【フリーランス必見】個人事業主の節税対策徹底解説!!経費を増やして税金を減らす方法とは?!

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個人事業主で節税対策をしていない人はいないと言ってもいいでしょう。

そんな節税対策ですが、皆さんは本当にきちんと、網羅的に理解できているでしょうか?

今回は現役公認会計士・税理士が節税対策を徹底解説いたします。

目次

節税のポイントは経費を増やすor控除を増やす

個人事業主の支払う税金は多岐にわたります。

税金の種類によって支払う税金の額の計算式は異なりますが、比較的多くの税金が以下のような計算式で計算されます。

(厳密にはその他の色々の要素が計算式に入ってきますが、わかりやすいように大枠の計算式を示しています。)

ポイント

収入-必要経費=所得金額

所得金額-所得控除=課税所得金額

課税所得金額×税率-税額控除=税金

ここにでてくる要素のうち、「収入」はたくさん上げるに越したことはないため、基本的に調整することはできません。

また、税率も基本的にはあらかじめ決まっています。

したがって税金をできるだけ減らしたいのであれば、必要経費(以下、経費とよびます)を調整するか、控除(所得控除や税額控除)を調整するのかのどちらかが重要になってくるわけです。

ここで、経費というのは、事業に必要なものであれば上限はなく計上できます。

一方で、控除は色々なものがありますが、国の政策上設けられた制度であり、基本的には上限があります。

したがって、特に自由に調整ができる可能性がある経費の方が節税にとって重要になってきます。

節税対策がしやすいのは所得に対して税金を支払う所得税、住民税、事業税

個人事業主が支払う可能性のある税金は多岐にわたりますが、特に、「所得税」・「住民税」・「事業税」・「消費税」については、多くの個人事業主にとって、事業を行う上で払う必要がある税金になります。

まず、各税金についてどうやって計算するのかをある程度は、理解しておきましょう。

内容計算方法
所得税個人の所得に対して、支払う税金原則として、

収入-必要経費=所得金額

所得金額-所得控除=課税所得金額

課税所得金額×税率-税額控除=税金

で計算される。

住民税都道府県や市区町村がおこなう行政サービスを維持するために、その地域の住人が、その地域に対して支払う税金所得割:所得税の計算と原則同じ方法

均等割:所得にかかわらず、一定額

事業税

(=個人事業税)

事業を営むことに対して、支払う税金所得税の計算と原則同じ方法
消費税サービスなどの消費に対して、最終消費者が支払う税金原則、収入をあげる際に受け取った消費税から、その収入をあげるために支払った消費税を差し引いて計算される。この差し引き結果がプラスの場合は、その額を支払い、マイナスの場合は、還付を受けることができる。

この中で基本的に、所得税と事業税の全部と住民税の一部は、前述したような計算式で計算されます。

つまり、課税所得金額に対して一定の税率をかけて、税金を計算しています。

また、この税率のうち、法人税については、累進課税方式という制度が採用されており、課税所得金額が大きければ大きいほど、税率が高くなっていくという方式になっています。

所得税の累進課税について

所得税の税率は、累進課税方式が採用されており、5%から45%まで7段階の税率に分かれています。

この税率は、課税所得金額に応じて変わっています。

所得の多い人からは多くの税金を、少ない人にはそれなりの税金を負担させられるということです。

所得に応じた税率は、累進課税表を使用すると簡単に求めることができます。

▼所得税の累進課税表

課税される所得金額( 課税所得金額 )税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

引用元:国税庁

例えば、課税所得金額が 300万円の場合、所得税は次のように計算できます。

計算例

( 3,000,000 x 10% ) – 97,500 = 202,500円

この場合、実質的に202,500円÷3,000,000円=7%程度の税率になっているということになります。

一方で、課税所得金額が5,000万円の場合、所得税は次のように計算できます。

計算例

( 50,000,000 x 45% ) -4,796,000 = 17,704,000円

この場合、実質的に17,704,000円÷50,000,000円=35%程度の税率になっているということになります。

課税所得が多いことによってここまで税率が上がってしまうということです。

この累進課税方式こそが、経費や控除をできるだけたくさん計上し、課税所得を減らすという節税術をしっかりとやるべきと、筆者が主張する最大の理由です。

確定申告の直前(年末近く)になってから、経費、控除を増やすことは難しい

所得税、住民税、事業税などを決定する際の所得は、毎年1月1日から12月31日までの分を集計し、翌年の2月15日から3月15日までの間に確定申告という方法で税務署に自己申告します。

節税対策をしようとしても、年明けの確定申告の直前(年明け)になると完全に手遅れなことは、上記の所得の期間を見れば明らかだと思います。

また、年末前であっても、経費や控除を増やそうとしても、なかなか難しいというのが筆者の意見です。

年末にたくさんの物を購入して、短期的に経費を増やそうとする個人事業主をよく見かけます。

しかし、基本的に10万円以上の物を購入した場合には、減価償却という制度の適用対象になり、その全額を経費にすることはできません。

また、節税を意識するあまり、不要になるような物を大量買いして、結果的に使えないものに支出してしまうのは、かえって損になります。

このような制約があることから、年末にまとめて経費を増やして節税するというのはなかなか難しいのです。

年末が近づいてからあわてて節税を意識するのではなく、常に節税を意識しておく必要があるのです。

経費を増やすために必要なことは、経費になるものならないものをしっかりと理解すること!

繰り返しになりますが、節税対策で最も重要なことは経費を増やして所得を下げることです。

さらに言うと、経費を増やすためには、経費になるものならないものを細かく理解した上で、経費になるものはすべて経費にするというのが一番重要になってきます。

控除を増やすために必要なことは、控除を増やせるお得な制度を網羅的に理解すること!

節税対策として、経費と共に重要なポイントが控除です。

保険制度を利用した所得の控除、ふるさと納税のような寄付金控除やiDeCoのような制度など、控除を増やすお得な制度が多々、存在します。

控除をしっかりととりにいくためにも、このお得な制度をしっかりと網羅的に理解しておく必要があります。

経費になるもの、ならないもの徹底解説

では、ここからは、経費になるもの、ならないものを徹底解説していきます。

経費になるもの、ならないものをしっかりと理解して、経費になるものはもれなく経費に計上しましょう。

青色申告を必ず選択する

税務署に所得や納税額などを申告する確定申告には、大きく分けて「青色申告」と「白色申告」の2つの方法があります。

白色申告届出を出していない場合、この申告になる。青色申告より簡単だが、特典を受けられない。
青色申告届出を出した上で、白色申告より複雑な経理を求められるが、さまざまな特典を受けられる

上記の特典というのは、本当に多岐にわたりますが、主に以下のような特典があります。

青色申告の特典

  1. 青色申告特別控除(最大65万円)が受けられる。
  2. 純損失の繰越控除が受けられる。
  3. 青色事業専従者給与や少額減価償却資産の特例など経費にできる範囲が広がる。

