1万円から不動産投資ができるCOZUCHIは、それまで一部のプロや富裕層しか手が出せなかった不動産投資のハードルを大きく下げた革命的な存在と言えます。
ですがその新奇さゆえ、
「本当に投資しても大丈夫?怪しくない?」
「ぶっちゃけCOZUCHIってどれくらい儲かるの?」
など、その実態が謎のベールに包まれているところもあります。
そこで今回こうしたベールをはぎ取るために、COZUCHIの実際の投資家を調査しただけでなく、不動産投資のプロの意見も交えながら、COZUCHIの実態について迫りました。
本稿の結論はこうです。
▼本稿の結論
・COZUCHIは投資家からも好評で、十分おすすめできる
・COZUCHIから得られる利回りは4~5%がボリュームゾーン
・投資家余りのためCOZUCHI以外のサービスの併用を推奨
本稿を最後まで読めば、COZUCHIをよりよく利用するコツが理解し、不動産投資をスマートにスタートできるようになります。
それでは早速まいりましょう。
▼本稿の監修者
中西 諒太
株式会社了代表取締役。
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/住宅ローンアドバイザー
賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理を経験後独立。現在は会社の事業の一環として不動産投資も行っている。
株式会社了HP
COZUCHI(コズチ)の口コミや満足度
まずはCOZUCHIの投資家たちは、どうCOZUCHIを評価しているのか?から見ていくことにしましょう。
結論から言えば、COZUCHIに対する投資家たちの満足度は次のいずれの項目においても高い評価を得ていました。
▼COZUCHIに対する満足度調査の項目
・パフォーマンス→分配金(収益)に関する満足度
・投資機会→投資できるファンド数(投資対象数)に関する満足度
・リスク→リピート利用に関する満足度
以下、不動産クラウドファンディングを代表する5社との比較も交えながら、COZUCHIはどういったところで優れ、評価されているのかを見ていきましょう。
分配金への満足度は高い
COZUCHIで得られる分配金(儲け)に対する満足度は、「大変満足」(66.6%)、「やや満足」(33.3%)と、高評価でした。
ちなみに本稿では分配金という語が何回も出てきますが、これは投資家が受け取る収益(儲け)のことです。
実際にCOZUCHIは2023年2月時点で、元本割れ0件という良好な運用パフォーマンスをあげています。
元本割れが0件というのは、投資家たちが出資した金額(元本)を減らしたことがないという意味です。
また分配金の支払いが滞ったケースもありません。
COZUCHIの前進となるWARASHIBEがスタートしたのが2019年なので、COZUCHIの投資家たちはこの4年間どの不動産に出資していても利益が出ているというわけです。
ただしほかの不動産クラウドファンディングと比較したとき、この元本割れが0件というのはCOZUCHIだけではありません。
たとえばCREALも元本割れが0件であることを公表していますし、また筆者が調査したところ【TSON FUNDING】も元本割れが0件でした。(2023年2月時点)
ですが全案件がプラスの収益を出しているという成績は、COZUCHIに対して強い安心感を得られることに変わりはありません。
ただし安心だけでは、自分の虎の子の財産を図ける投資対象として物足りませんよね?
