放棄は不利。ただし、父母が相続人になる場合は相続放棄が有利に働く可能性が

父が亡くなり、母と子が相続人であり、父の相続財産は相続税がぎりぎり課税されない金額であったケースを考えます。

もし、母が父の相続財産を取得した場合には、母は、母自身がもともと保有していた資産と、父の遺産を、合算して保有している状態となります。

その後、母が亡くなった場合に、母と父の資産が合算されたものが相続財産となる結果、相続税が課される可能性があります。

他方、父の相続の際、母が相続放棄をすれば、母は父の遺産を相続しません。父の遺産は、全て子に承継されます。

そして、母が亡くなったときにも、父の遺産と母の資産が合算されていませんので、相続税はかかりません。

このように、相続放棄をした方が、相続税が課されなくなるケースもあります。

相続欠格、相続廃除の場合には、相続税法上もカウントしない

相続欠格、相続廃除により、相続資格を剥奪する結果、相続人にはなりません。

これは、相続税法においても同様です。

したがって、基礎控除の計算において、相続人としてカウントはされません。

相続税の計算上、養子の数には注意?!

相続税は、法定相続人の人数が多ければ多いほど、少なくなります。

これを悪用し、相続税の節税目的で養子縁組をすることを防ぐ必要があります。

そこで、相続税法上、相続税の計算をする際には、被相続人に実の子がいる場合には1人まで、被相続人に実の子がいない場合には2人まで、養子を法定相続人に含むことができます。

このとおり、民法上は人数制限がない養子の数も、相続税法においては、独自のルールとして、法定相続人に含むことができる養子の人数を制限しています。

遺産相続に関する相談は弁護士などの専門家に依頼すべき

相続について、分からないことがあれば弁護士に相談しましょう。

相続人はだれか否か、相続割合がいくらかは、相続手続を進めるうえで非常に重要なことです。

また、早期にご相談いただければ、相続手続を円滑に進められるようアドバイスをすることができます。

弁護士に依頼するメリットとは?!

弁護士に相談をすれば、相続人の確定、相続財産の調査、遺産分割協議の進め方など、意向に沿った解決方法を提示してくれます。

また、弁護士に依頼すれば、相続人に代わって、相続人及び相続財産の調査、他の相続人との交渉を行ってもらえます。

弁護士費用はどれくらいかかるの?!

弁護士に相談するときの費用は、弁護士事務所によって様々です。

弁護士事務所によっては、相談料が1時間1万円と設定されているところもあります。

また、弁護士事務所によっては、相談料は無料というところもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

相続人の範囲は、相続が起こる前からしっかりと理解しておきましょう。

相続が開始されてから、これらの理解を進めてしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまうかもしれません。

監修者情報

愛知孝介先生

日本弁護士連合会所属 弁護士登録番号54061号

弁護士登録後、大手法律事務所に入所。

相続案件を中心に、年間100件以上の法律相談を受け、解決策を提案する。相続案件にあたっては、税理士、司法書士、宅建士等の他士業と連携のうえ、数多くの案件を解決に導く。

事業承継プランの策定、遺言作成を始めとする相続発生前の紛争回避策の構築を得意とする。

遺産分割協議及び遺留分侵害額請求にあたっては、クライアントの要望の実現に向け、粘り強い交渉を行い、調停・裁判を遂行する。

  • この記事を書いた人
篠 昌義(公認会計士/税理士)

篠 昌義(公認会計士/税理士)

株式会社相談室代表取締役。有限責任監査法人トーマツで大企業から中小企業までの監査やコンサルティング、税理士法人で大企業の法人税から個人の所得税まで幅広く実務を担当したのち、自身も経営者としてシェアリングテクノロジー株式会社(東マ:3989)の取締役CFOから代表取締役まで幅広く経験。東証マザーズ上場の責任者を務めるだけでなく、上場後の事業推進、資金調達、M&A、組織改革などを幅広く企業拡大を牽引。 詳しい経歴・プロフィールは当メディアの運営者情報をご覧ください。

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