そのため、これから個人事業主になる人や、現在白色申告を選択している人は、青色申告を選択もしくは変更することをおすすめします。

ここで、青色申告の特典としてあげた上記の3点のうち、3については、後ほど個別に説明いたしますが、1と2についてはこの章で簡単にご紹介しておきます。

まず、1の青色申告特別控除ですが、こちらは最高で65万円の控除を受けることができます。

この控除というのは簡単にいうと、その分所得から引けるという風に理解いただいて問題ありません。

ただし、この65万円の控除を受けるためには条件があります。

青色申告の届出をし、青色申告で確定申告をしている個人事業主でかつ、e-Tax(電子申告)を使用して確定申告をしていることです。

ちなみに電子帳簿保存を行っていることでe-Taxのかわりになりますが、あまり利用している人がいないため、無難にe-Taxでの申告をするようにしておきましょう。

なおe-Taxはのちほど説明しますが、会計システムを利用していれば、まったく問題なくできます

ハードルになるような話ではありませんのでご安心ください。

次に、純損失の繰越控除です。

これは、その年に生じた純損失(赤字)を、翌年以後3年間に発生した所得(黒字)と相殺することができます

これが「純損失の繰越控除」という特典です。

どういうことか具体例をあげて説明すると下の表になります(わかりやすくするために単純にしています)。

課税所得翌年に繰り越す欠損金所得税
1年目△500万円(赤字)500万円
2年目+400万円(黒字)100万円
3年目+400万円(黒字)300万円×税率

1年目は赤字でしたので、所得税は原則かかりません。

2年目は、1年目の赤字と2年目の黒字を相殺すると、2年目が黒字だったにも関わらず100万円の赤字になります。

そのため、2年目も所得税は原則ゼロになります。

3年目は400万円の黒字ですが、相殺でもまだ100万円が残っているため300万円に対して所得税がかかってきます。

このように、青色申告の特典を利用すれば赤字を翌年以降の黒字と相殺することができて節税になります

個人事業主を始めたばかりの人は赤字になることも多々あります。

この制度を利用するためにも最初から青色申告を選択しておくことをおすすめします。

経費になるものは事業に関係のある支出

経費とは、事業を行うために使った支出もしくは費用のことですが細かくは法律で定められていません。

国税庁では経費について「No.2210 やさしい必要経費の知識」にて次のように定めています。

参考

事業所得、不動産所得及び雑所得の金額を計算する上で、経費に算入できる金額は、次の金額です。

1、総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額

2、その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

引用元:国税庁

全然「やさしく」ないじゃないかというツッコミがでそうですが笑

つまりわかりやすく言うと、「事業で売上を得るために、直接支払った費用」というイメージで問題ありません。

逆にいうと、プライベートな支出じゃないかと疑われるものは経費にできないということです。

経費にするためには原則領収書が必要!?

現金払いが当たり前であったほんの数年前まで、領収書は原則必要でした。

今は、クレジットカード、電子決済、ICカード決済などが当たり前になっているため、実は領収書は原則として、必要ありません。

現金払いの時だけ領収書もしくはレシートをもらうようにしておけば基本的に問題ないのです。

なぜなら、クレジットカード、電子決済やICカードはすべて、その支払った日付と金額及び支払い先が決済会社から発行される明細によって明確に証明されるため、領収書に記載される項目と全く同じ項目が証明されるからです。

経費となるものはそもそも何がある?

日々の業務で発生する経費は、いくつかの種類に分けることができます。

例えば、電話代や郵送代は「通信費」として同じ種類として考えることができます。

この通信費の様に同じ種類の支出を、分類した〇〇費なるものを「勘定科目」といいます。

実は確定申告においては、この勘定科目ごとに集計した経費を申告書に記入しなければなりません。

ちなみに、経費を勘定科目ごとに集計するために利用されるのが「仕訳」です。

経理をやっていない人にとっては、この「仕訳」と「勘定科目」というものを理解するのに一苦労するかと思いますが、経営者になるのであれば、この2つの理解は必須ですので、覚悟して理解するようにしてください。

それでは、話を「勘定科目」に戻します。

では、実際にどのような勘定科目が使われているのでしょうか?

国税庁に、所得税青色申告決算書(一般用)の雛形が公開されており、この中に一般的な勘定科目の一覧があります。

詳細な説明はここでは省きますが、それぞれの概要についてまとめます。

申告書に見る勘定科目

この勘定科目になるようなものは経費として、一般的に発生するものと、税務署も認識しているわけですから、まず、この勘定科目をおさえることで経費を網羅的に把握できるというわけです。

租税公課固定資産税、自動車税、不動産取得税、印紙税、個人事業税、公的な組合の会費など
荷造運賃荷物を発送するための運賃や、段ボールやガムテープといった梱包品の費用
水道光熱費事業用に使った水道代、電気代、暖房費など
旅費交通費仕事で利用した交通費や、出張時にかかった宿泊費など
通信費電話代、切手代、インターネット料金など
広告宣伝費広告宣伝のための費用
接待交際費営業活動を進めるための接待や贈答品などに使った費用
損害保険料棚卸資産や事務所、店舗、工場、機械などの事業用資産に対してかけた火災保険や自動車保険など、掛捨ての損害保険料
修繕費事業用のパソコンや車などの修理・修繕のための費用、事務所の補修費用など
消耗品費文具や小物、時計、机、棚、などの消耗品、その他10万円未満の備品など
減価償却費固定資産の価値を、耐用年数に応じて数年で分けた経費
福利厚生費事務所で飲むお茶代や従業員との会食費用などの他、社会保険の事業主負担分など
給与賃金従業員の給与など
外注工費外部業者に委託した加工、工事、デザイン、ホームページ作成費用など
利子割引費事業を営むための借入金にかかる利息の支払い、受取手形の割引料など
地代家賃事務所や店舗、駐車場の賃料など
貸倒金回収不能となった債権の損失金額
雑費他のどの勘定科目にも当てはまらない少額の費用
貸倒引当金貸倒れに備えて、一定額を積み立てたもの
専従者給与生計を一にしている家族に支払う給与

【意外と知られていない経費になるもの①】自宅兼事務所などの家賃は家事按分で経費に落とせる

起業したての個人事業主は、事務所を借りずに自宅で仕事をしているケース(自宅兼事務所のケース)が多くあります。

自宅兼事務所の家賃については、その一部を経費として計上することができますが、全額を経費にすることはできません

ここで出てくるのが「家事按分」です。

「家事按分」という方法を利用して、事業で使用した割合分だけ家賃を経費にできます。

この割合は合理的に説明できる割合でなくてはいけません。

家賃の家事按分で、一番良く使われているのが、面積を利用する方法です。

自宅全体の面積と、事業用に使用している部分の面積から割合を算出する方法です。

例えば、自宅の総面積が110㎡で事業用に使用している部分の面積が20㎡、共用部分が30㎡とします。

その場合には20÷(110-30)=25% を事業用として経費にすることができるのです。

家賃が10万円だった場合に、経費として計上できるのが、2万5千円になります。

この時、この2万5千円は「地代家賃」として経費に出来て、残りの家賃は「事業主貸」として仕訳をきります。

ちなみに、事業用の口座から自宅兼事務所の家賃全額を大家に支払った際の仕訳は以下のようになります。

参考

地代家賃 25,000円 / 現金預金 100,000円

事業主貸 75,000円

この「事業主貸」というのは、事業用の口座からプライベートな費用を支払った時や、事業用の口座からプライベートの口座に現金を移した際などに使います。

個人事業主でしか出てこない勘定科目ですが、個人事業主にとっては必ず覚えておかなければならない勘定科目になりますので、しっかり理解しておきましょう。

家賃以外にも次のような支出も家事按分を利用して経費にできます。

家事按分して経費にできるもの

  • 自宅兼事務所の電気代、水道代、損害保険料、修繕費、インターネット使用料
  • 自家用車を事業で使用した時のガソリン代、減価償却費、駐車場代
  • プライベートの携帯電話を事業で使用した際の電話代

家事按分の割合は、合理的に説明できれば、個人事業主が自由に決定して良いことになっています。

ただし、自由といっても、結局は税務署に説明がつくかどうかという話になるため、一般的に使われている方法を使うのが無難です。

事業で使用した時間や使用した日数などから導き出す方法が一般的です。

ただし、車関係であれば走行記録から距離を利用する方法、光熱費であればコンセントの数を利用する方法などもありますので、ケースバイケースで考えていきましょう。

ちなみに、「なんとなく50%くらい事業で使っているから50%を事業割合にしました」は通用しませんので注意してください。

【意外と知られていない経費になるもの②】友人と仕事の話をした場合の会食代は接待交際費で落とせる!?