つまり「投資家たちはいくら儲かったの?」という点が、本当に知りたいところです。
ですが残念ながら、どの不動産クラウドファンディングも過去のファンドの運用成績を出資していない人に対して公表しておらず、正確な成績は出資していない限りわかりません。
そこで実際のCOZUCHIの投資家に、どのような運用成績だったのか?を聞いた結果が下表です。
▼COZUCHIの投資家たちの運用結果
利回り | 運用期間 | 出資額 | 分配金 | 案件 | |
---|---|---|---|---|---|
投資家O (26歳男性) | 5.0% | 15か月 | 100万円 | 50,000円 | 自由が丘一棟ビル |
投資家D (34歳男性) | 4.3% | 6か月 | 25万円 | 10,850円 | 渋谷区神泉エリア開発プロジェクト |
両案件とも募集時の想定利回りよりは1%弱下回ってはいるものの、4~5%の収益を得ていることがわかります。
参考までに、比較としてCOZUCHIと同じく不動産クラウドファンディングの代表的な存在である【CREAL(クレアル)】の投資家たちにも同様の質問をした結果が、下表です。
【CREAL】の投資家たちの運用結果
利回り | 運用期間 | 出資額 | 分配金 | 案件 | |
---|---|---|---|---|---|
投資家M (38歳男性) | 2.8% | 8か月 | 1万円 | 284円 | CREAL門前仲町 |
投資家MA (51歳女性) | 0.8% | 7か月 | 1万円 | 83円 | CREAL中延 |
投資家D (38歳男性) | 2.7% | 18か月 | 10万円 | 2,731円 | CREAL高田馬場 |
いかんせん話が聞けた投資家が少ないので、これだけでCREALよりCOZUCHIのほうがパフォーマンスがいいと断ずることはできません。
しかしながら、少なくともCOZUCHIが不動産クラウドファンディングとして悪くない収益をあげていることがうかがえます。
実際に不動産投資のプロである中西氏に4~5%という利回りは、どのような水準なのかを聞いてみたところ、
「不動産投資を自身で行っても年利回りが4〜5%という数値は珍しくありません。物件の管理に手間がかからないというのと、流動性があるというメリットを考慮すれば、実績値としてはバランスが取れていると思います。」
と、自分で投資対象の不動産選びからやる一般的な不動産投資と比べても見劣りしない利回りであることがわかります。
このようなことから、COZUCHIから得られる分配金の満足度は高い満足度の結果につながっていると考えられます。
また実際のCOZUCHIの投資家からは、
少額でも利益を生み出すことが可能なので、その点が良いなと思いましたし、感謝しています。(26歳男性)
という口コミも得られています。
投資できるファンド数に関する満足度は割れる
続いてCOZUCHIで投資できるファンド(不動産)数に対する満足度です。
COZUCHIで投資できるファンド数の満足度は「大変満足」(66.6%)と「やや不満」(33.3%)と、こちらも過半数からは良好な評価でした。
一方で「やや不満」と評価している投資家もいますが、これは比較している対象によって変わります。
というのも、不動産クラウドファンディングは自分が投資したいと思ったタイミングで、ファンドが出資者を募集しているとは限らないからです。
実際にCOZUCHIの投資家からも、
「最近はなかなか出資ができず残念」(34歳男性)
という口コミがありました。
平日で市場が開いている時間ならすぐに投資がスタートできる株式やFXの感覚と比べると、この投資家の募集を待つ期間があるのは戸惑うかもしれませんね。
ですが不動産投資においては、こうした「待ち」の期間は普通に起こることです。
実際に調査時点の2023年2月2日で、投資できるファンドがある不動産クラウドファンディングは1社(TSON FUNDING)しかありませんでした。
COZUCHI | CREAL | A funding | 大家どっとこむ | TSON FUNDING | |
---|---|---|---|---|---|
募集中のファンド | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
運用中のファンド | 31 | 19 | 0 | 28 | 39 |
一方で運用中のファンド数に目を向けると、COZUCHIのファンド数はほかの不動産クラウドファンディングと比較したときに2番目に多く、むしろファンド数は豊富にあることがわかります。
このことについてはのちのCOZUCHIのデメリットの章でも後述しますが、不動産クラウドファンディング内で比較したとき、COZUCHIのファンド数は十分な水準であると言えるのです。
リピート意向はかなり高い
最後にCOZUCHIを継続的に利用したいかを問うリピート意向について見ましょう。
