「相続の相談を誰にすべきなの?」と疑問に思われているそこのあなた。
この記事を読めば間違いなく、その疑問を解消することができますので、最後まで読んでいただけますと幸いです。
では早速、結論から端的にお伝えします。
相談者の状況とタイミングに応じて適切な専門家を選んでくださいというのが答えです。
相談者の状況別の相談先を表にしました。
▼状況別のおすすめ相談先(※リンクからその項目にジャンプできます)
相続の何から手をつけていいかわからない方 | 相続に詳しい専門家、銀行なら誰でもよい |
遺産分割の仕方などで相続人同士がもめそうという方 | 弁護士 |
相続税の申告が不安という方 | 税理士 |
土地など不動産の相続があり、登記が不安だという方 | 司法書士 |
書類の収集、書類の作成のみを依頼したい方 | 行政書士 |
不動産の売却、相続後の資産の運用などが不安な方 | 銀行、信託銀行 |
ちなみに、当サイトでもLINEで無料相談をうけたまわっています。
LINE無料相談では、LINEで相談いただいた内容について、弊社提携の弁護士、税理士が一からしっかりと対面にて、無料でご回答差し上げますので、もし何かございましたらお気軽にご連絡ください。
ちなみに、相続税の税務調査率は20%を超えており、相続税申告を税理士に依頼している人は8割以上にのぼります。
相続税については自分ひとりで申告しようと考えるのは危険と言わざるをえませんので、ご注意ください。
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この記事の監修者

石井 大輔氏(中小企業診断士・税理士)
業界トップクラスの事業承継・相続案件数を誇る税理士法人山田&パートナーズに7年間在籍。
マネージャーとして、多数の資産税案件を担当。2019年に税理士法人トライウィンを開業し、難易度が高い事業承継、株式集約の業務をはじめ、お客様それぞれに応じた、最適な対策案の提示を得意とする。
税理士法人トライウィン
相続に関する相談内容別の専門家一覧表
もう少し詳しく相続に関する相談内容別に誰に相談すれば良いのかをまとめました。
こちらも参考にしてみてください。

相続の何から手をつけていいかわからない方
相続の何から手をつけていいかわからない方については、相続に詳しい専門家や銀行など好きなところ、身近に聞けそうなところに相談すればよいです。
専門家を選ぶ際の注意点~無料で聞くこと~
ここでまず注意してほしいことは、何から手をつけるかのアドバイスは無料の範囲内で受けるということです。
多くの専門家や銀行は、初回相談無料をやっています。
この初回相談で「何からすべきか」は聞くことができますので、まずはこの初回相談でやることをしっかりと聞きましょう。
もし、「ここから先は有料です」と言われたら、「では他の専門家に聞くので結構です」と断ってもらっていいかもしれません。
また、ご自身でネットなどを見て勉強してもらうのも良いかと思います。
実際に業務を依頼するとなると、流石にしっかりとお金を払って業務を依頼すべきですが、何をすべきかを相談することにお金を払うことはナンセンスです。
また宣伝になってしまって申し訳ございませんが、当サイトでもLINEで無料相談をうけたまわっています。
寄せられる質問の多くが、この「何からはじめていいかわからない」という相談です。
しっかりとこの回答をLINEで差し上げています。
しかもすべて相続専門の弁護士や税理士が無償で行っています。
この機会にぜひご活用していただけますと幸いです。
遺産分割の仕方などで相続人同士がもめそうという方は弁護士へ
遺産分割の仕方などで相続人同士がもめそうという方は、弁護士に相談してください。
専門家を選ぶ際の注意点~質で選ぶこと~
弁護士を選ぶときに重要なのは、費用ではなく、質で選ぶということです。
弁護士費用は弁護士によってマチマチです。
ついつい安い弁護士を選びたくなるかもしれません。
しかしここに落とし穴があります。
弁護士を利用する目的をよく考えてみてください。
弁護士を利用することで、もめ事なく円満な相続を行うこと、相続人としてしっかりと取り分を確保することが目的なはずです。
安い弁護士というのは、質が低く、安くしないと仕事がとれない弁護士である可能性もあります。
弁護士を選ぶ時は、まず質が高いかどうかを優先しましょう。
では、質が高い弁護士の見極め方はどうすればよいのでしょうか。
すばり、担当してくれる弁護士とコミュニケーションが円滑にとれるかどうかである程度見極めてみると良いと思います。
いわゆるフィーリングがあうかどうかです。
弁護士の費用相場は?
弁護士の費用相場は、だいたい以下のような感じになっています。
▼弁護士の相場表
経済的利益 | 着手金 | 報酬金 |
---|---|---|
300万円以下 | 8% | 16% |
300万円超
3000万円以下 | 5%+9万円 | 10%+18万円 |
3000万円超
3億円以下 | 3%+69万円 | 6%+138万円 |
3億円超 | 2%+369万円 | 4%+738万円 |
ちなみに、弁護士費用については日弁連の弁護士報酬規定(旧報酬規定)が参考になります。