個人事業主になると、経営者仲間などの、仕事関係なのか友人なのか区別がつかないようなつながりも増えてきます。

また、今まで友人だったけども、今後一緒に事業をしていきたいと思っている友人であることもあります。

そういった人との飲食代はどう扱えばいいのでしょう。

結論としては、目的次第で経費に落とせます

その目的が、今後の事業の構想を話あうことが目的であれば「会議費」という勘定科目を作って、経費に落とすことができます。

もし、会議目的の会食がほとんどなければ、「雑費」でも問題ありませんし、会議目的のものでも「接待交際費」としてしまっても問題はありません。

また、その目的が、今後の契約締結が目的であれば、接待になりますので、「接待交際費」として経費に落とすことができます。

したがって、どういう目的で会食をしたのかということをしっかりと説明がつけば、飲食代は経費にすることができるということです。

税務調査が入った時に、経費としている理由を細かく聞かれる可能性がありますので、どういう目的だったのかメモをすることだけは忘れないようにしてください。

例えば、「A社の社員Bさんと〇〇目的で会食」くらいのメモで十分です。

【意外と知られていない経費になるもの③】消費税や固定資産税などの税金も経費に落とせる

経費は、事業をおこなうために必要な支出(費用)です。

これは、税金でも同じです。

しかし、経費に出来ない税金もあります。

ここでは、経費になる・ならない税金を一覧でまとめます。

経費になる税金経費にならない税金
消費税

個人事業税

固定資産税、償却資産税

自動車税

印紙代(税)

登録免許税、不動産取得税

所得税、住民税

相続税、贈与税

各種加算税、加算金、延滞税等、罰金

交通違反金

損害賠償金

国民健康保険料、国民年金保険料、ふるさと納税

国民健康保険料や国民年金保険料そしてふるさと納税は、経費とはなりませんが、この後に解説する控除の対象になります。

事業を営む上で発生する税金は経費になるが、罰金は基本経費にできない」と覚えておくと良いかもしれません。

所得税や住民税はそもそも事業をしていないサラリーマンでも払う必要があるものなので、事業を営む上で発生する税金ではありません。

【意外と知られていない経費になるもの④】短期前払費用の特例が利用できる

支払った時に支払った額、全額をなんでもかんでも経費にできると考えている人もいるのではないでしょうか?

お金を支払ったらすぐに経費にできるものがほとんどなのですが、実は、10万円以上の備品や、長期契約の事務所の礼金で20万円以上のものなどは、支払った額全額を支払った時点で経費にすることができません

これらは原則として、一定の期間で案分して徐々に経費にしていくことになります。

例えば、ホームページのサーバー費用などは、一般的に1年間分を前払いするようなケースが多いです。

これについても、例えば12月1日~11月30日まで分12,000円を12月1日に支払ったとすれば、原則として、12月から毎月1,000円(12,000円÷12か月)ずつを経費にしていかなければなりません。

ここで短期前払費用の特例の出番です。

実は短期前払費用の特例を利用すれば、このサーバー費用は、12月1日の支払時に12,000円全額を経費にすることができます。

短期前払費用の特例とは、1年間継続して受けるサービスに対して、一括して1年分を前払いした場合には、前払いした全額を経費として計上できるという制度なのです。

では、この特例がどう節税につながるかといえば、ずばりこうです。

利益がたくさん出そうな年の年末に、新たにサーバーを借りるなどして、サーバー費用をまとめて、その年の経費にしてしまうことで、向こう1年に効果がわたる支出をその時の経費にしてしまうことができる

ただし、この特例は、使える条件がありますので、条件はよく確認してください。

たとえば弁護士の顧問報酬などは、この制度を使えないとされています。

【意外と知られていない経費になるもの⑤】減価償却費にできるものは減価償却費にする

減価償却を説明するためには、減価償却性資産を知っておく必要があります。

減価償却性資産とは、建物・車・機械・ソフトウェアなどの資産の内、取得金額が原則10万円以上のものになります。

この減価償却性資産については、他の費用のように支出時に全額を経費にするということができず、一定の期間(耐用年数という)で支出額を按分し、少しずつ経費として計上しなければなりません。

これを、減価償却といいます

このとき使用する勘定科目が「減価償却費」とよびます。

ここで出てくる耐用年数と呼ばれるものは、資産の寿命のようなもので、その資産を何年使うかにかかわらず、あらかじめ細かく定められている耐用年数表というものに記載されている年数を利用しなければなりません。

参考:国税庁HP

例えば、車の場合だと新車を購入した時の耐用年数は、普通自動車で6年、軽自動車で4年となっています。

そのため、普通自動車を事業用に購入した場合には、購入金額を72か月(6年×12か月)で割って毎月、減価償却費として経費計上することができます。

個人事業主の青色申告では原則「定額法」という計算方式を使用しますが、届出を出せば「定率法」という方法に変更することができます。

「定率法」は簡単にいうと、初年度は減価償却費が多く発生し、年をおうごとに減価償却費が定率で下がっていくような計算方法です。

トータルでみた場合の経費にできる額にかわりはありませんが、たくさん利益がでている年度であれば、できるだけ早く減価償却費で経費を増やしたいという人もいるかと思います。

そういった方は「定率法」の届出を出しておくことをおすすめします。

車のような高い買い物をしたときはこの方法の違いで結構経費の額がかわります。

原則、減価償却性資産にしなければならない基準は10万円以上となっていますが、青色申告を選択している場合、特例があります

それは、「少額減価償却資産の特例」です。

この特例を使えば、30万円未満の資産は一括で経費に計上することが認められています。

ただし、2つ注意点があります。

注意ポイント

1、1年間の合計金額は、300万円までが限度です。これを超える場合には、上記で説明した減価償却を行わなければいけません。

2、開業した最初の年の限度額は、300万円ではなく月割計算になります。例えば、5月に開業した人は下記の計算で分かるように200万円が限度額になります。

( 300万円 ÷ 12ヶ月 )× 8ヶ月(5月~12月) = 200万円

また、「一括償却資産」という制度があります。

これは、購入金額が10万円以上~20万円未満の資産については、耐用年数を無視して3年間で3分の1ずつ均等に減価償却できる制度です。

ちなみにこの制度は白色申告を選択していても適用できます。

例えば、12万円のパソコンを10月に購入して一括償却資産を利用して減価償却する場合の仕訳はつぎのようになります。

参考

×年10月1日

一括償却資産  120,000       現金   120,000

×年12月31日

減価償却費    40,000 一括償却資産  40,000

×+1年12月31日

減価償却費    40,000 一括償却資産  40,000

×+2年12月31日

減価償却費    40,000 一括償却資産  40,000

仮にこのパソコンを、通常の減価償却にした場合の仕訳は以下になります。

パソコンは耐用年数4年です。

パソコンの法定耐用年数

参考

×年10月1日

固定資産      120,000       現金   120,000

×年10月31日 以降毎月末

減価償却費  2,500    固定資産 2,500

したがって、通常の減価償却費だと初年度は3カ月分の7,500円しか経費にできないことになります。

一括償却資産であれば40,000円経費にできたわけなので、だいぶ経費にできる額がかわってくるというわけです。

【意外と知られていない経費になるもの⑥】経営セーフティ共済への加入

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖的な倒産や経営難におちいることを防ぐための制度です。

無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れでき、掛金は経費に算入できる税制優遇も受けられます。