結果は投資家の100%が「かなり利用したい」と回答し、高い満足度を得ていることがわかります。
もしCOZUCHIへの不満や不信感があれば、ここまでのいい結果にはならないわけで、COZUCHIが投資家から高い信頼を得ていることがうかがえます。
不動産クラウドファンディングは、不動産選びやその運用をすべてプロにおまかせするスタイルです。
自分の虎の子の資産を預けるわけですから、COZUCHIのこうした高い信頼感は大きな魅力と言えそうです。
ここまででCOZUCHIを「パフォーマンス・投資機会・リスク」の観点から、実際の投資家の口コミも交えつつ評価を見てきました。
全体的に投資家からのCOZUCHIの評価は高く、得られる収益や投資先としての信頼感があることを確認できたと思います。
ここからは実際の投資家から得られた評価に基づき、COZUCHIを利用するメリットとデメリットについて掘り下げて見ていくことにしましょう。
COZUCHI(コズチ)のメリット
まずはCOZUCHIを利用するメリットからです。
COZUCHIをほかの不動産クラウドファンディングと比較したときに見えてくるメリットは、次の3点です。
以下、それぞれのメリットを詳しく掘り下げて見ていきましょう。
運用期間が短~中期のものが多い
まずCOZUCHIのいい点として、運用期間が短いファンドが多いことが挙げられます。
運用期間が短いということは、資金を預けている期間が短いので、分配金を受け取れるタイミングが早いという意味にもなります。
投資の世界では、同じ1万円の収益を受け取るにしても、半年で受け取る1万円と、1年かかって受け取る1万円とでは、投資のうまみがまるで違うと考えます。
またなにより運用期間が短いと、その不動産が運用中に天災や人災に巻き込まれ、資産価値を大きく落とすようなリスクが下がります。
COZUCHIの運用期間をCREALと比較したとき、各ファンドの運用期間の違いは下図です。
COZUCHIでは運用期間が1年以下のものが約半数ほどを占め、さらに6か月以下の激短期間のものも12.9%ほどあります。
ですがCREALでは18か月の運用期間のファンドが8割を占め、1年未満の運用期間のものはわずか5.0%しかありません。
どちらかと言うと、不動産投資の運用期間だとCREALのほうが一般的な長さです。
その点で、COZUCHIに短期~中期の案件が多いのは魅力と言えます。
向こう三か月動かす予定のないお金をCOZUCHIに出資しておくなど、初心者でも気軽に運用をすることができますね。
ユニークな投資対象がある
次にCOZUCHIを利用するメリットとして、ほかの不動産クラウドファンディングにはあまり取扱いがないユニークなファンド(不動産)に投資できるという点があります。
不動産クラウドファンディングでよくあるのは、マンションを一棟所有して、その家賃収入を分配金とする形式(インカムゲイン)のものです。
もちろんCOZUCHIにもそうしたファンドはありますが、それだけではありません。
現時点で運用中のものから具体例を出すと、
相模原 リニア開発プロジェクト | リニア新幹線のトンネル工事で出る不要な土砂を受け入れる土地の運用。 |
虎ノ門 再開発プロジェクト | 再開発計画が決定している地区内の土地や建物を買取り、売却益を狙う。 |
北青山 開発プロジェクト | 北青山に商業ビルを開発したあと売却し、売却益を狙う。 |
というように、単にマンションを所有して家賃収入を得るだけではない選択肢があります。
特に不動産価値が上がると見込まれる土地や家屋を購入し、不動産価値が上がったタイミングで売却して差益を得るキャピタルゲイン型のファンドは利回りが高くなる傾向があります。
そうしたキャピタルゲイン型のファンドでは、過去に20%以上の利回りを出しているファンドも存在します。
ただ一方で、こうしたユニークなファンドだと「こういう特殊なファンドに出資して大丈夫なの?」と不安を感じる方も多いのでは?
こうした特殊なファンドを不動産投資のプロである中西氏に聞いてみると、このような見解でした。
「投資対象としてありかなしかで言うとありです。もちろん上記のようなプロジェクト案件は場合によっては頓挫する可能性もあります。こういったリスクを踏まえた上で、リターンが見合っていると判断したのであれば投資対象に入れるのもいいでしょう」
このように出資するファンドを選ぶ際にチェックすべきポイントは、のちの章で触れます。
ここではまずCOZUCHIには、マンション一棟の運用以外のユニークで想定利回りもやや高いファンドもあるということを覚えておいてください。
途中で投資資金を引き出すことができる
COZUCHIは運用期間中であっても、途中で出資した資金を「買取」という形で引き出すことができます。
ただしこの買取制度はあくまで急にまとまったお金が必要になったときの最後の手段であり、積極的に使うべき手ではありません。
これは今回調査した5社の不動産クラウドファンディングの中で、唯一の制度です。
▼途中解約に関する取り決め