ただし、この報酬を基準としつつも、弁護士の費用はまちまちですので、詳しくは弁護士に見積もりをもらうようにしてください。
山ほどいる弁護士から誰を選べばいいの?おすすめの弁護士は?
「相続で困っていたらどの弁護士に相談すればいいのか?」と聞かれることがあります。
全国対応でこの弁護士にお願いしておけば、まず間違いないという弁護士は、すばり、ベリーベスト法律事務所です。

ベリーベスト法律事務所の特徴
- 初回相談料無料(60分)
- 全国45拠点
- 相談実績数2,650件
- 遺産相続専門チームは約280名の弁護士+12名の税理士、司法書士
ただし、ついてくれる担当者によっては、頼りない方であったり、コミュニケーションがうまくとれない場合などもあるかと思いますので、その点は十分注意いただければと思います。
また、弁護士に依頼するとなるとそれなりの費用は覚悟しておかなければなりませんので、他の複数の事務所もあわせて相談にいき、自身がいいと思う弁護士に依頼するということも重要です。
各地域でおすすめの弁護士を以下の記事で紹介していますので、ご参考にしてみてください。

相続税の申告が不安という方は税理士へ
相続税の申告が不安という方は、税理士に相談してください。
ちなみに、相続税の申告が必要なのに、相続税の申告を税理士に頼まず、自身でやろうとしている人がいれば、筆者は全力で止めます。
相続税申告者のうち約2割が税務調査に入るというデータがあります。
また、相続税申告者のうち約8割は税理士が関与しているというデータもあります。
このデータから言えることは、相続税の申告をご自身でやるのは、かなりの少数派であるということ、そして相続税申告者のうち約2割が税務調査に入っているということから、相続税申告が間違っていると少しでも税務署に疑われてしまえば税務調査が入ってしまうということです。
ですので、相続税申告を税理士に頼まずにやるというのは、絶対にやめておいたほうがいいと思います。
注意ポイント
- 相続税の申告は自分で行わない
- 相続税の申告では税務調査が入りやすい
専門家を選ぶ際の注意点~質で選ぶこと~
税理士も弁護士と同様に、料金ではなく質を重視してください。
税理士の質というのは、ずばり「相続税の節税ができるかどうか」と「税務調査リスクを抑えられるかどうか」という点の2つです。
相続税の節税は、生前にできること(生前贈与や生命保険を利用する方法)と、相続開始後にできることがあります。
相続開始後に節税できるということを知らない人は多いかもしれませんが、相続開始後にできる節税があります。
それが不動産の相続税評価額の算定です。
この不動産の相続税評価額の算定は、色々な方法があり、この相続税評価額をできるだけ安く抑えられれば、相続税として納付しなければならない税金も多額に抑えられる可能性があります。
また、税務調査リスクを抑えられるかどうかという点については、相続税申告書のミスがないことは当然のことながら、書面添付制度をしっかりと利用してくれるかどうかというのも非常に重要になってきます。
書面添付制度とは、税理士が相続税の申告に間違いがないとお墨付きを与えるような制度です。
この書面添付制度を利用していれば税務調査が入るリスクを抑えられることができます。
税理士の費用相場は?
税理士を選ぶ際には、質を重視すべきという話をしましたが、やはり支払う報酬相場(費用相場)も気になるところです。
税理士の費用相場も税理士によってマチマチですが、目安としては以下のとおりです。
▼税理士の相場表
相続税評価額算定 | 不動産ごとに10万円前後 |
相続税申告書作成 | 相続遺産総額の1%前後 |
山ほどいる税理士から誰を選べばいいの?おすすめの税理士は?
相続専門の税理士は山ほどいるため、いざ税理士に相談するとしても、どこに相談すべきか悩んでしまいます。
そこで、全国対応で相続専門の税理士といえば、相続税のチェスターです。