経営セーフティ共済への加入は、健全に事業を1年以上行っていれば加入できます。

個人事業主が掛金を経費として算入するには、任意の用紙で以下の様式例『中小企業倒産防止共済掛金の必要経費算入に関する明細書』を作成し、確定申告書に添付してください。

中小企業倒産防止共済掛金の必要経費算入に関する明細書

経営セーフティ共済のいいところと良くないところを理解し、上手く活用すれば節税対策に効果があります。

いいところ

  1. 掛金全額が経費にできて節税になる
  2. 掛金は5,000円~20万円まで毎月変更可能
  3. 40ヶ月以上納めている場合、解約すると掛金が戻ってくる
  4. 掛金を前納するとキャッシュバックが受けられる
  5. 年末に一括払い込みができて、最大260万円を経費にできる
  6. 共済金の貸付が受けられる

よくないところ

  1. 加入後40ヵ月未満で解約すると元本割れする
  2. 借入金額の10%が掛金から減額される
  3. 解約手当金は事業所得計算における収入になる

経営セーフティ共済の掛金は、経費として計上することが認められています

勘定科目は「損害保険料」を使っておけばよいでしょう。

【意外と知られていない経費になるもの⑦】専従者給与を使って所得分散する

青色申告を選択している個人事業主は、一緒に仕事を行っている配偶者や家族に支払っている給与を経費にして事業所得を減らすことができます

そのためには、次の条件が必要となります。

専従者給与の条件

さらに、専従者として認定されるためには下記の条件が必要です。

認定の条件

  • 個人事業主本人と生計を一にする配偶者その他の親族であること
  • その年の12月31日時点で15歳以上であること
  • 原則として、年に6ヶ月を超えて個人事業主の営む事業にもっぱら従事していること

「 生計を一にする( 同一生計 )」の考え方としては、「財布を一緒に生活している」です。

それだけでは分かりづらいので、以下に例をあげます。

参考

  • 同居している場合は基本的に同一生計とされます。また、通常は仕事等の都合により別居であっても余暇は親族と起居を共にしているときや、親族間において常に生活費等の送金が行われているときも同一生計として扱われます。
  • 同居しているが別生計とされるケースとしましては、二世帯住宅で1階と2階に各々台所等が存在しており、生活費を共通負担としておらず、食事の時間も異なっている等、明らかに互いに独立した生活をしているときなどが考えられます。

さらに、1年をとおして6ヶ月以上個人事業主の営む事業で働いている必要があります。

そのため、週に1日といった頻度では専従者としては認定されません。

これらの条件に合致すれば、一緒に仕事をおこなう配偶者や家族へ支払う給与は専従者給与として全額経費にすることができます。

勘定科目は「専従者給与」です。

ただし、注意点が1つあります。

専従者給与をうける親族は、配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除を受けることができません

ちなみに、白色申告の場合には、経費にはできませんが、控除ができます。

この金額は、決まっていて、配偶者は86万円、その他の親族は50万円 です。

【意外と知られていない経費になるもの⑧】債権の貸し倒れ

「得意先が倒産した」などの様々な理由で、得意先に対する売掛金や貸付金などが回収不能になったとき( いわゆる貸し倒れ )に、その損失額は「貸倒金」として経費にすることができます。

しかし貸倒金は、回収不能になったと勝手に判断して、損失として計上できるわけではありません

回収の努力もしていないのに経費計上することを認めてしまうと、不正に経費をあげるようなことも可能になってしまうからです。

税務上は、下記国税庁のHPにも記載されていますが経費に算入できるケースが決まっているため、しっかりとこの条件のどれかにあてはまるのかを確認しましょう。

ちなみに、「貸倒金」のことを法人では「貸倒損失」とよんでいますので、このHPの「貸倒損失」は「貸倒金」と読み替えてもらえると良いかと思います。

結構、内容としては難しく、判断に悩むような場合も多いかと思いますので、その場合は税理士に相談することをおすすめします。

【意外と知られていない経費になるもの⑨】借入金の利子

個人事業主として銀行からがっつりお金を借りる人は少ないかもしれませんが、持ち家の自宅で仕事をしている人が、住宅ローンなどを支払っているケースはそれなりにあるかと思います。

住宅ローンや借入については、その元本の支払いは経費にすることはできませんが、利息の支払いは、経費とすることができますので、忘れず経費にしましょう。

ちなみに、持ち家の自宅で仕事をしている場合の、住宅ローンの利息の支払いは、全額ではなく家事按分して事業利用割合分のみを経費にすることにも注意してください。

ちなみに、勘定科目は「利子割引料」をつかうとよいでしょう。

【意外と知られていない経費になるもの⑩】会費

一言で、会費といっても商工会費・クレジットカードの会費・同窓会費など様々なものがあります。

それらの事業を行っていく上で必要な会費もすべて経費にできます。

定期的に発生するのであれば、「諸会費」などの勘定科目を作ってそこに入れるようにしましょう。

めったに発生しないのであれば「雑費」でも問題ありません。

会費で一つ気を付けておきたいのでが、ゴルフクラブの年会費です。

実はこれはよほどの理由がない限り、個人事業主では、経費にすることができないと言われています。

ただし、プレー費は接待目的であれば経費にすることができます。

法人だと年会費は経費にできるため、ついつい法人の知識を持っている人が勘違いするようなケースもあるかと思いますので、注意してください。

なぜ、個人事業主は年会費を経費にできないかというと、法人と違って個人事業主はプライベートと事業を両立している人だと理解されているところがあるからです。

さすがに、年会費は直接的に接待目的で支払っているとは言えないだろうというわけです。

一方で、法人会員としてゴルフクラブの年会費を払うのであれば、法人は事業を通じて利益を獲得するための経済集団なのだから、その年会費は業務を行う上で必要なものに違いないと判断されるというイメージです。

【意外と知られていない経費にならないもの⑪】個人事業主自身の給料や健康診断の費用や病院代

法人の場合、社長へ支払う給与は全額経費となります。

法人は個人事業主とは違い、利益を追求する一つの経済集団であり、どんだけ社長がワンマンであったとしても個人とは別の法人格とみられているからです。

一方で個人事業主の場合、事業で発生した収入から経費を差し引いた所得額が、個人事業主の実質的な給与と考えられています。

そのため、個人事業主自身の給与を経費にすることはできません

同様に、個人事業主本人の健康診断・人間ドックや風邪などで病院へいった際の費用も経費にはなりません

もし、従業員を雇用している場合の給与は「給与賃金」として経費に計上出来ますし、従業員へ健康診断を受けさせる費用は「福利厚生費」として処理できます。

【意外と知られていない経費にならないもの⑫】10万円以上かかるいわゆる固定資産

前述したとおり、基本的に、事業用に10万円以上の物品等を購入した場合、減価償却性資産となります。

そのため、購入日に全額を経費として落とす事ができません。

金額が高いものを年末に経費にできると思って支払ったが実際は難しかったみたいなことはよく起こります。

あまり触れている記事がありませんが、効果が長期にわたるものは、長期前払費用としてあげなければならないというルールなどの特殊なものも存在します。

基本的に一回の支払いが大きいものは全部を経費にすることができない可能性があるということを必ず覚えておきましょう。

ただし、よくやられている手法ですが、10万円未満の消耗品費を大量買いしておくなどの方法が、節税対策には地味に有効です。

意外と知られていない経費にならないもの⑬借入金の元金の支払い

先ほど借入金の利息は経費にできるという話をしましたが、借入金の元本の返済は経費にはなりません。

もし、お金を借りるという行為が収入にできるのであれば、返済という行為は経費にできるかもしれませんが、お金を借りるだけでは収入にはなりませんので、返済も経費にはなりません。

意外と知られていない経費にならないもの⑭神社へのお布施なども経費になる?