COZUCHI | 買取申請(手数料3.3%) |
CREAL | 原則不可 |
A Funding | 原則不可 |
大家どっとこむ | 原則不可 |
TSON FUNDING | 原則不可 |
念のため、いずれの不動産クラウドファンディングも契約してから7日以内であればクーリングオフをすることはできます。
ですがその期間以降は、運営者に重度の信用問題でも起こらない限り、原則として運用が終了するまで資金を引き出すことはできません。
つまり2年程度は出資したお金を動かすことができなくなる、ということです。
これは安易にいろいろな人が資金を引き出すと、そのファンドの運用自体が危なくなってしまうからで、これが一般的な不動産投資になると、数年資金を預けておくのが一般的です。
しかしCOZUCHIは「買取」という形で、自分が出資した分を買い取ってくれます。
ただし、買取をしてもらう時にはこのような条件があります。
▼COZUCHIの買取申請の注意点
・出資した金額の3.3%の手数料が引かれる
・実際に資金が戻ってくるまでに2か月ほどかかる
出資したお金が3.3%分減ってしまうのと、引き出すまでに時間がかかるので、あまり使いたくはない制度ではあります。
ですが「当面使う予定のないお金だけど、何か自分の身にあったときは引き出したい」という対応をとれるのは、魅力と言えます。
COZUCHI(コズチ)のデメリット・注意点
さてここではCOZUCHIのメリットやいい点を見てきましたが、今度はデメリットや注意点について見ていくことにしましょう。
COZUCHIのデメリットは、下記の2点があります。
以下、それぞれの注意点を詳しく見ていきます。
いつでも出資できるファンドがあるわけではない
まずCOZUCHIの注意点として、いつでも出資できるファンドがあるわけではないという点が挙げられます。
これはCOZUCHIに限らず、不動産クラウドファンディングならいずれも同じです。
どういうことかと言うと、投資家登録してもCOZUCHIがその瞬間に出資者を募集しているかどうかはわからないということです。
たとえばCOZUCHIが2022年の募集件数をまとめたものが下図です。
平均すると月に2.2回のペースで新規の投資家募集がありますが、上表を見れば募集が1件もない月があることもわかります。
運悪くその月にCOZUCHIに投資家登録すると、1か月以上も待ちの期間になるということです。
ただし繰り返しますが、これは不動産投資なら仕方のないことです。
いつでも魅力的な物件が出回っているわけではありませんし、扱っているのが不動産である以上、リサーチや交渉、契約にも時間がかかります。
まして出資者にしっかりとリターンのある運用ができそうな物件を厳選するとなると、いつでも出資できるプロジェクトがあるほうが不自然とも言えるのです。
抽選が当たりにくい
またCOZUCHIのデメリットとして、抽選が当たりにくいという点も挙げられます。
これは先ほどのいま出資できるファンドが少ないこととも関係があることです。
つまりファンドの募集数よりも、出資したい投資家のほうが上回っている状況です。
COZUCHIでは、各ファンドに募集額に対する応募金額が掲載されていますが、いずれのファンドも応募金額が大きく上回っており、募集倍率で10倍を超すものも珍しくありません。
実際に筆者も後日、COZUCHIで新しく募集が始まったファンドに応募してみましたが、落選……。
COZUCHI側でこのような投資家余りの状況に対して、部分当選方式(例えば100万円の出資希望に対して70万円分だけ当選する)を導入して、当選者を増やす試みをとっています。
ですが、それでも依然として競争率は高いのでCOZUCHI単体で不動産クラウドファンディングへの投資を始めようとするのは、あまり賢明とは言えない状況があります。
このことに関しては、次章で掘り下げて説明します。
COZUCHI(コズチ)をよりよく使うコツ
ここまででCOZUCHIのメリットとデメリット、いいところと悪いところが頭に入ったと思います。
まとめるとCOZUCHIは不動産クラウドファンディングとして優秀なサービスです。
ですが一方でその人気ゆえ、応募する投資家数が多すぎてなかなか出資する機会に恵まれないという状況があることがわります。
では、どうすれば不動産クラウドファンディングで投資をスタートできるのか?について対策を考えていくことにしましょう。
複数の不動産クラウドファンディングと併用する
スムーズに不動産クラウドファンディングで投資をスタートするには、現時点ではCOZUCHI以外のサービスを併用するのが必須とさえ言えます。
COZUCHIが投資家余りの状況になっていることは先にも触れましたが、これはほかの不動産クラウドファンディングの応募状況を見ても似たようなものです。
つまりどの不動産クラウドファンディングも「募集数>投資家」という状況であり、幅広く投資家登録をして、幅広く出資できる機会を求めることがうまい手なのです。