相続税のチェスターの特徴
- 年間相続税申告件数1,519件(累計20,000人から相続税申告を依頼された実績)
- 全国7拠点(東京・新宿・大宮・横浜・大阪・名古屋・福岡)
- 従業員数216名
ただし、ついてくれる担当者によっては、頼りない方であったり、コミュニケーションがうまくとれない場合などもあるかと思いますので、その点は十分注意いただければと思います。
また、税理士に依頼するとなるとそれなりの費用は覚悟しておかなければなりませんので、他の複数の事務所もあわせて相談にいき、自身がいいと思う税理士に依頼するということも重要です。
各地域でおすすめの税理士を以下の記事で紹介していますので、ご参考にしてみてください。











土地など不動産の相続があり、登記が不安だという方は司法書士へ
土地など不動産の相続があり、登記を依頼したいという場合には、司法書士に相談するのが良いでしょう。
また、裁判手続書類の作成も司法書士が可能です。
しかし、実際に裁判をするとなると弁護士が必要になりますので、不動産の登記を依頼するという場合には司法書士に依頼と思っていただければと思います。
ちなみに、弁護士でも登記は可能ですが、弁護士は単価が高いことや登記に関しては司法書士の方がむしろ詳しいことなどから、登記のみの依頼であれば、司法書士に依頼するので十分でしょう。
専門家を選ぶ際の注意点~質・料金で選ぶこと~
不動産登記自体は、どの司法書士でもそつなくこなしてくれると思います。
ですので、料金が安い司法書士に依頼することが重要です。
もっとも、細かい相談などもあわせてする場合には、コミュニケーションが円滑にはかれるかどうかや、知識が相当あるかどうかなどの質の面も重要になります。
ですので、質と料金を天秤にかけて依頼する司法書士を選ぶのがよいでしょう。
司法書士の費用相場は?
司法書士の費用は登記しようとしている不動産の固定資産税評価額により変動することが一般的です。
ですが、目安としては、だいたい10万円前後な場合が多いです。
山ほどいる司法書士から誰を選べばいいの?おすすめの司法書士は?
司法書士は地元で司法書士を探されるという方も多いと思いますが、もし悩まれたら相続に強い司法書士として全国的に有名な司法書士法人NCPに相談にいってみると良いでしょう。