年始に商売繫盛を願い、お布施をするような会社の経営者や個人事業主も多いのではないでしょうか。

このときに支払うお布施(初穂料・祈祷料・玉串料)などは、個人事業主の場合、経費にすることができないという判例があります。

例えば、よほど商売繁盛の神様が宿るとされている神社で個人事業主としての事業のためだけに払った祈祷料だと証明できるような場合には、経費として認められる可能性もあるかもしれませんが、判例がある以上、あまりおすすめはできません。

事業に直接的に必要とはいえないからというのが理由です。

ちなみに法人では寄付金として費用にすることが認められています。

法人はあくまで利益を出すための経済集団であるため、基本的に法人として支払ったものはすべて経費にできるというのが理由です。

経費を計上するタイミングも実は重要

ここまでは経費になるものを紹介してきました。

経費になるものも重要ですが、実は経費に計上するタイミングも重要です。

節税において重要なのは所得の状況により、経費を計上するタイミングを見極める必要があるということです。

収入の変動に合わせて経費の使い方を考える

一般的には、経費は収入にぶつけて、所得をできる限りゼロに近づけることが節税には有効です。

収入が安定的に出ることが見込まれ、所得も一定以上出るというのがあらかじめわかっているのであれば、経費はできる限り前倒しで上げられるようにした方が有効です。

一方で、収入が徐々に増えていくことが見込まれている場合には、あえて翌年度に経費を回した方が節税に有利に働く場合もあります

また、収入の変動が激しく、たまたま年末に収入がどさっと上がった場合には、急いで経費を使った方がいい場合もあります。

消耗品費の大量買いも時には使える

先ほども少しお伝えしましたが、年末に駆け込みで経費を増やすためには、10万円未満の消耗品を大量するのも有効な方法です。

また、青色申告であれば30万円未満のものは一括で経費にできる特例があります。

この特例を使えば、古いパソコンを20万円程度の新しいパソコンにまとめて更新してしまうなんて方法も有効になってくるかもしれません。

注意点としては、この特例が利用できるのは300万円までなので、既に色々と物品を購入してこの特例を利用している場合には、特例の範囲から外れてしまう可能性があります。

中古車の購入で節税している人もいる

基本的に車のような高価なものは、「少額減価償却資産の特例」も使えないケースが多いため、年末に駆け込みで買うといった節税は効果的ではありません。

しかし、「4年落ちのベンツで節税」なんて言葉を聞いたことはないでしょうか?

実は、「4年経過の中古車×定率法」で、車を買った場合でも短期的に節税効果を出せる方法があります。

まずは、中古資産の耐用年数がポイントになります。

中古資産の耐用年数については、国税庁のHPを参考にしてください。

中古資産の耐用年数はまず原則は、使用可能期間を見積もってその年数を使ってくださいとされています。

しかし基本的には、使用可能期間を見積もることは困難です。

そこで、新品で購入した時の価格の50%以下の購入価格であることが条件にはなりますが、簡便的な一律の計算方法で耐用年数を計算してもよいとされています。

今回の4年経過の中古自動車の場合、耐用年数は以下のように求められます。

参考

6年(耐用年数)―4年(経過年数)+4年(経過年数)× 20%

=2.8年 → 2年(端数切捨)

つまり、耐用年数を2年にできるということです。

この耐用年数2年というのと相性が抜群なのが定率法です。

個人事業主の場合、届出を出していないと定額法を選択する必要がありますが、届出を出すことで定率法にすることができます。

そして定率法で耐用年数2年の場合、なんと、1年間で購入代金の全額を経費にすることができてしまいます

「耐用年数2年なのに1年で?」と不思議に思われる方もいるかもしれませんが、これはある種、税法の抜け穴のようなものだと理解いただければよいかと思います。

例えば、耐用年数3年であれば、初年度に1÷3×200%=2/3を経費にすることができます。

実は定率法の場合、初年度に経費にできる額の計算を

初年度の経費計算

1÷耐用年数×200%

で計算するように設定されていることから、2年の場合は1年で100%を経費にすることができてしまうという抜け穴が存在してしまっています。

さて、話を元に戻します。

この「4年経過の中古車×定率法」を使った具体例を改めて示しましょう。

例えば、年の途中6月で、今年は結構利益が出そうだと判明したとします。

その場合、すぐに4年経過の高級車(新車価格1,000万円)を300万円で買います。

定率法の届出もしっかり出していると仮定します。

まず、この高級車の耐用年数ですが、1,000万円の新車価格の半分以下の300万円ですので、先ほどの計算式をつかって2年と算定されます。

この場合、6月から毎月300万円÷12=25万円を経費とすることができます。

したがって、6月から12月までの7か月間分が購入年度の経費となりますので、結果として25万円×7か月=175万円を経費とすることができるというわけです。

これが1月に購入していたとしたら、全額が経費になります。

なかなかお得な節税術ではないでしょうか。

控除を増やせるお得な制度を網羅的に解説

ここまでは「経費」を中心とした話をしてきましたが、ここからは「控除」が中心です。

納税する税金を減らすことができる控除には大きく分けて「所得控除」と「税額控除」の2種類があります。

所得控除税額控除
説明課税対象となる所得金額を減らす事ができる制度控除額をそのまま直接所得税などから差し引くことが出来る制度
具体例・基礎控除

・配偶者控除

・扶養控除

・社会保険料控除

・生命保険料控除

・地震保険料控除

・医療費控除

・寄付金控除(所得税)

・住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)

・配当控除

・寄付金控除(住民税)

【控除制度①】一般的な控除(基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除)

まず4つの一般的な控除について説明します。

これは節税テクニックになるようなものではありませんが、基本的な知識として抑えておく必要があるため、ここで紹介しておきます。

【 基礎控除 】

基礎控除は、職業や扶養者の有無に左右されず、誰でも一律で受けられる所得控除です。

控除金額は、令和元年分以前は一律38万円で固定でしたが、現在は原則48万円

所得が多い人はゼロと変更がかかっていますので注意してください。

これは会社員や個人事業主に限らず納税者全員が受けられる控除です。

合計所得金額控除額
2,400万円以下48万円
2,400万円超~2,450万円以下32万円
2,450万円超~2,500万円以下16万円
2,500万円超0円

【 配偶者控除 】

個人事業主に控除対象となる配偶者がいる場合に、受けられる所得控除です。

対象となる配偶者の範囲は、その年の12月31日の時点で以下の4つの条件に当てはまる人です。

配偶者控除の条件

  1. 民法の規定による配偶者であること
  2. 個人事業主と生計を一にしていること
  3. 年間の合計所得金額が、48万円以下であること
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと。

そして、控除金額が個人事業主本人の事業所得や年齢によって変わります。

個人事業主の合計所得金額一般的な配偶者控除額老人配偶者控除額
900万円以下38万円48万円
900万円超950万円以下26万円32万円
950万円超1,000万円以下13万円16万円

ここで、老人配偶者控除とは配偶者がその年の12月31日時点の年齢が70才を超えている場合の控除額です。

ちなみに配偶者控除についても、令和元年以前と取り扱いが異なっていますので、注意してください。

【 配偶者特別控除 】

配偶者に48万円を超える所得があるために、配偶者控除が受けられない場合に配偶者の所得に応じて一定の所得控除が受けられます

ただし、この配偶者特別控除は夫婦間でお互いに受けることはできません。

内容が複雑であるため、今回は割愛しますが、基礎控除と同様に、令和2年から制度が少し変わっていますのでその点は注意してください。

詳しくは、下記URLを参考にしていただければと思います。

【 扶養控除 】

個人事業主に控除対象の扶養親族がいる場合に、受けられる所得控除が扶養控除です。

概要を簡単にお伝えすると、一般扶養親族の場合、38万円の所得控除を受けられる制度です。

年齢によっては、最高で63万円までに上がります。

詳しくは国税庁HPを参考にすると良いでしょう。

【控除制度②】ふるさと納税は必ずフル活用する!