COZUCHIと同じように、小さい投資額から出資できる不動産クラウドファンディングにはこのようなサービスがあります。
COZUCHI | CREAL | A funding | 大家どっとこむ | TSON FUNDING | |
---|---|---|---|---|---|
最低投資額 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 ※案件による | 5万円 ※案件による |
運用中のファンド | 31 | 19 | 0 | 28 | 39 |
運営会社 | 非上場 | 上場 | 上場 | 非上場 | 上場 |
ファンドタイプ | ユニークな案件もある | マンション多い | マンション多い | マンション多い | 戸建て多い |
公式サイト | 投資家登録へ | 投資家登録へ | 投資家登録へ | 投資家登録へ | 投資家登録へ |
最低でも不動産クラウドファンディングの代名詞となっているCOZUCHIとCREALのふたつを、できればこれらすべてに登録して、より魅力的なファンドを幅広く情報収集するのが、投資効率を高めるための何よりの一手です。
仮にこれら5社の不動産クラウドファンディングに登録しておくと、毎週いずれかのところから新規の募集がかかるといったペースになります。
また1つの不動産クラウドファンディングに投資資金のすべてを投入すると、そのプロジェクトの運用がうまくいかなかった時のリスクに対してあまりに無防備です。
そのためその複数のファンド、複数のサービスに資金を分散させることは、リスク分散の観点でも投資家がやるべきことなのです。
投資する案件をできるだけ選ぶ
COZUCHIは新規で出資できる案件がいつでもあるわけではないため、つい新規の募集が始まると飛びつきたくなってしまいます。
ですが、それはあまり賢い投資とは言えません。
もちろん2023年2月時点では、COZUCHIのどのファンドに投資しても分配金が受け取れていたことになりますが、せっかくリスクをとるのですからもうちょっと欲張っていいところです。
つまり同じ金額を投資するなら、できる限りリスクが低く、そしてより利回りが見込めるファンドを選びたいところです。
実際に不動産投資のプロである中西氏に聞いてみたところ、ファンド選びのポイントには、この2点があります。
▼ファンド選びのポイント
・ファンドの透明性
・投資対象の将来性
とはいえ、これは不動産投資の経験がない方にとってやや難解に思いますので、不動産投資が初めての方でも最低限押さえておくべきチェックポイントについてもお聞きしました。
投資するファンドのチェックポイント
COZUCHIで新たに募集がかかると、その不動産の情報やストーリーとともに、過去に運用したことがあるファンドであれば、賃借対照表や損益計算書も公表されます。
賃借対照表というのは、簡単にいうとそのファンドの資産と負債の状況がわかる資料で、健全な運用状況かどうかをチェックするのに役立ちます。
また損益計算書は、どのような利益の出方をしているのかがわかる資料とイメージしてください。
なんとも小難しい話に聞こえるかもしれませんが、見るべきポイントはたった2つです。
▼出資先となるファンドのチェック項目
・負債合計と資産合計のバランス
・利益がどれくらい出ているか?
まずは賃借対照表のほうを、実際のCOZUCHIで募集されていたファンド(目黒区東が丘レジデンス)の賃借対照表を例に見ていきます。
見方は単純で、このようなチェックの仕方です。
負債合計が資産より多いほど注意が必要です。
上の例を見ると、いずれの期においても資産合計が負債合計を上回っているので、健全な運用が行われていることがわかります。
ですが、逆に負債合計が資産合計を大きく上回っている状態だと、どうなるのでしょうか?
極端なケースですが、もしこのファンドに信用問題が生じて「いますぐお金を返して!」という人たちが殺到したとしたら、借りたお金を返せずこのファンドは倒産してしまうということです。
ただし「負債合計>資産合計」になっていたら即ダメというわけでもありません。
あくまで資産の割に負債が多すぎてはいけないという「程度問題」であることは頭に入れておいてください。
また、ファンドが出した利益を出資者で分け合うのが不動産クラウドファンディングです。
そのファンドがどれくらい利益を出していたか?が見られるのは、損益計算書で見るべきところは青線の箇所です。
実際の損益計算書でも、しっかり5000万円~1.2億円弱の利益が出ていることがわかります。
もしこの利益がマイナスになってしまったときは、分配金が出ないばかりか、出資した金額より減ってしまうこともあります。
ただしCOZUCHIをはじめ多くの不動産クラウドファンディングでは、「優先劣後方式」という投資家を保護する方式をとっています。
もちろん優先劣後方式といっても大きな損失を出せば、出資者にも元本割れ(出資した金額よりも減ること)が起こってしまいます。
そのため出資前に継続的に利益を生んでいるファンドかをチェックしておくのが重要ということです。