司法書士法人NCPの特徴
- 累計相談件数135,000件超
- 累計受託件数46,000件超
- 北海道から九州まで全国50以上の拠点
- 司法書士有資格者39名在籍
その他、地元の司法書士事務所なども数件連絡をとってみて、比較検討してみるのも良いかもしれません。
書類の収集、書類の作成のみを依頼したい方は行政書士へ
書類の収集、書類の作成のみを依頼したい場合には、行政書士に依頼すれば良いでしょう。
具体的に書類の収集というと、戸籍の収集であったり、不動産の登記簿謄本の取得であったりと様々です。
また、書類の作成というと、相続関係説明図、財産目録、遺産分割協議書の作成などがあります。
さらに、金融機関の名義変更なども依頼することができます。
これらの、書類の収集や書類の作成は、弁護士など他の士業でもできるものも多いですが、行政書士に依頼した方が良いと言えます。
なぜなら行政書士が一番安くすむということと、そもそもそういった業務を専門にしている行政書士が多いから慣れているといったことが理由です。
専門家を選ぶ際の注意点~質・料金で選ぶこと~
行政書士選びは基本的に料金で選んでもよいかと思います。
ただし、そもそも「相続の流れを聞きたい」、「相続に関する全般的なこともあわせて聞きたい」といった場合などは、行政書士も質がとわれます。
しっかりと相続について詳しくて、コミュニケーションがとりやすい行政書士を選ぶ必要がでてきます。
行政書士の費用相場は?
行政書士の費用はその内容によってマチマチです。
ですが、目安としては、だいたい内容ごとに5万円前後な場合が多いです。
とはいえ、色々な書類を作ってほしい、収集してほしいとなると、5万円前後がつみあがり、数10万円になることもありますので、注意してください。
山ほどいる行政書士から誰を選べばいいの?おすすめの行政書士は?
全国的に相続専門でやっている行政書士法人はあまりありません。
ですが、先ほど紹介した司法書士法人NCPのグループである行政書士法人NCPは行政書士有資格者37名と全国対応している行政書士法人ですので、ひとつの選択肢として考えてもよいでしょう。

あわせて地元の行政書士事務所にも複数相談してみるとよいかと思います。
不動産の売却、相続後の資産の運用などが不安な方は銀行や信託銀行へ
また不動産の売却、相続後の資産運用で困りそうなときは、銀行や信託銀行に相談するとワンストップで相談に乗ってくれます。
ただし、銀行や信託銀行に全部任せるすることもできるのですが、銀行や信託銀行を賢く利用するコツもあります。
銀行や信託銀行をより賢く利用するコツ
銀行や信託銀行は相続に関する相談をワンストップで引き受けてくれるというメリットがあります。
ですが一方で、銀行側に支払う手数料が発生するというデメリットも生じます。
たとえば遺産分割に関する相談は自分で探した弁護士や司法書士に相談し、それ以外のところは銀行に任せるといったように、部分的に銀行や信託銀行を利用することでこうした手数料を節約することができます。
もちろんこのあたりはワンストップで任せて手間を浮かすか、自分でできることは自分でやって手数料を節約するか、のバランスで考えるようにするといいです。
銀行や信託銀行の費用相場は?
銀行や信託銀行の費用相場はマチマチです。
ただ一般的には、基本料金で50万~100万円前後がまず発生します。
さらに、業務依頼に対しても基本的に一つ一つ追加で費用が発生するような形となります。
遺産総額に対して数%といった設定が多いようです。
相続の相談に関して知っておきたいこと、注意しておきたいこと
相続の相談に関して知っておきたいこと、注意しておきたいことなどをご紹介します。
相続前の相談はどうすればよいの?
今までは、相続開始後の相談をメインに説明していきましたが、基本的に相続前の相談も、「相続後に何が問題になりそうなのか」を考えて専門家を選ぶようにしてください。
相続前の相談で多いのは、相続税対策と遺言などを含む遺産分割に関する相談です。
遺言で問題になりそうであればだれに相談すればよい?
遺言を書くべきかどうかなどの相談も、現状として多く寄せられています。
遺言を書くべきかどうかという相談についても、結局相続開始後にどういったことが問題になりそうかを考えて、相談相手を決定すべきです。
今の状況などを無料相談の範囲内で専門家に聞いてみれば教えてくれることも多いと思いますので、まずはいろんな専門家に聞いてみましょう。
誰に聞いたら良いか困ったら、先ほど紹介したような、全国対応、相続専門の弁護士、税理士、司法書士、行政書士にまずは相談してもよいでしょう。
また、当サイトでも相続前の対策、遺言などについてLINEで無料相談をうけたまわっています。
LINE無料相談では、弊社提携の弁護士、税理士が一からしっかりとご回答差し上げますので、もし何かございましたらお気軽にご連絡ください。
全国相続サポートセンターを利用するのも手?!
全国相続サポートセンターという全国に相続対応できる加盟店を募って全国的に相続サポートを行っている会社があります。