筆者が控除制度で一番おすすめする節税方法がふるさと納税です。

また、利用したことがない人は一度検討してみることを強くおすすめします。

個人事業主だけでなく、サラリーマンでも利用できます

ふるさと納税は、好きな自治体や応援したい自治体へ寄付ができる制度です。

最大のメリットは寄付額の30%程度の価値の返礼品を受け取ることができ、払った寄付金はほぼ全額が控除の対象になるということです。

つまり実質ほぼ無料(2,000円)で、返礼品を受け取れるということです。

このふるさと納税には一点だけ、注意点があります。

それは一定の上限額があることです。

この上限額は、ふるさと納税する年度の所得により計算されます。

これを知らずに、上限額をこえた寄付をした場合には、節税どころか完全に自腹で寄付をし、3割程度の返礼品をもらったことになってしまいますので注意が必要です。

個人事業主の場合、自身の所得が確定してくる年末にかけてふるさと納税を進めていった方が無難というわけです。

ちなみに、上限額は、色々なサイトでシミュレーションできます。

まずは、そこで自身の上限額を確認してから、寄付金額を決めることをおすすめします。

例えば、年収1,000万円のサラリーマンで、特段家族などもいない単身で保険なども入っていなかった場合、控除上限はざっくり20万円程度になります。

したがって、2,000円で22万円×30%=6.6万円程度の返礼品がもらえるということです。

ちなみに、年収500万円になってくると同じ条件で、控除上限は8万円程度と大幅に下がってしまう一方で、年収2,000万円になってくると控除上限は62万円程度と跳ね上がります。

個人事業主の場合、青色申告控除後の所得が2,000万円の場合で同じ条件であれば、控除上限は80万円程度になります。

このように所得が多ければ多いほどふるさと納税の控除限度額が大幅に上がることから、所得が出ている人は、面倒かもしれませんが、絶対にふるさと納税をした方がよいと思います。

ちなみに、寄付した金額は経費とはなりませんので、事業用資金から寄付した場合には「事業主貸」の科目を使用します。

プライベート口座から支出した場合には、とくに仕訳をきる必要はありません。

【控除制度③】生命保険、介護保険、個人年金への加入を検討する

地味ではありますが、生命保険、介護保険、個人年金の掛金の支払いも、一定の限度額はありますが所得控除に入れることができます

節税を考えるのであれば、少額こうした保険に加入するなどの方法をとっておくとよいでしょう。

個人事業主では、生命保険料を経費にすることは認められていませんが、法人の場合は、上限なく経費にすることができます。

しかし、保険の種類によっては一部「損金」として節税の対象にならない可能性があるので保険会社の営業担当者にご確認ください。

(定期保険は全額損金算入、逓増定期保険は保険費用の保険が損金算入になります)

参考資料:生命保険と法人税の損金の関係性について

なお、個人事業主の保険上控除については、詳しくは下記URLなどを参考にしてください。

保険会社なども詳しいので、そういったところに質問するのも有効でしょう。

ちなみに、生命保険の保険料控除については、旧契約、新契約の両方を契約している場合には、①旧制度のみ、②新制度のみ、③旧制度と新制度の併用のいずれかを選択することができます。

なお、例えば「一般の生命保険料の上限5万円」と「介護医療保険料の上限4万円」は合算して9万円の所得控除を受けることもできますので、契約する保険が「一般の生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」に該当するのかは保険会社の担当者に事前に確認するようにしてください。

【控除制度④】小規模企業共済へ加入を検討する

「小規模企業共済」も多くの個人事業主が節税対策として利用している制度です。

この「小規模企業共済」は、小規模企業の経営者や個人事業主のための退職金制度です。

「小規模企業共済」の良いところは、ずばり、掛金は全額所得控除を受けられる一方で、共済金受取時には、一時金とすることで、退職所得扱いにでき、大幅に税制優遇を受けられるという点です。

一方で注意すべきところとしては、運用利率が低い点や、掛金の納付年数が20年未満だと元本割れしてしまう点などがあげられます。

これらの、良いところ、注意すべきところをしっかり理解した上で、加入を検討しましょう。

【控除制度⑤】節税メリット抜群のiDeCoへ加入するを検討する

個人事業主は、iDeCo(イデコ)の個人型確定拠出年金が利用できます。

iDeCo(イデコ)は小規模企業共済とよく似ていて、将来のために積み立て、運用を委託する退職金制度のようなものです。

小規模企業共済との違いは、運用利率が高い商品を選ぶことができるという点です。

なので実務的には、iDeCoに入る方は、小規模企業共済とセットで入って、節税メリットを最大限とりながら、運用利率やリスクヘッジなども同時にしているというパターンが多いです。

iDeCoについてもその最大の良いポイントは、掛金が全て所得控除になる点と、一時金受取時は退職所得とすることができる点です。

ただし、小規模企業共済とiDeCoの両方に入るときに一点だけ注意しなければならない大事なことがあります。

それは、一時金を受け取る順番と受け取る間隔に注意するということです。

iDeCoの一時金を受け取った後、5年後に小規模企業共済の一時金を受け取らなければならないということだけ必ず忘れないようにしてください。

【控除制度⑥】専従者控除を理解しておく

青色申告を選択していれば、専従者に支払う給与は全額経費にすることができます。

一方、白色申告では、専従者の給与は経費にすることができないかわりに、専従者控除という所得控除を利用できます。

控除額が原則、事業主の配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円と定められています。

ちなみに専従者の要件は、前述した青色申告の場合と基本的に同じです。

【控除制度⑦】医療費控除は意外と使える

その年の1月1日から12月31日までの間で、個人事業主や配偶者や親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が10万円を超えるときは、基本的に、医療費控除を申告すると得です。

対象となるのは、次の医療費です。

ポイント

  1. 個人事業主が自身もしくは生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費
  2. その年の1月1日から12月31日までに実際に支払った医療費

医療控除の金額は、最高で200万円までです。この控除額は次の計算で求めることができます。

参考

実際に支払った医療費の合計金額 - 保険金等で補填される金額 - 10万円

保険金等で補填される金額とは、生命保険契約などで支払われる入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などです。