COZUCHI(コズチ)への登録方法
ここまでで不動産クラウドファンディングで投資をスタートするにあたり、COZUCHIのイメージが明確につかめてきたかと思います。
そこでこの章ではCOZUCHIへの登録方法をざっと説明していきます。
結論からいえば、COZUCHIの登録はスマホからあればサクサク進み、平日の日中なら審査完了まで1時間ほどです。
また登録の手順も、なにも難しいことはありません。
投資家登録の手順は大きくわけて、下記の4項目です。
▼COZUCHIに投資家登録する手順
1.アカウント登録
2.本人確認
3.審査
4.登録完了
【手順1】アカウント登録をする
COZUCHIのトップページから電話番号・メールアドレス・パスワードを登録します。
この時のおすすめは、よく見るメールアドレスで登録することです。
というのも、ここで登録したメールアドレスには今後COZUCHIから新着の募集情報が送られてきます。
これまで見てきたように、COZUCHIはいつも募集中のファンドがあるわけではないので、この新着の募集メールは見落とせない情報だからです。
時折COZUCHIのサービス案内メールも送られてきますが、数日に1通くらいの割合なので、膨大な宣伝メールが送られてくることもありません。
またアカウント登録時に「反社会勢力に対する基本方針」など3つの書面を確認して同意する必要があります。
その書面ファイルを開かないと次のステップに進めないようになっていますので、しっかりファイルを開いてザっと内容も確認するようにしてください。
【手順2】本人確認
まず本人確認では運転免許証やパスポートなどの本人確認証を、スマホのカメラ機能を使って認証します。
カメラで撮影しながら本人確認証を傾けたり、裏返したりする動作を行って認証します。
白い机のうえでやると反射光で認証がうまくいかなかったりしますので、明るい部屋で暗い布を置いておこなうとよりスムーズに認証ができます。
【手順3】審査
審査はCOZUCHI側が行うので、特に投資家側でやることはありません。
筆者が投資家登録をしたときは1時間ほどで、審査完了のメールが届きました。
ちなみにこれは同じ時期に登録した不動産クラウドファンディングの中で、もっとも速い完了時間でした。
【手順4】登録完了
COZUCHIから完了メールが送られてきます。
これでマイページに入ることができますので、募集中のファンドがないかログインして確認しましょう。
もし募集中のファンドがなくとも、平均して月に2.2回の募集がかかります。
ほかの不動産クラウドファンディングに登録して、投資対象となりそうな不動産の情報を広く収集するなど、情報網を広げておくことをおすすめします。
COZUCHの運営者情報
COZUCHIを始める前に、ざっとだけ運営者についても触れておくことにしましょう。
COZUCHIはLAETOLI株式会社が運営する不動産クラウドファンディングで、2019年に【WARASHIBE】という名前でスタートし、2021年にCOZUCHIとしてリニューアルしています。
2023年2月時点でこれまでに運用したファンドは66件と多く、運用ファンドの実績が79件であるCREALとともに不動産クラウドファンディングの双璧をなす存在といえます。
またCOZUCHIとLAETOLI株式会社は「不動産特定共同事業」に認定されています。
これは国土交通省や都道府県知事から許可を受けた事業者のことで、安定した財務状況や運営体制を認められて許可が与えられるものです。
ちなみに基本的に本稿で紹介した5社の不動産クラウドファンディングは、いずれもこの不動産特定共同事業の許可を受けています。
またCOZUCHIの運営会社であるLAETOLI株式会社の情報をまとめておきます。
運営会社 | LAETOLI株式会社 |
所在地 | 〒107-0062 東京都港区南青山2-26-1 D-LIFEPLACE南青山2階 |
連絡先 | support@cozuchi.zendesk.com 050-1807-0860 (平日10:00-17:00) |
代表取締役 | 武藤 弥 |
COZUCHI(コズチ)に関するよくある質問
最後にCOZUCHIに関するよくある疑問を、質問形式でまとめておきます。
実際にCOZUCHIに投資家登録して以降の話ではありますが、ザっとチェックしてみてください。
元本保証はありますか?
貯金ではなく投資という性格上、COZUCHIに元本保証はありません。
そのためファンドの運用がうまくいかず、大きな損失を出した場合は元本割れを起こす可能性があります。
実際過去に、正確には不動産クラウドファンディングではないですが【maneo】というソーシャルレンディングの不正が発覚し、投資家たちがいまだに分配金を受け取れていない事件もあります。
そのためCOZUCHIへの投資はあくまで、損失リスクを背負ったものであることを再確認してください。
不動産クラウドファンディングとはなんですか?