全国相続サポートセンターの特徴
・沖縄から北海道まで全国70拠点で展開
こういったところを使ってみるのも一つの手かもしれません。
ただ、結局は相続手続きの中で、専門家を紹介されるという流れにはなると思います。
その紹介された専門家が良いかどうかはご自身でしっかり判断しましょう。
あくまで一つの相談手段として考える方がよいかもしれません。
相続の基本を理解しましょう
ここからは、相続の基本をご説明します。
相続の基本を知っていないと相続の相談をしようにも、どこに相談していいかの判断がつかないでしょう。
相続対策はすべての日本人が考えければならない
よく相続対策について、お金持ち、資産家だけが対象になると考えている方が多いですが、そうではありません。
例えば貯金100万円を遺して亡くなられた遺族であっても、土地を持っていたり、車を持っていたりと多少なりとも遺産があることが多いです。
そういった遺産を相続人で分けるわけです。
相続人によりけりですが、少しでも多くの相続をもらいたいと考えて親族で争いになるケースは実態としてそれなりにあります。
金額が少なかろうが、相続でもめるなんてことは実はよくある話なのです。
相続財産にはどんなものがあるの?
よく間違えられることとして、相続財産を網羅的に把握できておらず、後々財産分配でもめる、相続税の申告が必要であることに気づくといったことがあります。
なので、しっかりと相続財産として何があるのかを抑えておきましょう。
相続財産
不動産:土地、家屋、貸家、貸地、借地権、借家権など
金融資産:預貯金、現金、株式など
動産:自動車、貴金属、骨とう品など
その他:知的財産、貸付金、借入金、仏壇・お墓など
ただし、仏壇・お墓などについては、相続税はかかりません。
相続の相談でよくある相談はどんなもの?
弊社に寄せられる相続に関する相談からランキング形式でよくある相談をお伝えします。
第1位 | 親族がなくなったけど、相続について何からはじていいのか全くわからないから教えてほしい |
第2位 | もうすぐ親族がなくなりそうだから相続について考えたいけど何からはじめればいいかわからない |
第3位 | 遺産分割でもめそうだから助けてほしい |
第4位 | 相続税の申告について教えてほしい |
相続手続きの期限に注意!
相続手続きの中には、期限が定められているものがあります。
相続の一連の流れとともにご説明します。

▼相続手続きで期限がある代表的なもの
3か月 | 相続放棄・限定承認 |
4か月 | 相続人の青色申告の届出、被相続人の所得税の申告と納付(準確定申告) |
10か月 | 相続税申告と納付 |
相続開始もしくは侵害額があったことを知った日から1年 | 遺留分侵害額請求 |
相続税の計算方法は?