ようするに、10万円以上医療費払っている人は医療費控除受けると節税になりますという話だと理解してもらえばよいです。

ちなみに、医療費控除を受けるためには以下のいずれかの書類を確定申告時に提出します。

必要書類

  • 医療費の領収書から作成した「医療費控除の明細書」
  • 医療保険者から交付された医療費通知

医療費控除を受けた場合は、医療費の領収書は5年間保管しなければいけませんので、その点も注意してください。

また、実は、自身で薬などを薬局でよく購入されるような方は、セルフメディケーション税制という制度も選択する方が有利な可能性があります。

参考:国税庁 No.1131 セルフメディケーション税制と通常の医療費控除との選択適用

【控除制度⑧】地震保険料控除

地震保険料控除とは、払う保険料に応じて、所得控除を、所得税の場合は最高5万円、住民税の場合は最高2.5万円受けられるという制度です。

ちなみに、事業用の事務所などにかける地震保険料は全額経費にできますので、この地震保険料控除を受けられるのは、あくまで自宅などのプライベートな支出として支払った地震保険料にかかるものです。

自宅兼事務所の地震保険料は、家事按分した上で、経費になるものは経費に、プライベートにかかるものは経費にはできませんが、その分については控除の対象にできます。

自宅などを地震保険にいれている人は忘れずにこの控除を受けるようにしましょう。

地震保険料について詳しく知りたい方は、国税庁のHPを参考にしてください。

【控除制度⑨】雑損控除も忘れがち

雑損控除とは、自然災害・火災・盗難・横領などによって損失があった人が、所得から一定の金額を控除できる制度です。

適用範囲は、プライベートな損害に限定されます。

ちなみに、事業用の資産が盗難された場合や、お金を盗まれた場合には、「雑費」などを使って経費にすることができます。

この制度も、基本的に利用することはほとんどありませんが、もし何か天災などにあった場合には、非常に使える節税対策になる可能性があります。

頭の片隅に入れておきましょう。

【控除制度⑩】勤労学生控除は学生起業家などで使える可能性がある

近年、在学中に起業する学生が増えています。

そんな起業家が使える可能性のある控除の制度が勤労学生控除です。

この制度を使えば、27万円の控除が確定申告で受けることができます。

ただし、要件があり、所得が75万円以下と稼げていない人限定の控除制度になっていますので、実は、使える人は極めて限定的です。

【控除制度⑪】住宅ローンを利用した場合には税額控除が受けられる

住宅ローン控除(正式名称は、住宅借入金等特別控除)とよばれるものがあります。

12月31日の時点で居住している住居について、一定の住宅ローンを支払っている場合に、最高で、残っている住宅ローンの1%、を所得税や住民税から減額できる制度です。

ここで注意いただきたいのが、個人事業主の自宅兼事務所の取り扱いです。

これは、事業用に使用している床面積と住宅全体の面積の比率によって決まります。

▼事業用の床面積と控除比率

居住部分の床面積の割合控除額
90%以上全額
50%以上~90%未満居住部分の割合分のみ
50%未満0円(控除は受けられません)

このように、居住部分が半分未満の場合には、住宅ローン控除は一切うけられません。

また、居住部分の割合が90%を超えていれば、住宅ローンの控除の計算では100%居住用として取り扱うことができます。

ローンを使って、今から自宅兼事務所を購入するという方は注意してください。

居住部分を50%未満にしてしまうと、非常に損をしてしまう可能性があります。

ちなみに、住宅ローン減税は消費税増税対策の時限措置として2020年12月31日までの引き渡しを受けた場合、減税対象期間が13年に延長されています。

節税対策の落とし穴や注意点、ちょっとした裏技

節税対策として、強引な方法で経費を増やしたりしてしまうと後で大変な目にあいます。

税務署から追加で税金を徴収されることになってしまいます。

いわゆる追徴課税です。

そのような事にならないように、これから説明する落とし穴や注意点を理解して節税に取り組みましょう。

節税対策として、売上をいじるのは危険

売上の計上時期をずらそうとする、売上を過少計上しようとする個人事業主がまれにいます。

しかし、これはとても危険な行為なのでやめてください

税務調査には反面調査というものがあります。

例えば個人事業主Aさんでは売上があがっていないけど、その得意先である法人Bでは仕入になっている場合には、その事実を知った税務署が個人事業主Aのもとに調査に入るかもしれません。

売上の計上漏れを税務署は重く受けとめる傾向があります。

ミスしましたは通用しません。

違法な脱税の場合、税務上一番処罰の重い重加算税という罰金をとられてしまいます。

重加算税は、本来の税額の30~40%の追加罰金を要求されることになります。

しかも、悪質な場合には7年前に遡って税務調査されます。

もし、7年前から違法な脱税をおこなっていた場合に支払う税金は膨大な金額になります。

実効税率を25%くらいにしておくべき?!

たまに実効税率を25%ぐらいにしておいた方が税務署に目をつけられなくて良いですといった記事をみかけます。

実効税率とは、所得に対して実質的に納めた税金がどれくらいの税率になっているかというものを表します。

これは、言うなれば、ある程度税金を納めていたら税務署は調査に来ないよ、というような類の話かと思います。

たしかに、税務署は税務調査に入るかどうかを決める過程で、不正を働いていそうな人に絞って調査に入ってくる傾向があります。

実効税率が高い個人事業主はその段階でフィルターから外れる可能性もあるかもしれません。

ただし、健全な節税対策をおこなった結果、納める税金がゼロになることは問題ではありません。

この記事を読んでいただいている方には、しっかりと節税を図っていただきたいため、実効税率や、税金ゼロがダメといった話は気になさらないようにしてください

有効な方法で、納める税金を減らすことは違法ではありません。

税金の支払いはクレジットカードでするとお得

最近は、税金の支払いはクレジットカードでできるようになりました。

現在、納付可能な国税は国税クレジットカードお支払いサイト( https://kokuzei.noufu.jp/ )で確認できます。

そのほか、自動車税や固定資産税といった地方税も自治体によってはクレジットカードで納付可能なところもありますので、事前に確認しておく必要があります。

税金の支払いは個人事業主によっては、1年を通して一番大きな支払いになる可能性があります。

これをクレジットカードで落とせるとしたら、相当なポイントをためることができるため、大変お得です。

一方で、手数料もそれなりにとられてしいまうため、トータルでは得になりますが、

ポイント – 手数料 = 得する分

がどの程度になるかはしっかりと確認しておきましょう。

クラウド型会計ソフトの導入はほぼマスト?!

基本的に経理に時間を割けない個人事業主にとって、クラウド型会計ソフトの導入は必須といっても言い過ぎではありません。

開業したてで、まだほとんどお金が動いていないのであれば必要ないかもしれませんが、事業が本格稼働し始めるころには、クラウド型会計ソフトを入れておいた方がよいでしょう。

クラウド型会計ソフト導入のメリット

クラウド型会計ソフト導入の最大のメリットは、銀行口座、クレジットカード、交通系ICカード、電子決済の明細などと連携できることです。

これで、日々の経理工数を圧倒的に抑えることができるとともに、経費を網羅的に拾えるようになります。

したがって、基本的に、すべての支払いを現金払いではなく、これらの決済方法でやることが大前提となります。

そのほかにも以下のようなメリットもあります。

メリット

  1. 確定申告が書類が簡単に作成できて e-Tax が利用できること
  2. 領収書を写真にとることで自動仕分けまでしてくれること
  3. スマホ用アプリでいつでもどこでも日々の仕訳確定などが簡単にできること

クラウド型会計ソフト導入のデメリット

クラウド型会計ソフト導入のデメリットはお金がかかることと、画面遷移が若干遅いことです。

freeeやマネーフォワードなどの代表的なクラウド型会計ソフトの使用料はすべて年間1万円程度(2020年10月現在)で使えるため、実はパッケージ型の会計ソフトよりはかなりお安くなってます。

では、無料ソフトと比較して、この1万円という金額をどう見るかですが、経理にかかる工数の削減効果を考えたら、どう考えてもお得です。

筆者の私見になりますが、年間20万円でもこのクラウド型会計ソフトは導入したくなると思います。

画面遷移が遅いという点も、事前にタブを複数あけておくなどの解決方法で問題なくスムーズに作業が行えるため、あまり気にする必要はないでしょう。

おすすめのクラウド型会計ソフト3選

「安い」もしくは「初年度無料」で機能も充実しているクラウド型会計ソフトは実は3つしかありません。

おすすめの会計ソフト

・freee・・・初心者向け/年間11,760円(税抜)/初月無料

・マネーフォワード・・・経験者向け/年間9,600円(税抜)/初月無料

・やよいオンライン・・・経験者向け/年間8,000円(税抜)/初年度無料

参考(各会計ソフトの公式HP
freee公式サイトはこちら
マネーフォワード確定申告公式サイトはこちら
やよいの青色申告オンライン公式はこちら

ちなみに、おすすめの会計ソフト、会計アプリの紹介記事もありますので、よろしければご覧ください。

規模が拡大したら法人化を検討すべき?!