不動産クラウドファンディングは、収益価値が高い不動産をみんなでお金を出しあい取得・運用することです。
通常マンション一棟などの不動産を購入するのは、費用がかなり高額になってしまいます。
そのため銀行からお金を借りたり、自分のもっている資産を売却したりなど購入資金を準備するのはとても労力がかかります。
ですがみんなでお金を出し合えば、出資者ひとりひとりの出資額は小さいので、高額な不動産でもスピーディに購入することができます。
もちろん出資する人は、なにもメリットがないとお金を出す理由がありません。
そのため出資した見返りとして、その不動産を運用(家賃収入を得たり転売など)して得られる収益を、出資したみんなで分け合うことを見返りとします。
これが不動産クラウドファンディングの仕組みです。
そもそも不動産投資って儲かるの?
大きな視点に立ったとき人口減少のただ中にある現在の日本では、不動産投資は「世帯数>住宅数」という状況があるので、不動産市場は先細りしていくとよく言われます。
つまり、家に住んでいる人以上に家が建っている状況です。
ですが中西氏に聞いてみたところ、
2023年は世帯数がピークで、今後人口とともに減少すると予想されています。賃貸需要も今後は横ばい、下落の可能性が高いです。
ですがもちろん地域差も大きく、都市部の賃貸需要は比較的影響が少ないです。また1LDK以上の賃貸の供給が少ないので、物件によっては今後も不動産投資をするのに有利な状況を作ることが可能です。
という見解で、きちんと投資先の不動産を選べばまだまだチャンスはありそうです。
もちろん不動産の目利きをできるようになるには、勉強が不可欠です。
ですがCOZUCHIやCREALなどの不動産クラウドファンディングは、不動産投資のプロがいい不動産を選んでくれるので、どういう物件が対象として選ばれているのか?を観察していると勉強にもなります。
インカムゲインとキャピタルゲインの違いは?
わかりやすくイメージでいうと、インカムゲインとキャピタルゲインの違いはこうなります。
・インカムゲイン→大家さんをみんなでやって家賃収入を分け合う
・キャピタルゲイン→不動産の転売ヤー
インカムゲインはその不動産からあがる家賃や利用料などの収益を狙うものです。
一方でキャピタルゲインは「差益」のことで、購入した価格よりも高く不動産を売却することを狙います。
ケースにもよりますが、おおむね利回りは「キャピタルゲイン」のものが高くなりますが、投資にまつわるリスクもやや高くなります。
得られた分配金は確定申告が必要ですか?
COZUCHIへの投資で得られた分配金が年間20万円を超えると、確定申告する必要があります。
あくまで分配金が20万円であり、出資額が20万円ではありません。
また年末調整をしているサラリーマンの方も、給料とは別にCOZUCHIから20万円以上の分配金を受け取った際は、確定申告が必要です。
ちなみにCOZUCHIからの分配金は、「雑所得」という勘定科目になります。
確定申告というとハードルが高く感じるかもしれませんが、サラリーマンの方がCOZUCHIから得た分配金を申告するだけなら、わざわざ税理士を雇うまでもありません。
最近の会計ソフトはとてもよくできていて、ポチポチとクリックしていくだけでも簡単な確定申告なら完了します。
会計ソフト選びには、こちらの記事も参考にしてみてください。
ちなみに20万円以上COZUCHIから分配金を得た方の確定申告は必須ですが、COZUCHIから分配金を受け取る際に「源泉所得税」という税金があらかじめ引かれています。
確定申告をすることで、この源泉所得税が戻ってくる可能性がありますので、確定申告をすることはなにも悪いことばかりではありません。
まとめ
以上、不動産クラウドファンディングCOZUCHIの評判やうまく活用するコツを見てきました。
本稿の結論をおさらいすると、COZUCHIにはこのような評価ができます。
▼本稿の結論
・COZUCHIは投資家からも好評で、十分おすすめできる
・COZUCHIから得られる利回りは4~5%がボリュームゾーン
・投資家余りのためCOZUCHI以外のサービスの併用を推奨
1万円から不動産投資ができ、物件の目利きも任せられるCOZUCHIは、2023年2月時点で不動産投資をこれからデビューする方にとっておすすめできるサービスです。
ですが不動産クラウドファンディング全体がいま投資家余りの状況になっているので、複数のサービスを併用するなど、投資機会を自ら確保していく必要があります。
COZUCHIをはじめ不動産クラウドファンディングをうまく活用して、素敵な不動産投資デビューを果たしましょう。