相続税の計算方法は上記の4ステップで説明できます。
相続税の計算方法を知るために、実際に相続税を実例で計算してみるとイメージがわきやすいと思います。
ここでは、遺産総額3億円、配偶者と子ども3人が存在する場合を想定してみます。
①基礎控除の額
まず基礎控除の額を計算します。
この場合、法定相続人は4人になりますので、以下で計算します。
計算例
基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 4人(法定相続人の数) =5,400万円
ちなみに、相続税申告はこの基礎控除より遺産総額が高くなっている場合にのみ発生します。
遺産総額が、この基礎控除以下であれば、相続税を支払う必要も申告する必要もありません。
②課税総額の計算
計算例
課税総額 = 3億円(遺産総額) ― 5,400万円(基礎控除) = 2億4,600万円
③相続税総額の計算
A法定相続分の計算
計算例
配偶者の法定相続分 = 2億4,600万円 × 1/2 = 1億2,300万円
子の法定相続分 = 2億4,600万円 × 1/6 = 4,100万円
B相続税総額の計算(まずは個別に相続税額を計算しそれを合算します)
計算例
配偶者の相続税額
1億2,300万円 × 40%(税率) ― 1,700万円 =3,220万円
子一人分の相続税額
4,100万円 × 20%(税率) - 200万円 = 620万円
ここで、税率はそれぞれの法定相続分に応ずる取得金額(今回の場合は配偶者1億2,300万円、子4,100万円)に対応する税率が定められています。
以下の国税庁のHPの表を使って、税率を選択するようにしてください。
参考:国税庁HP 相続税の税率
C相続税総額
計算例
3,220万円 + 620万円 × 3人 = 5,080万円
④各人の相続税額の計算
相続税総額を取得財産に応じて按分します。
ここでは、配偶者3,000万円、残りの子供たちに9,000万円ずつを相続させると仮定します。
計算例
配偶者の相続税額(配偶者控除前)5,080万円×3,000万円÷3億円=508万円
配偶者の相続税額(配偶者控除後)508万円-508万円(配偶者控除)=0円
配偶者の課税価格は1億2,300万円だったため、この508万円の全額が配偶者控除で差し引くことができます。
配偶者控除については、後ほど説明しますが、配偶者の課税価格が1.6億円以下であれば、全額を配偶者控除で差し引くことができるという制度になります。
計算例
子(一人分)の相続税額 5,080万円×9,000万円÷3億円=約1,524万円
ここでの計算のポイントは、一度相続税額について、法定相続分を基準として個別に算出し、合計した後で、再度実際に相続する額に応じて相続税額を按分するというところではないでしょうか。
間違いやすい部分なので気を付けましょう。
また、配偶者控除については非常に使える税額軽減ですが、二次相続といって、このあと、配偶者も亡くなった場合に、子への相続に対して相続税が多額に発生してしまうということがあります。
その点も注意して配偶者控除を利用するようにしましょう。
相続税対策にはどんな方法があるの?
相続税対策もよく相談されますので、簡単にご説明しておきます。
相続税対策でよく使われる方法
1.生前贈与を利用する方法
2.生命保険を活用する方法
3.不動産を活用する方法
1.生前贈与を利用する方法
まず、生前贈与を利用する方法です。
これがもっともシンプルでよく使われている相続税対策方法といえます。
相続税申告で多額の税金を払う必要がでてきそうな方は、贈与を年々しっかりとしておくことで、相続発生時の相続税額を抑えることができます。
この時、贈与を110万円以内にしておくと贈与税が一切発生しないためいいという話があります。
ただし、国税OBの先生などの話を聞いていると、贈与税をあえて少しでも払うような贈与をしておいた方がよいと言われます。
これは贈与税の支払いにより、贈与があったことをあえて税務署に証明することができるという理由からです。
逆にいうと贈与を110万円以内にしていた場合、税務署は、「本当にこれは贈与ですか?貸付ではないですか?」といったことを指摘してくるリスクがあります。
110万以内の贈与をする場合は、贈与契約書なども作成し、しっかりと贈与されていることを税務署に証明できるように気を付けましょう。
2.生命保険を活用する方法
生命保険を活用する方法とは、生命保険の非課税枠をうまく使う方法になります。
詳しくは生命保険会社などに聞いてみるとよいかもしれません。
3.不動産を活用する方法
現金を不動産に変えると、その不動産の相続税評価額が相続財産の額となります。
これをうまく利用して、不動産に変えておくといった方法も時には有効になります。
この方法は、不動産評価額をどのように算定するのかなど事細かな税務の知識を合わせて利用しないと、逆に損をすることになりかねませんので、注意しましょう。
この不動産評価額の算定方法については、税理士の中でも相続に強い税理士でなければ、評価を落とす方法などを知らない可能性もあります。
近年ではタワーマンションを利用した節税が行き過ぎているとして、財産評価基本通達によらず、個別に評価するという傾向にあります。
また、不動産にすることで相続税の納税資金が不足しては本末転倒ですので、税負担や遺産分割を見据えた財産構成にしておくのが望ましいです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
相続の相談先をしっかりと理解してから、相続の相談を行うようにしましょう。
また、相続についての知識も日ごろから自身で勉強しておくようにしておきましょう。