所得が増えてきたら、法人化することも節税対策の1つです。

ここでは、法人化によるメリット・デメリットを説明します。

法人化した方が経費の範囲が増えるというメリットがある

ポイント

1、個人事業主の税率は最高45%だが、法人税は約25%程度

2、法人役員になり、役員報酬を受け取ることで給与所得控除が利用できる

3、旅費規程を作成し、出張の際に日当を払うことで節税できる

4、中小法人の特別控除が受けられる

5、退職金や生命保険を使った節税ができる

6、個人事業主で消費税課税事業者になった場合に、法人化で4年間免除になる( 個人事業主で2年、法人で2年の計4年間 )

個人事業主の節税のポイントを見てきましたが、例えば、所得が高くなってきて、税率が上がってきた場合などに、さらなる節税を期待する方は「法人化」を検討してはいかがでしょうか。

法人化のデメリットは?

法人化には当然デメリットもあります。

例えば細かい話ですが以下のようなデメリットが考えられます。

注意ポイント

1、設立時に法人登記費用が発生する。
2、事務的な負担が格段に増える。
3、赤字でも法人住民税の均等割は支払義務がある。
4、従業員の社会保険や労働保険の負担が発生する。

株式会社設立の費用は司法書士などへの支払いも含めて、トータルで概ね30万円前後です。

その他、大きなデメリットは赤字でも法人住民税を支払わなければいけないところです。

また、個人事業主と比べて事務的な負担が増えてきます。

悩んだら税理士に相談すべき!!

税理士は本当に頼れる存在です。

筆者自身も税理士ですが、細かいことで判断に悩んだときは、他の税理士に確認することだってあります。

多分大丈夫だろういう勝手な判断で節税を進める事は危険です。

悩んだら税理士に相談しましょう。

顧問税理士の報酬の相場とは?

基本的に、税理士への報酬は、通常、「顧問料」+「記帳代行」+「決算申告」で計算されます。

個人事業主はフルパッケージの場合が多いかもしれませんが、「記帳代行」は自身で行うという方もいるかもしれません、

税理士の顧問料金の相場は筆者のまわりにいる税理士などの状況をもとに目安として示すものです。

顧問税理士の報酬は一律ではなく、税理士によって異なりますし、経済状況などによっても様々です。

あくまでも参考程度に考えてください。

▼税理士費用の目安

訪問頻度記帳代行(月額)決算申告(年別)合計(年間)
年12回3~5万円10万円~50万円40万円~100万円
年4回2~3万円10万円~50万円30万円~80万円
年2回1~2万円10万円~50万円20万円~70万円
年1回1万円10万円~50万円20万円~60万円

税理士の報酬と節税効果を比較!!

税理士から個人事業主に提供されるサービスの種類は主に2つです。

ポイント

  • 経理から確定申告までの手間を省ける
  • 知らなった、気づかなかった節税術を教えてもらえることで得できる

もし、税理士に報酬を払った方が得なのかどうかを知りたかったら、税理士の方に簡単に今記帳しているようなものなどを見せた上で、節税まだまだできそうですか?と聞いてみると良いでしょう。

それで、さらさら節税できそうなものがでてきたら、節税メリットだけで、税理士報酬はペイするかもしれません

基本的に税理士に領収書やクレジットカードの明細データなどを渡せば経理をすべてやってくれるという話であれば、自身がどれくらいの工数削減できるかという観点でも税理士報酬が高いか否かを判断することができます。

格安で確定申告が可能な税理士

最後に、格安で確定申告を依頼できる税理士を紹介したいと思います。

税理士は質で選んだほうが節税に結果的につながるから良いと税理士である筆者は主張したいところですが、

ほとんどの方は税理士を値段で選ばれているのも事実です。

そこで、個人の皆様にできる限り安い税理士サービスを紹介できないかと選んできたサービスの二つがこちらになります。

弊社が調べた限り、このサービスより安く確定申告を依頼できるところはありませんでした。

節税のことを勉強している方でまだ税理士をつけていない方は、少しくらい費用を払ってでもいいので税理士をつけることをおすすめします。

どれだけ自分で税金のことを勉強していても、多くの方が勘違いして、理解してしまっているという現状を筆者もよく見ています。

そういった勘違いを防ぐとともに、情報収集の手間を大幅に防げるのが税理士に依頼する最大のメリットなのです。

以下の税理士事務所は10万円前後で確定申告代行を依頼できる非常に格安な税理士事務所です。

みんなの会計事務所の確定申告代行

合計の収入が数百万円程度と低い方は、みんなの会計事務所の確定申告代行サービスを利用いただくと安くなる可能性が高いと思います。

ただし、仮想通貨の収入がある方で、海外の取引所を利用している方には対応していませんので注意してください。

みんなの会計事務所はこちらから

よろしければ、お見積りをとってみてください。

税理士の探し方や各地域でのおすすめ税理士をご紹介

各地域でのおすすめ税理士や税理士の探し方などをご紹介している記事もあります。

よろしければ、参考にしてみてください。

まとめ

節税の一番のポイントは、経費を増やすことです。

そのためには、経費にできるものとできないものをしっかりと理解しておく必要があります。

この記事に書かれていることを上手く利用して節税に役立てていただければ幸いです。

また、節税するためには、自分がどれだけの売上、利益、経費を計上しているのかをタイムリーに把握しておく必要があります。

共同執筆者

金誠智(キムソンジ)先生(公認会計士)

有限責任監査法人トーマツ長野事務所で上場企業、IPO準備会社、金融機関等幅広く監査の経験をする中でトーマツベンチャーサポートも実施。

株式会社リプライスの経営企画室長、株式会社カチタスのIPO準備室室長として従事。2017年12月にグローバルIPOを実現し、上場後はIR責任者を担当。

2020年9月にIPO支援、IRコンサルティングを行うアイスリー株式会社を設立。

アイスリー株式会社のHPはこちら

1987年1月東京都八王子市 生まれ
2009年3月有限責任監査法人トーマツ 長野事務所 入所
2012年10月トーマツベンチャーサポート 長野リーダー 任命
2014年6月株式会社リプライス 経営企画室長 入社
2016年3月プライスの株式100%をカチタスに譲渡し、経営統合
2017年4月株式会社カチタス  IPO準備室長 兼 内部監査室長
2017年5月カチタスの株式34%をニトリHDに譲渡し、資本業務提携
2017年12月カチタス 東証一部上場

(グローバルIPOとして海外投資家にも募集する形で上場)

2020年9月アイスリー株式会社 設立 代表取締役社長 就任
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